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肺がん手術の遅れによって再発と死亡のリスクが高まる可能性、ワシントン大学研究報告

2021.06.16

肺がん手術の遅れは再発と死亡のリスクを高める

早期非小細胞肺がんでは、診断後すぐに手術を行うことが、がんの再発や死亡のリスクを低下させる上で重要であるとする研究結果が報告された。

米ワシントン大学医学部教授で外科医でもあるVarun Puri氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に5月27日掲載された。

米国では、肺がんは皮膚がんに次いで2番目に多いがん種であり、がんによる死亡原因としては最も多い。肺がんは、非小細胞肺がんと小細胞肺がんに大別される。

米国がん協会(ACS)によると、非小細胞肺がんは全肺がん症例の84%を占め、5年生存率は25%とされている。

Puri氏は、「肺がん患者の中で生存の可能性が最も高いのは、早期肺がん患者だ。生存のために重要となるのが、いかに早く治療を受けられるかだ」と述べている。

しかし、一部の患者は、セカンドオピニオンの取得や、経済的・社会的な理由、家族イベントへの参加など、さまざまな理由で手術を延期する。その上、2020年以降は新型コロナウイルス感染への恐れから手術を延期する患者も増えている。

Puri氏らは今回、2006年10月から2016年9月の間に手術を受けた、ステージ1の非小細胞肺がん患者9,904人(平均年齢67.7歳、男性96.3%)を対象とした後ろ向きコホート研究を実施。手術の遅れと、がんの転帰との関連を調べた。

手術前のCTによる画像診断から手術までの時間(TTS)は平均70.1日だった。追跡期間中央値6.15年の間に、4,158人(42.0%)が肺がんを再発した。

再発までの期間の中央値は1.24年だった。解析の結果、再発に関連する因子として、若年、併存疾患指数の高さ、区域切除(がんのある肺の区域を単位として切除する手術)、楔状切除(がんとその周囲を楔形に切除する手術)、病理学的病期分類でのステージの高さ、腫瘍の大きさ、12週間を超えるTTSなどが明らかになった。

TTSについては、診断から12週間を超えると、手術が1週間遅れるごとに再発リスクは0.4%の上昇を示した(ハザード比1.004、P=0.002)。

一方で、診断後12週間以内に肺がんの手術を受けた患者では、診断後12週間を超えて手術を受けた患者に比べて、全生存期間が有意に長かった(ハザード比1.132、P<0.001)。

Puri氏は、「医師と患者は、がんの手術を遅らせることの安全性に関してもっと情報が必要だと感じている。過去の研究では、がんの診断日についての定義が不正確であったため、リスクに関する理解も不完全だった。われわれはこの点を踏まえて、より普遍的なデータを得ようと試みた。それは、直近のCTによる画像診断から手術当日までの患者の追跡により可能になった」と同大学のニュースリリースの中で述べている。(HealthDay News 2021年5月28日)

Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2780403?resultClick=3

Press Release
https://medicine.wustl.edu/news/delaying-lung-cancer-surgery-associated-with-higher-risk-of-recurrence-death/

構成/DIME編集部

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