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成人の7割弱が「超常現象」を信じていた!?

2021.06.30

 長年使っている2つ折りの携帯電話を路上に落としてしまった。初めてのことだ。歩きながら着信をチェックしようと無造作にバッグから取り出したのがいけなかった。やはり今日は運が悪い日なのか……。

池袋の街を歩きながら今朝の“黒猫”を思い出す

 映画館を出て池袋の街を歩く。観たのは少し仕事に関係している映画で上映開始は朝10時45分だった。こんな早い時間に映画を観るなんて、おそらく子どもの頃以来のことだろうと思ったが、そんなこともなかった。

 かつて宮崎県に行った時、朝にホテルをチェックアウトしてその足で近くの映画館に入ったことがあった。飛行機は夕方の便だったので時間はたっぷりあり、ひとまず映画でも観ようと思ったのだ。宮崎のほかにも旅先で午前中に映画館に入ったことは何度かあったことを思い出す。

 池袋駅の西口側、劇場通りを歩いていた。視界の先には大きな交差点である「西口五差路」が広がっていて、その先にはもうすぐ閉店を迎える某有名デパートが見える。駅に行くには左折することになるが、駅には向かわず交差点の横断歩道を渡り要町方面へ向かう。時刻は午後1時前でちょうどお昼時だ。どこかで何かを食べてもいいだろう。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 旅先というシチュエーションでは午前中に映画館に入る機会もあるが、今回のようによほどの事情がない限りはさすがに東京で午前中から映画を観ることは個人的にはありそうもないし、実際に思い当たるふしもない。その意味で今日はきわめてレアな体験をしたことになる。

 自分のような者には旅先のほうが映画館に入りやすいのかもしれない。東京にいればどこにいようが基本的には帰宅することになるので、それなりに時を費やす映画館での映画観賞に心理的抵抗を感じないと言えば嘘になる。

 映画上映中にマナーモードにしていた携帯電話をチェックしようと、歩きながらバッグから取り出した矢先に手元が狂って落としてしまう。我ながら情けない。

 すぐさま拾ってチェックしたが、機能には問題はないようだ。しかしボディーの一部に傷はついてしまった。もう何年もこの携帯を使っていえるが、道に落としたのは初めてのことだ。これもまたレアな体験をしたことになる。

 交差点を後にして少し進んでから右折し、要町に通じる大通りから一本奥に入った裏路地に出る。この界隈も飲食店が多いエリアだ。飲食店街であり“夜の街”でもある。

 10年近く使っている携帯電話を初めて道に落とすというレアで運が悪い体験をしたわけだが、思い当たるのは今朝、家を出て駅へ向かう道すがら気になる光景を目撃したことだ。住宅街の路地を歩いていると前を黒猫が横切ったのだ。携帯電話を落としたのはこの黒猫の“祟り”だったのだろうか。

 通りは基本的に“夜の街”であり、この時間帯は大半の店は閉まっていて閑散としている。もちろん目下の感染症禍下で休業している店も少なくないのだろう。

 しかしそれでもラーメン店や寿司屋、ハンバーグ専門店、うなぎ店、中華料理店、ランチ営業をしている日本料理店などざっと見回しただけでも選択肢はそれなりにある。少し歩いて店を見てみたい。

※画像はイメージです(筆者撮影)

成人の65%が超常現象を信じている

 ご存知の通り黒猫は世界の多くの文化で神秘的な存在として認識されていて、不吉なことが起こる兆しであると恐れられていたりもする。

 そんなものは“迷信”だとして頭の中から追い払ってしまってもよいし、合理的に考えてそのほうが正しいのだが、実際に黒猫が前を横切った光景はビジュアルとしてそれなりに印象強いものがある。そんな光景を朝から目撃しようものなら、これからはじまる今日一日に、何か良くないことが起こるのではないかと少し身構えてしまったとしても無理はない。

 運悪く携帯電話を落としてしまうことを、朝に前を横切った黒猫が予告していたのだろうか。もちろんそんなことがあるわけはないのだが、我々は成人になってからでも実は心の奥では“超常現象”を信じている割合がけっこう高いことが最新の研究からも報告されている。


「超常現象を信じること(PB)は成人によく見られます。PBと関連する理論には多くの心理的相関関係がありますが、そのような相関関係がPBを強化するのか、それともPBに起因するのかはわかりません。因果関係を理解するために、参加者が超常現象と思われるイベントを体験する実験計画を開発しました」

「全体として参加者の65%が本物の超常現象を目撃したと報告しました」

「結果は若年成人がPBとイベントの超常現象的な説明を容易に支持し、それらの感情的な反応が重要であることを示しました」

※「SAGE Journals」より引用


 スイス・ローザンヌ大学をはじめとする研究チームが2020年10月に「Psychological Reports」で発表した研究は、超常現象の体験が信念や感情にどのように影響するのかを実験を通じて探った興味深いものになっている。

 実験参加者のスイスの419人の大学生は超能力者(霊媒師)が会場内の人物の愛する故人に霊界で出会い、会話をしている様子を見せられた。参加者には知らされてはいないが、この超能力者はプロのマジシャンで、故人を愛する人物はサクラである。つまり芝居なのだ。

 参加者はその“霊媒ショー”の前後に、どれくらい超常現象を信じているのかを明らかにする7つのサブスケール(伝統的な宗教的信念、魔術、迷信、スピリチュアリズム、エイリアン、超能力、予知能力) の信心度を計測するテストを受けた。

 予想通り、超常現象信心度でより高いスコアを持つ学生は“霊媒ショー”の超常現象説を支持する可能性が高く、トリック(芝居)説を支持する可能性は低くなった。特にイベントを見た後、スピリチュアリズム信心度のスコアが増加した。

 そして参加者の65%が超常現象説を支持し、約10%がトリック説を信じており、約25%がどちらとも判断しかねると回答している。また参加者の自由形式の回答を分析したところ、“霊媒ショー”に感情を動かされた者ほど超常現象説を支持する傾向も浮き彫りになった。

 さらに個々の超常現象信心度は“霊媒ショー”を見る前も見た後も概して変わらないことも明らかになった。つまり超常現象であるかもしれないものを見せられたり体験したとしても、超常現象に対する態度はほとんど変わることがないのである。

 それにしても学問を志す大学生の65%が心の底では超常現象を信じているというのはなかなか興味深い数字であるといえそうだ。我々の多くは大人になってもわりと素朴に超常現象の存在を信じているのである。

「秋なす」ならぬ茄子づくしの昼食を堪能する

 とすれば黒猫の“迷信”もまたきっとそれなりに信じられているのだろう。携帯電話を落としたのも今朝の黒猫のお告げであったと解釈してみてもある程度の支持は得られそうだ。

 うなぎ専門店の前を通る。ランチタイムでうな丼がお得に食べられるみたいだ。うな丼もいいがもう少し辺りを歩いてみたい。

※画像はイメージです(筆者撮影)

“迷信”といえば食にまつわる迷信も多い。うなぎにしても「梅干しとうなぎを食べるとお腹を壊す」という言い伝えがあるが、特に根拠のない迷信であると何かの記事で読んだことがある。一度自分の身体で“人体実験”をしてみてもいいのだが、意図的にそこまでするほど自分にとって重要な案件ではない。

 食にまつわる迷信としては「酢を飲むと身体が柔らかくなる」や、「秋なすは嫁に食わすな」などもあるだろう。うなぎと梅干しのように食べ合わせにまつわる“迷信”も多い。

 たとえば「天ぷらとスイカ」の食べ合わせは良くないといわれているが、これは迷信というよりもありえない組み合わせだろう。天ぷらと冷たく冷やしたスイカを一緒に食べれば確かにお腹を壊しそうで、単純に無茶な組み合わせである。

 左にビジネスホテル、右にカプセルホテル併設のサウナをやり過ごしさらに通りを進む。通りを構成している店舗や施設を考慮すれば、この一帯はある意味では“出張族”のための街という側面もありそうだ。しかし現在、このコロナ禍で各企業の社員の出張は大幅に減少していることは火を見るより明らかである。

 右に路地が延びるT字路になった角に青い暖簾がかかった店を認める。和食の店であることは店構えからもわかる。中から食事を終えた近所のサラリーマンらしき人が出てきた。ランチをやっているようだ。

 中の様子を覗うとあまり広くない店内のカウンターの8割ほどがお客で埋まっている。人気店なのだろう。入ってみることにする。

 運よく席が空いていてカウンターの一番左端に座らせていただく。するとすぐに後から続けざまにお客が入ってきて残り少ない席もたちまち埋まり満席である。

 隣の人はおにぎり2つと焼き魚のメニューを食べていて美味しそうだ。厨房にあるランチメニューが記された黒板を見ると、「秋なす」ならぬ「焼きなす」がある。これも何かのお告げ(!?)だ、頼むことにしよう。そして定食のほうにも「なすみそ定食」があった。決まりだ。この2つをさっそく注文する。茄子づくしである。

 それにしても「秋なすは嫁に食わすな」という文言は悪意しか感じられないひどいフレーズだ。いったいなぜこんな“迷信”が一度は広まったのだろうか。食べ過ぎさえしなければ嫁であれ誰であれ、茄子を食べるのを禁止されるいわれはないだろう。

 ……というようなことを考えていると料理がやって来た。一番左端にいる自分の場所は目の前が壁なので、カウンター越しに出された料理を受け取るには隣の人の食事をいったん中断させることになりなんだか申し訳ない。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 なすみそには茄子のほかにもジャガイモや豆腐なども入っていて食べ応えがある。そして雑穀米のご飯には大豆がごろごろ入っていて、ほかではめったに食べられそうもない代物だ。みそ汁も美味しい。そして醤油をさっとかけて頂く焼きなすも格別だ。

 朝の黒猫のおかげで不穏な1日が予期されもしたが、それはせいぜい携帯電話を落として“無罪放免”かもしれない。だってこれほど美味しい昼飯にありつけたのだから。

文/仲田しんじ

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