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「Google I/O 2021」から読み解くGoogleの次なる戦略

2021.06.18

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はGoogleの開発者向けイベント「Google I/O 2021」について話し合っていきます。

※新型コロナウイルス対策を行っております

Google I/O開催! 注目はスマートウォッチの進化!

房野氏:Googleの開発者向けイベント「Google I/O」がオンラインで開催されましたが、どのような印象をお持ちでしょうか。

房野氏

石川氏:今年のGoogle I/Oはモバイルの観点で見ると、めぼしい話題がAndroid OSのデザイン変更程度しかなく、正直あまり面白くありませんでした。

石川氏

法林氏:AI関連の技術は確かに凄いと思わされたけどね。

法林氏

石川氏:Google I/Oの開催が新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年ぶりだったこともあって、AIとかGoogle Mapの進化には驚かされたし、やっぱりGoogleはAIとかソフトウエアの会社なんだなとは思った。一方でAndroidの進化はこれだけなのかと思ってしまいましたね。

プライバシー権限の話もAppleの追従に見えます。目指している方向が同じという話ではありますが、目新しさには欠けていました。

石野氏:新機能が少なすぎる印象ですね。

石野氏

石川氏:何か大きなアップデートを隠している可能性もありますけどね。

石野氏:最近のAndroidのアップデートって、バージョンが1つ上がっても前みたいに劇的な進化は見られない傾向にあります。

石川氏:ちょっと前までは2画面とか折りたたみといったAndroidらしさが出ていて面白かったのですが、今回は全く触れられなかったのでもう諦めちゃったようにも見えましたね。

法林氏:2画面とか折りたたみのサポートは一応しているけど、それを積極的に推進する状況ではないのかな。今回の注目ポイントはAndroidよりもスマートウォッチに搭載されている「Wear OS」ですかね。

房野氏:サムスンの「Tizen OS]と一緒になるという話ですね。

石野氏:Tizenって久しぶりに聞きましたね。

法林氏:Apple WatchはマスクをしていてもiPhoneのロックが解除できるようになって売上が伸びているという話だし、多くの人がコロナ禍で運動不足になっている状況を考えると、スマートウォッチの市場はまた一盛り上がりありそう。Googleとしては買収したFitbitを活かせる状況でもある。

石川氏:Google系のスマートウォッチは選択肢が少なかったので、今回サムスンが入ってくれたのは相当プラスになるのではないでしょうか。

石野氏:Googleはこれまでスマートウォッチのやる気があまりなかったようにも見えましたが、密かに動いていたんですね。ただ、Tizenと一緒になってどこまでWear OSなのか怪しい気もします。

法林氏:スマートウォッチを使っている人を見ていると、やっぱりメイン用途は通知の確認でしょう。飛行機に乗るときに搭乗口はどこっていう通知が腕に来るのは便利だなと思います。

石野氏:僕はApple Watchを決済用デバイスとして使ってます。ポケットからスマートフォンを取り出すよりも腕でできたほうが圧倒的に楽なんですよね。

法林氏:この小さい画面で何をするのかという話はこれまでにもしてきたけど、結局は通知とか音楽の曲送り、決済、ワークアウトなんかがメイン機能になっている。

石川氏:ずっと体の状態を確認し続けているというのは凄いことですよね。これからまた色々な機能が追加されていくという話もありますし、“スマートウォッチを付けていると寿命が伸びる”といった話になってくるかもしれません。

石野氏:Androidはしっかり市場のシェアをとれていますが、スマートウォッチに関してはAppleだけでなくサムスンやファーウェイにも負けているような状況。GoogleのWear OS搭載スマートウォッチとしては「OPPO Watch」などがあります。

法林氏:この前CASIOからでたスマートウォッチ版G-SHOCKもWear OS搭載ですね。

G-SHOCK「G-SQUAD PRO GSW-H1000」

石野氏:最近ちょこちょことWear OS搭載モデルが出てきていて、まだやる気があったのかと思いましたよ(笑)。

法林氏:GarminはWear OSなんだっけ?

「fēnix 6 Pro Dual Power Slate Gray DLC / Black」

房野氏:GarminはオリジナルのOSですね。

石川氏:Garminで使えるSuicaもオリジナルのものですよね。今回の発表でもスマートウォッチのGoogle Payが37か国に対応するという話もあったけど日本では対応しません。結局Suica対応でWear OS搭載のスマートウォッチが日本で出ない限りは、Apple Watch対抗とはいえないので、サムスンなりに頑張ってほしいですね。

石野氏:Googleはスマートウォッチ市場では弱かったけどFitbitを買収したり、Tizenと手を組んだりと徐々に前向きな動きが見れるようになってきました。

法林氏:Fitbitはこれまでほかの製品とデータ連携ができなかったけど、Googleに買収されたことでGoogle Fitでまとまるようになってきたので、今後に期待したいですね。

石野氏:なんか、Googleの成長の仕方が、買収をくり返すソフトバンクみたいになってきましたね(笑)

石川氏:それをいったらAndroidもそうですからね。

法林氏:今はフィットネス系を趣味としてやりたい人が多いので、その需要に応えられるようになっていくのはいいよね。

石野氏:サムスンとしてもTizenにテコ入れがしたかったし、GoogleもWear OSを何とかしたかったというお互いのニーズが重なったんだと思います。

法林氏:サムスンはGalaxy Watchをなんとかしたいんだろうね。

石川氏:統合の仕方としては、Tizenベースだけど名前はWear OSになる。お互いに譲歩しているというか、交渉術が見える気がします。

法林氏:今後、Wear OSがどういう構造になっていくのかがわからないので、何とも言えないかな。

スマートウォッチ市場としては、本気にトレランするような人は、GarminやSuuntなどのスマートウォッチを選ぶようなので、Androidスマートフォン寄りのスマートウォッチで、これは! と思える製品がない。じゃあHUAWEI Watchがダメかというと2週間程度電池がもつので、結構、使える。

「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」

石川氏:ものとしてはいいし、デザインもいいんだけどブランド力とかプロモーションが必要なので、その点でいうとサムスンとGoogleの組み合わせはかなり面白いと思います。

法林氏:多くのスマートウォッチは他の製品と繋がりはするけれど連携が弱い。そういう意味だとGoogleは繋がってなんぼの会社ではあるので、色々なサービスと繋がるようになると面白い。

例えばランニングをする人は「adidas RUNTASTIC」とか「ナイキ」にどれだけ繋がるかが大事。今はApple Watchが強いので、今後、TizenがWear OSに統合されたことで、改善されていけばいい。

adidas Training by Runtastic

石野氏:Appleが偉いなと思うのが、本体部分のサイズは一度変わったけどバンドの仕様を初代から変えていない点です。シリーズ6まで初代の仕様を守り抜くって凄いし、時計としてちゃんと考えられているなと思います。

Apple Watch Series 6

法林氏:まぁ革のバンドは数年でボロボロになってしまいますが、同じものがいつでも買えるのはいいよね。

石川氏:スマートウォッチは、今後AIと絡めてどこまで進化していくか、注目しています。発表内にもあったけれど、皮膚の状態をカメラで撮影して健康状態を確認するみたいなこともできるようになっていくので、今後はさらにGoogleの存在感が増していくのではないでしょうか。

「Android 12」のベータ版配信に「AQUOS sense5G」が入る

法林氏:Android 12で注目しているのは、シャープの「AQUOS sense5G」がベータ版の先行配信対応端末にラインアップされたというニュース。これは、senseシリーズの販売が好調だったという実績があってこそでしょう。

石川氏:シャープとしてはいち早くAndroidのアップデートに対応したい、そんなモチベーションが社内にあったらしい。あとキャリアモデルだけだとキャリア専用アプリに影響を与えてしまいかねないので、SIMフリーモデルを持っていることが、選ばれた大きな理由だったようです。

法林氏:今までGoogleやAndroidにしっかりと対応してきた実績もそうだし、SIMフリーモデルも販売してきた。Googleがsenseシリーズを日本の“国民機”と評価したとも言えるかな。

房野氏:Pixelシリーズについては何もリリースがありませんでしたね。

法林氏:Google I/Oでは何もありませんでしたが、6月中に新モデルの発表があるという噂はあります。ただ、Pixelシリーズの存在価値があるのかどうか、ちょっとわからなくなってきている。

石川氏:Pixelシリーズが売れている印象もあまりないし、日本のキャリアがどこまで積極的に取り扱うのかわかりません。

法林氏:Pixel 5は実際に触ると結構使いやすくて、意外と気に入っているんだけどね。

石野氏:グローバルでも、あまり売れていないみたいなんですよね。

法林氏:だけどGoogleって今度アメリカに直営店を作るんだよね。

石川氏:一応初めての直営店といわれているけど、確か初めてではないですよ。

法林氏:僕らはGoogleといえばスマートフォンのイメージが強いけれど、直営店はIoT関連がメインなんじゃないかな。スピーカーなどの製品が体験できる店になるんじゃない? 家の中のIoT環境を整えようと思うなら、体験エリアはあったほうがいい。

石川氏:ニューヨークにはサムスンのそういった店もありますね。ただ今回気になるのが、Googleの製品を買える店って以前もあって、実際、そこでスピーカーを買ったこともあるので、なぜ初めての直営店と表現されているのかがわからないんですよね。

石野氏:Googleがなかったことにしようとしているのかもしれません。

法林氏:常設じゃなくてポップアップ店といった位置づけだったんじゃないかな。

石野氏:PixelはSoC(半導体チップ上にシステム動作に必要な機能を実装する設計手法)をGoogleがARMベースで自社開発するという噂もあります。クアルコムと一緒にやっている可能性もありますが。

法林氏:それって来年のモデルになるんじゃないかな。もうすぐPixelが出るなら、もっとウワサを目にしてもいいはず。

石野氏:本当にSoCを自社開発するなら、開発者向けのイベントであるGoogle I/Oで言っておかないとダメですよね。Googleは過去に「Pixel ビジュアルコア」というAIと画像を処理するためのチップをのせていたこともあるので、設計する能力はあるはずなので。

......続く!

次回は、ドコモの発表会について会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/佐藤文彦

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