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【もしもAIがいてくれたら】人みたいなロボットが陥る不気味の谷

2021.06.19

【連載】もしもAIがいてくれたら

第5回:人みたいなロボットが陥る不気味の谷

近年、急速に耳にする機会が増えてきた「AI(人工知能)」。スマホに話しかけてニュースや天気をチェックしたり、自宅に「AIスピーカー」をおいて活用している人もいるのではないだろうか。

このまま科学技術が進歩すれば、「AIに悩みを相談する」なんて時代が来るかもしれない――AIの専門家で電気通信大学副学長の坂本真樹さんはそう予想する。しかも、AIは人間よりも悩みを親身に聴いてくれるかもしれないという。これからくるAIの未来を解説する。

【バックナンバーのリンクはこちら】 
第1回:私、元いじめられっ子の大学副学長です
第4回:『OK Google 悩みを聴いて』と尋ねても良いのか?

ロボットが人間っぽくなると「不気味になる」のはなぜ?

AIが実装されたコンピュータやAIスピーカーに相談するよりも、より人間に近い見た目のロボットが「うんうん」と話を聴いてくれたほうがよいかもしれませんね。

腕だけでひたすらねじ止めしたりする産業用ロボット(ロボットアーム)には親しみを感じませんが、犬など動物のような形をしたロボットには親しみを感じます。生き物である人間は、より自分に近い生き物らしいロボットになればなるほど親しみを感じるのではないか、と考えられます。少し古いですが、鉄腕アトムとかパーマンとか人型ロボットには親しみを感じます。しかし、人間により近い見た目になっていけばいくほど、親しみを感じるのか、というとそうではないようです。アンドロイドを見たことがある人は、なんとなく不気味に感じたことがあるのではないでしょうか。

ロボットが人間に近づくと親しみが高まっていきますが、あるところまでいくと急に不気味に感じてしまい、親しみが感じられなくなります。この現象は、「不気味の谷」と呼ばれ、ロボット工学者の森政弘氏が1970年に提唱してから、不気味さが生じる理由などについて国内外で様々な議論がされてきました。

いろいろな説はありますが、ロボットが実際の人間とかけ離れている場合は人間的特徴の方が目立ち認識しやすいため、親しみを感じやすいのですが、ロボットが人間に近くなってくると、人間とは違う特徴の方が目立ってしまい、不気味に感じさせてしまうのではないかといったことがあります。

「ぬいぐるみ」に感情がないのに可愛く感じるのはなぜ?

人間とは違う特徴が全くなくなり、人がそのロボットを完全に人間だと思い込むレベルになれば不気味の谷は越えられるので、そちらを目指すという方向もありますが、実は、外見は完全を目指さなくていいのではないかとも思われます。ペットみたいでかわいい、という程度でもいいかもしれません。丸いものはかわいいと思われやすいという話もあるので、ほとんど全部〇で描ける程度の人型ロボットがいいのかもしれませんね。そういえば、まさにドラえもんがそうなのですよね。ま~る描いてちょん、ま~る描いてちょん♪という絵描き歌で描けるわけですものね!

人間には、ぬいぐるみにも感情移入できる能力があります。明らかにぬいぐるみには感情がないとわかっていても、ぬいぐるみがソファから落っこちていたり、足がとれてしまったりしたら、かわいそう、と思ったりします。お掃除ロボットが同じところをクルクル回っていたら、なんかそこが気になるのかな~? とか、壁にぶつかって動けなくなったら、かわいそう、と思うかもしれません(実際には、最近のお掃除ロボットはよくできているのでそんなことはないでしょうけど)。

アンドロイド研究で著名な大阪大学の石黒浩先生の研究室は、女性型の遠隔操作できるアンドロイド「ジェミノイドF」を新宿高島屋のショーウィンドウの中に座らせて人の反応をみる実験を2012年に行っています。その結果、無言で瞬きするだけのアンドロイドに対して、集まった人が感情移入する様子が報告されています。

ショーウィンドウの中にいて、明らかに人間ではないことをアピールしているのに、人がロボットに感情移入するというのは面白いですね。ぬいぐるみとか、お掃除ロボットのことも考えると、共感するかどうかにおいては、言語は必要ないのかもしれません。私の愛犬も、言語は話しませんが、私はとても共感してしまいます。尻尾を振ったり、じーっと見つめたり、クルクル回ったり、言語に寄らない感情表出を盛んにするからかとは思います。

確かに、人間関係でも、やたらと「私の気持ちわかってー」と自己主張する人により、無口で控えめな人に好感を持ち、共感したりするということがあるのかもしれません。とすると、こんなエッセーを書いている私は共感されないかも?それはさておき、AIが搭載されるロボットを考えた場合は、やはりぬいぐるみやペットのような共感ロボットではなく、対話能力がすごくて人を強力に支援してほしいという思いがあります。

次回は、「絶対的な味方になってくれるAIの可能性」について考えてみたいと思います。

坂本真樹(さかもと・まき)/国立大学法人電気通信大学副学長、同大学情報理工学研究科/人工知能先端研究センター教授。人工知能学会元理事。感性AI株式会社COO。NHKラジオ第一放送『子ども科学電話相談』のAI・ロボット担当として、人工知能などの最新研究とビジネス動向について解説している。オノマトペや五感や感性・感情といった人の言語・心理などについての文系的な現象を、理工系的観点から分析し、人工知能に搭載することが得意。著書に「坂本真樹先生が教える人工知能がほぼほぼわかる本」(オーム社)など。

※配信日は変更になる可能性があります。

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