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目からウロコ!記憶力競技のチャンピオンに聞く人の名前と顔を覚えるコツ

2021.06.26

近年、認知症予防のために若いうちから脳トレを行うサービスをよく見かけるようになった。それには、認知症患者が増えており、将来は誰もが他人事ではないという認識が広がっていることが背景といえそうだ。そんな中、最近、年のせいか記憶がにぶってきたと思ったら要注意。脳活を実践するほか、暗記術を身に着けておくのも良いかもしれない。

今回は、脳活グッズの紹介と共に、記憶術の達人に忘れたくないものを忘れにくくするテクニックを聞いた。

2025年には高齢者の約5人に1人が認知症に

最近、「脳活」という文字をよく見かけるようになった。それだけ将来の認知症への不安が、人々の間で高まっていることを示しているのかもしれない。

そもそも認知症とはどんな病気か。厚生労働省の「みんなのメンタルヘルス」によると、認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態を指す。最も多いのはアルツハイマー型認知症で、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症とされている。症状は物忘れで発症することが多く、ゆっくりと進行するという。

2020年現在、日本では65歳以上の認知症患者数は約600万人と推計されており、2025年には約700万人、つまり高齢者の約5人に1人が認知症になると予測されている。

早期発見・早期対応が重要視されており、運動などの予防的活動を早期から開始することで、認知症の進行を遅らせることが期待されている。

先日は朗報もあった。アルツハイマー型認知症の治療薬が米食品医薬品局(FDA)によって承認されたのだ。これは米国のバイオジェンとエーザイが共同開発した「アデュカヌマブ」という新薬で、米調査会社クラリベイトのレポートによると、本薬は2025年までに年間10億ドル以上の売上を達成する、ブロックバスターになりうると予測されている。

しかし、安心してはいられない。業界では一種の希望の光が差し込んだといわれているが、賛否両論ある。また、いくら治療法が発達したとしても、我々の予防意識は必要だ。

活性化する脳活市場

近年は、こうした認知症への不安から、「脳活」市場が活性化している。脳に良い刺激を与えたり、脳の運動を行うものだ。脳活パズルや脳活ドリル、ゲームなどが増えてきた。

また手軽に摂取できる食品も見られる。

先日は2021年5月25日に、味の素が機能性表示食品「脳活セブンアミノ」を発売。記憶力の衰えを感じている健康な中高年向けで、7種の必須アミノ酸の働きにより、加齢とともに低下する認知機能の一部である注意力と認知的柔軟性を維持し、前向きな気持ちをサポートする。アセロラ味の顆粒タイプで、1日2本を目安に、水などと一緒に摂取する。

また「くるみ」の認知症予防効果が注目を集めている。カリフォルニアくるみ協会によれば、くるみの摂取によって、認知機能低下の予防・改善効果の可能性が研究で示されているという。こうした中、脳活性総合研究所が監修した、東洋ナッツ食品の「脳活クルミ」が2021年3月に発売された。

こうした脳活グッズは、今後どんどん増えていくのかもしれない。

記憶術の達人は物忘れをしにくい?

ところで、脳トレや物忘れ防止のために努力をしていると、「きっと記憶術の達人といわれる人は、物忘れをしにくいのだろうな」と思うことがある。そこで、その素朴な疑問を解消すべく、記憶術の達人に聞いてみた。

今回、回答してくれたのは、記憶力を競う「メモリースポーツ」と呼ばれる記憶力競技の現役選手で、かつて日本チャンピオンになったことのある平田直也さんだ。

記憶術の達人は物忘れをしにくいのでは?と思い聞いてみたところ、「記憶術を使えることと、物忘れがなくなるということは一切関係がない」とのことだった。

【取材協力】

平田直也さん
1997年生まれ。学生時代に記憶術を学び、数年で記憶力競技の日本ランク1位に。1分間で人の顔と名前を30人、数字を100桁覚えられる。現在は一般企業に勤めながら記憶術の普及活動も行っている。著書に「世界最強記憶術 場所法」がある。
BSA(ブレインスポーツアカデミー)
https://brainsportsacademy.net/
平田直也Twitter
https://twitter.com/nandemo_oboeru

「私がやっている記憶力競技というスポーツは、記憶術を使った技を競うものです。そのため、私は記憶術という技を上手に使えるだけであって、記憶力が良いわけではないですし、記憶術を使えることと物忘れがなくなるということは一切関係がないのです」

記憶術の達人は記憶力が良いわけではないとは驚きの事実。ということは、「自分はもの覚えが悪い」「記憶力がない」と思っている人には朗報。記憶術は身に付ければ覚えることができるということだからだ。

記憶術は使うのがうまくなったもの勝ち!

そこで平田さんに、記憶術を身に着ける方法の概要を教えてもらった。物忘れ予防や記憶力アップには関係がないということだが、日頃の仕事においては役立つスキルといえる。

――ビジネスシーンでよくある、初めて会う人の名前と顔を10人ほど一度に覚える方法は?

「何かを覚えたいとき、大切なポイントは『思い出すきっかけ』を作ってあげることです。せっかくインプットしても、アウトプットをする補助がないとなかなかすぐには思い出せません。

人の名前と顔も同じです。自分があとあと、思い出しやすくなるように、1人1人に対して『記憶のとっかかり』を作り、その人に対して抱くイメージを増やしましょう。例えば、名前の由来を聞く、同じ苗字や名前の芸能人を思い浮かべる、趣味や出身を聞くのも良いですね。その人に興味を持ち、思い出すきっかけを作ってあげると、思い出せる確率は高まります。『この人は俳優が好きって言っていたな。確か俳優の○○さんと同じ苗字だったはず!』と思い出せるようになるのです。

そうなると『余計に覚えることが増えるのではないか?』と不安になるかもしれませんが、その心配は要りません。人間の脳は関連することであればどんどん芋づる式に思い出せるようになっています。むしろ、『自分は記憶力が悪いからこれだけしか覚えられない』と思い込んでしまうと、本当にパフォーマンスが落ちてしまいます。自分の脳を信じてあげること、『いくらでも覚えられる!』とポジティブに捉えることも重要ですね」

記憶術は“思い出し方”術でもある

――平田さんは、記憶術は“思い出し方”術でもあり、思い出す頻度が多ければ多いほど良いと述べていますね。タイミングとしてはどんなときに思い出すと良いのでしょうか?

「私が覚えたものを思い出してチェックするタイミングはいつも同じで、『思い出すのが辛いなぁと思ったとき』です。思い出せないギリギリのタイミングで復習してあげることによって、確実に記憶が定着します。

何かモノを覚えたとき、その直後はまだ鮮明に思い出せますよね。数分後もきっと楽に思い出せると思います。そのようなときに復習をしても、結局思い出せてしまうのであまり効果はありません。数日くらいたった後、『あ、これ思い出せないかもしれない。思い出すのが大変そうだな』と思ったときにあえて復習をすると効果的です。大変そうだなと感じるので、実際、思い出すのは苦しいと思います。それでも頑張ってひねり出して、改めて思い出せなかったところを覚える作業を経ることで、脳に刻み込まれるのです。

よく復習論として『1日後、3日後、1週間後に復習をしよう』というものがありますが、個人差や覚えたいものによっても変わってくるので、この日数はあくまで目安で良いと思います。私は自分の中で思い出せないタイミングで思い出すという負荷を脳にかけることで、記憶をより強固なものにしています」

声に出したり、紙に書いたりすることは有効?

――声に出して何度も読んだり、紙に書いたりすることで覚えやすくなるということはありますか?

「どのくらいの精度で暗記したいかにもよります。例えば、スピーチの内容を一言一句間違えずに覚えたいのであれば、声に出して何度も読むのが一番効果的だと思います。しかし、もし大雑把に意味の流れだけ覚えたいのであれば、何度も読むより、頭の中で『こういう話の流れだったな』と一つずつざっくり思い出すアウトプットを繰り返したほうが効果的でしょう。

文字に書いて覚えるのも同じで、細かい部分も確実に全部覚えなくてはいけないことは書いたほうが良く、大まかな内容を覚えれば良いのであれば、ストーリーや理由を意識して覚えたほうが良いと思います。

何に対しても共通していますが、何かを覚えるとき、意味や理由を関連付けることによって記憶に残りやすくなります。ただし、助詞や細かい表現など細部に関してはこれで覚えにくいので『体で覚えてしまう』しかないと思います。そのため、役者さんが台本を何度も口に出して覚えたり、漢字を習う小学生が何度も書いて覚えたりするのは理にかなった方法だと言えます」

認知症への不安が高まる今、脳活グッズなどを活用して若いうちから予防する意識は万人に必要な時代となっている。しかし一方で、記憶についてはコツを会得することで達人にもなれるということが分かった。記憶術ともの忘れはまた別のお話だが、記憶術は日々の生活の中で役立つ技と言えそうだ。興味があればぜひ取り組んでみよう。

取材・文/石原亜香利

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