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テレワークの達人に聞く自宅に〝出勤スイッチ〟を作る方法

2021.06.26

2020年4月、最初の緊急事態宣言が出てから企業では「テレワークの導入」に関する課題が急浮上した。一年以上経った今では以前よりも浸透しつつあるものの、まだ「自宅で働くことに慣れない」「社内のコミュニケーションが上手くいかない」という方も少なくないだろう。

テレワーク向けリモートアクセスサービスを開発・提供するe-Janネットワークス株式会社は、コロナ禍以前(2000年創業)から自社製品を活用したテレワークに力を入れていた。コロナ禍においては、在宅勤務の環境改善を目的に雇用形態問わず「テレワーク環境準備一時金」として10万円を支給。社員のテレワーク満足度は96%だという。

今回、同社で働く二人の社員にテレワークの課題を解決するためのポイントについてお話を伺った。前後編に分けてその内容を紹介したい(今回は前編)。

【加藤貴之さんの場合】自宅でも〝出勤のスイッチ〟を作る

e-Janネットワークス株式会社 UI/UXデザイナー 加藤 貴之さん

加藤さんは、週5日のテレワークが可能になったことをきっかけに、2020年に都内から藤沢に移住。「プライベートから仕事への切り替えスイッチを作ること」「コミュニケーションツールを使い分けること」が、効率良くテレワークを行うポイントだと話す。

――円滑にテレワークを行うために意識されていることはありますか?

加藤:出社が完全になくなって、「物理的に出社する」という行為自体が大事な〝切り替え〟になっていたことに初めて気付きました。テレワークをする上で、私たちはそれを解決しなければいけない状況に置かれています。そこでまず意識したのが、自宅の中の短い距離であっても「自分にとっての出勤」を作ることでした。これがとても大事だと思っています。

都内の1Kの部屋に住んでいた時は、ベッドルームとワークスペースが同じ部屋でした。朝起きたらすぐに職場にいる、職場に寝泊まりしているようなものです。藤沢の家は広めの物件を選びベッドルームを別に持って、実際にパソコンに向かう作業は別の部屋、リビングで行うようにしています。

リビングがとても明るくてオフィスに近い環境になっていて、そこで朝必ずソファに座ってノートパソコンを開き、出勤の打刻をします。「出勤の儀式」と言いますか、「どうすれば出勤になるのか」を体に覚え込ませて、自分なりの出勤ルーティーンを作っていますね。

あと、僕は出社していた頃、まずウォーターサーバーに水を取りに行っていたんです。水を一口飲みながら口の中を潤して「さあ仕事するぞ」と切り替えていたんですが、自宅で仕事している中でそれがないことに気付いて、「会社と同じ環境を再現してみよう」とウォーターサーバーを新たに設置しました。小さなことですが、自分が「仕事をしているんだ」という雰囲気づくりは大切だと思います。

加藤さんのワークスペース

一時期はテレワークを充実させるためのガジェットもいろいろと揃えたんですが、「物が少ないほうが仕事に集中できる」と思い、今はかなり物を減らしました。僕は職場でもおそらく社内で一番きれいな机だったと思うんです、机の上にモニターしかないような。机に物があると集中力が持っていかれてしまうので、ミニマルな環境というのは出社の頃から心がけていましたね。

「社会との関わり」は画面付きスマートスピーカーを活用

――いろいろなガジェットも試されたそうですが、中でもおすすめのものはありますか?

加藤:はい、画面付きのスマートスピーカーですね。大事なのが「画面付き」という部分。音声だけだと、一対一で自分がスマートスピーカーに向かい合わないとやり取りできないからです。画面付きのスマートスピーカーだと、さり気なくアシストしてくれるのがすごく良くて。

例えば、家に週7でこもっていると曜日の感覚が薄れてきますよね。スケジュール感を意識するために、スマートスピーカーにカレンダーの紐づけをしていて「月曜日はプラごみ、火曜日は燃えるごみ」のように、ごみの日カレンダーをスマートスピーカーに表示させています。水を取りに行ったり、コップを洗ったりする時にチラッと見て「今日は燃えるごみの日か」と意識できるので、一週間のリズムを作るのに役立っています。

スマートスピーカーはニュースも知らせてくれるんですけど、音声で伝えられると気が散ってしまうので、チラッと見た時に画面で時事ネタを出してくれるくらいがちょうどいいですね。オフィスで他の人の会話から情報が入ってくるような環境を再現できます。閉鎖的なテレワーク環境でも、外を覗きながら仕事できるような感覚が、精神衛生的にもすごく良いですね。

加藤さんが使っている画面付きスマートスピーカー「Amazon Fire HD 8 Plusタブレット」

あと、スマートスピーカーは秘書みたいな使い方もできるんです。例えば「この仕事を30分で終わらせたい」という時に、声で30分のタイマーをかけます。自分が作業をしながらそれができるので、完全に自宅オフィスの秘書さんみたいな存在ですね。簡単な調べものもやってくれるので、オフィスで「◯◯さん、これ知ってる?」みたいなノリを自宅でも再現できます。

今リビングで使っているのが、AmazonのFire HD 8 Fire HD 8 Plusというタブレット兼スマートスピーカーです。台座から取るとタブレットとして使えるので、昼の休憩に入ったらそれでちょっとレシピを見るなど、ご飯を作る時にも使えて便利です。

コミュニケーションツールの使い分けが重要

――他の社員の方との対面でコミュニケーションを図れない中、何か工夫をされていることはありますか?

加藤:本当は、僕もオフィスで直接コミュニケーション取りながら仕事をする方が、ずっと好きなんです。対面で久々に出社した時には、「こんなに速く意思疎通できるんだ」と感動しました。でも、それをリモートでも実現するのがe-Janで働く者として大事だなと考えたんです。

テレワークでコミュニケーションを取るポイントは、「スピード感の違うツールを使い分けること」です。「速いだけじゃダメ」というのがあって、速ければ速いほど記録に残すのが難しくなります。例えば、Zoomで話している内容はチャットと違ってログが映像でしか残らないから、遡るのがすごく大変ですよね。全体の速さとその後のログを使う部分を、トータルで考えなきゃいけないなと思っています。

仕事の内容に応じて、そのバランスを考えながらツールを使い分けるイメージです。弊社では「Zoom」「Microsoft Teams」を主軸に、自社開発した「CrossCom」という社内SNS兼日報システムを採用しています。CrossComは、1日1回日報を提出して、それにお互いコメントを付け合って意思疎通ができるツールです。この3つだとZoomが一番速くて、Microsoft Teamsが中間、CrossComが一番遅いんですが、この3つのレーンを使い分けることによって取りこぼしがなくなるんです。

ログを残さなければいけないタイプの複雑な話はMicrosoft Teamsでやり取りした方が、第三者が入ってきた時に一から説明しなくて済みます。そこからさらに大きな枠で他の部署の人たちが見るものは、1日1回更新される日報など、長いスパンで全社的に広く共有しています。「遅いけど参照しやすいツール」と「速いけど参照しにくいツール」というのを、仕事の内容によってきめ細かに使い分けて組み合わせていくのが、テレワークの一つのコツなのかなと思います。

――テレワーク環境準備一時金(※)の10万円は何に使いますか?

※e-Janネットワークスでは独自の福利厚生として、継続的なテレワークを見据え、社員の自宅環境改善をサポートする目的で今年4月に「テレワーク環境準備一時金」10万円を支給した。

加藤:そうですね、10万円の範囲内で一つ買うとしたらモニターを買いますね。やはりマルチモニターは、特にシングルからデュアルになると、とても生産性が上がります。最近だと持ち運びできるポータブルモニターも選択肢が増えていて、普通のモニターと比べて安価で手に入ります。1万円台からあるので、2~3万円あれば2枚揃えることもできますよね。

すべての人が自宅に書斎を構えられるわけではなく、ダイニングテーブルで仕事をせざるを得ない人もいると思います。そんな時にポータブルモニターがあれば、リビングやキッチンでも効率的に仕事ができてしまうんです。やはり、いろんな環境でもっとも汎用性が高く生産性が上がるのは、ポータブルモニターですかね。

――テレワークで円滑なコミュニケーションを行っていく上で、役に立っている自社の取り組みがあれば教えてください。

コロナ禍以前の社内の様子

加藤:弊社では、テレワークになる前から「3分間スピーチ」を行っています。月曜日の朝、週一回の定例会議の前後に3分間、2人の社員がスピーチするんです。プレゼン能力を鍛えられるだけでなく、全社員の趣味や関心が共有され交流も図れます。

これは、テレワークをする上でとても大切なことです。雑談がなくなり、他者からの情報が遮断された中で、週に1回、必ず誰かが自分の関心事について話をする。空気感や時世感が感じ取れるだけでなく、同じ職場で働いている人だからこそ、仕事に役立つTipsも拾えるので、リアルオフィスでの働き方とテレワークのギャップを埋める一つの方法として、すごく有用だと思います。弊社の和気藹々とした雰囲気は、こういうところから生まれてきている気がしますね。

――どれも、すぐに取り入れられそうなものばかりですね。貴重なお話、ありがとうございました。

後編(李 東奎さんの場合)に続く

取材・文/久我裕紀

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