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タイガー魔法瓶の熱制御技術が宇宙へ!真空二重構造断熱・保温輸送容器が搭載されたSpaceXの宇宙船「ドラゴン22号機」の打ち上げが成功

2021.06.17

熱制御テクノロジーで世界をリードするタイガー魔法瓶が、たんぱく質の結晶などの貴重な宇宙実験サンプルを保冷状態で格納する「真空二重構造断熱・保温輸送容器」を、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)、テクノソルバと共同開発。本容器を搭載したSpaceXの宇宙船「ドラゴン22号機」は日本時間6月4日2時29分(米国東部夏時間3日13時29分)、米フロリダ州のNASAケネディ宇宙センターより打ち上げられ、打ち上げは無事成功した。

真空二重断熱容器の開発経緯について

タイガー魔法瓶は2018年11月、日本初のチャレンジであった国際宇宙ステーション(ISS)から実験試料を地球へと回収する技術実証において、宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機が運ぶ小型回収カプセル内に搭載された真空二重断熱容器をJAXAと共同開発。同社が創業100年近い歴史で培った知見と高精度の保冷技術を活用することで、真空二重断熱容器は保冷剤を用いて「4度±2度の範囲で4日間以上の断熱性能、かつカプセル内に入った状態で、最大40Gという着水時の衝撃に耐える強度」という条件をクリアし、無事に宇宙実験サンプルをダメージなく地球に持ち帰ることができた。

今回、第二のフェーズの更なる挑戦として、新たな保冷性能条件や容器再利用という要求事項を満たした真空二重断熱容器の開発をJAXAより依頼。ISSとの往復時に、恒温での輸送が必要なタンパク質サンプルを12日間以上に渡って、20度±2度に保つという厳しい条件を求められたが、JAXAやテクノソルバと共に、長時間保温できる構造の議論を重ね、複数回にわたる温度実験を経て、完成に至った。

第二フェーズで新たに設定された3つの要求事項

①厳格なまでの保冷温度管理

打ち上げからISSまでの実験試料の温度維持のため、保冷剤を同梱することで20℃±2℃を12日間以上保つ。ISSから地上に回収するまでの期間も、20℃±2℃で7.5日以上保つ。

②複数回利用に耐え得る設計

長期的な利用を想定し、1回限りの使い切りではなく、3年以上または6回以上の再利用を可能にする。

③大幅な軽量化・サイズダウン

真空断熱技術による高性能な保冷機能を保ちながら、容器の質量を3.16キロ以下と容器サイズをコンパクトに製作する。

▼2018年納品の真空二重断熱容器(右)との比較

●NPS-A100(左)
・合計質量:約2.9kg
・外径:約130mm
●NPL-A100(右)
・合計質量:約10kg
・外径:約290mm

プロジェクトの特設サイト公開中

本プロジェクトの特設サイトが公開中。プロジェクトの詳細やこれまでの歩み、スペシャル動画「SPACE ODYSSEYータイガー魔法瓶、宇宙への挑戦ー」が視聴できる。業界の識者からのコメント第一弾では、宇宙物理学者Paul Sutterのインタビューを掲載。

特設サイトURL:http://www.tiger.jp/feature/space/

宇宙物理学者Paul Sutter氏からのコメント

「真空断熱ボトルの製造を専門とする企業が、最先端の科学を支えることもできるテクノロジーをもっているなんて驚くべきことだ、というのが第一印象です。これまで私は宇宙におけるミッションの困難さについて『完璧な精度ときめ細やかなエンジニアリングが不可欠だ』とイメージ的に理解していましたが、まさにタイガーのような企業がこれまで開発した技術と知見を生かして優れた(宇宙実験用の)機器を製造しているのです。

しかしその彼らにとってもこのJAXAとのプロジェクトは難題の連続だったことでしょう。 前述の通り、宇宙空間は地球上で我々が直面するどんな環境よりも圧倒的に過酷なものだからです。彼らがこうした課題を克服して期待以上の成果を出したこと つまり特殊な真空二重断熱容器を開発することで幅広い分野での基礎科学の発展に寄与しただけでなく、そのスピードすらも加速したという事実は、まさに驚異的としかいいようがありません」

Paul Sutter
宇宙物理学者
アメリカ・ニューヨーク州にあるストーニーブルック大学高度計算科学研究所で宇宙物理学研究教授を務める一方、ニューヨーク市のフラットアイアン研究所で客員研究員の責務も任ずる。2011年、イリノイ大学で物理学の博士号を修得。

構成/あにろっく

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