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企業の人材不足が二極化、従業員が不足している業種TOP10

2021.06.10

2021年4月は、まん延防止等重点措置の適用と3回目の緊急事態宣言が発出され、制約のあるなかで経済活動が行われた。

そのようななか、企業の動向には二極化が表れており、堅調な回復から人手が不足している企業がある一方で、依然として雇用継続に苦慮している企業もある。また、人員整理や副業・兼業の広がりから人材の流動化が生じており、さまざまな業種で優秀な人材確保に向けた動きが徐々にみられている。

そこで、帝国データバンクは人手不足に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年4月調査とともに行った。

正社員の「不足」は37.2%、前年同月より増加も2年前と比較すると大幅に低下

現在の従業員の過不足状況を尋ねたところ(「該当なし/無回答」を除く)、正社員について「不足」していると回答した企業は37.2%となった。新型コロナウイルス(以下、「新型コロナ」)の感染拡大による1回目の緊急事態宣言の最中であった2020年4月からは6.2ポイント増加したものの、新型コロナの影響を受けていない2019年4月と比較すると13.1ポイント下回っている。「適正」と回答した企業は47.6%(前年同月比0.4ポイント増、2年前比6.3ポイント増)で、半数近い企業で適正と感じている。他方、「過剰」と回答した企業は15.3%(同6.6ポイント減、同6.9ポイント増)となった。

「不足」している企業を規模別にみると、「大企業」で42.0%(同3.3ポイント増、同18.0ポイント減)と4割超の企業で不足と感じているが、60.0%を記録した2年前と比較すると大きく低下している。

「中小企業」は36.1%(同6.8ポイント増、同11.8ポイント減)、「小規模企業」は33.9%(同5.5ポイント増、同9.0ポイント減)となった。すべての規模で前年同月より人手不足割合は増加がみられるが、2年前と比較すると大きく低下していた。

従業員の過不足感

業種別にみると、「メンテナンス・警備・検査」(55.6%、同9.1ポイント増、同12.2ポイント減)と「教育サービス」(55.6%、同17.7ポイント増、同13.9ポイント増)が最も高かった。以下、「豪雨災害の復旧工事が多く発注され、公共土木部門が大変忙しく人手不足が顕著になってきている」(一般土木建築工事、岐阜県)といった声があがった「建設」(54.5%、同6.3ポイント増、同11.8ポイント減)や、デジタル化の促進にともないIT人材の不足が目立つ「情報サービス」(54.1%、同9.5ポイント増、同20.3ポイント減)が続いたほか、「農・林・水産」(53.5%、同5.3ポイント増、同17.6ポイント減)、「自動車・同部品小売」(50.0%、同17.0ポイント増、同6.9ポイント減)が5割台で上位に並んだ。

従業員が「不足」している割合(各年 4 月)

従業員が「不足」している上位 10 業種・従業員の過不足感~規模別~

非正社員の「不足」は20.6%、業種では「飲食店」が唯一5割

非正社員が「不足」していると回答した企業(「該当なし/無回答」を除く)は20.6%となり(前年同月比4.0ポイント増、2年前比11.2ポイント減)、4月としては2017年(29.6%)以来の2割台となった。「適正」は66.9%(同5.2ポイント増、同5.5ポイント増)で6割超の企業で適正と感じ、「過剰」は12.5%(同9.1ポイント減、同5.7ポイント増)となった。

「不足」している企業を規模別にみると、「大企業」は21.3%(同1.7ポイント増、同15.2ポイント減)、「中小企業」は20.5%(同4.6ポイント増、同10.1ポイント減)、「小規模企業」は19.9%(同2.9ポイント増、同10.1ポイント減)となった。企業規模を問わずおよそ2割の企業で人手不足を実感し、正社員と同様にすべての規模で前年同月より増加がみられたが、2年前と比較すると10ポイント以上低下していた。

業種別にみると、「飲食店」が50.0%(同33.6ポイント増、同28.6ポイント減)でトップとなるものの、2年前(78.6%)と比較すると、人手不足の割合は大幅に低下している。次いで、「教育サービス」(46.2%、同21.2ポイント増、同15.8ポイント増)、総合スーパーなどを含む「各種商品小売」(45.2%、同10.1ポイント減、同10.9ポイント減)、「メンテナンス・警備・検査」(42.8%、同7.6ポイント増、同13.4ポイント減)が4割台で続いた。

月次の人手不足割合は、2021年に入り横ばい基調

直近2年間の人手不足割合を月次の推移でみると、2019年における正社員は約5割台、非正社員は約3割台で推移していた。新型コロナの影響が拡大し、1回目の緊急事態宣言が発出されていた2020年4月に大きく人手不足割合の減少がみられたが、同年5月の宣言解除以降、正社員・非正社員ともに緩やかな増加に転じていた。

しかし、2021年1月に2回目の同宣言が発出されると再び減少。さらに、同年4月に感染者数の増加にともないまん延防止等重点措置の適用および3回目の同宣言が発出され、正社員(37.2%、前月比0.8ポイント減)は前月比減少、非正社員(20.6%、同0.1ポイント増)はほぼ同水準となった。2021年に入り、増減がありながらも概ね横ばい基調で推移している。

正社員・非正社員の不足割合 (月次推移)

「人手不足感」の高まり、全体では横ばいも業種によってバラつく

「TDB景気動向調査」(帝国データバンク)によると、2021年4月の景気DIは前月比0.3ポイント増の38.3となり、3カ月連続で改善した。国内景気は、3回目の緊急事態宣言の発出など、経済活動が抑制されたなか、海外経済の回復傾向により輸出が大きく増加したほか、半導体関連の業界の好調さなどもけん引し改善した。

こうしたなか、正社員の人手不足割合は前年同月より6.2ポイントの増加がみられた。しかしながら、新型コロナの影響を受けていない2年前と比較すると10ポイント以上も下回っている。非正社員や企業規模別でみても同様な傾向がみられるなど、企業における人手不足感は高まっているものの、新型コロナ以前と比較すると緩和状態が続いている様子がうかがえた。正社員の業種別では、清掃管理や衛生管理などを請け負うビルメンテナンス業を含む「メンテナンス・警備・検査」や災害復旧などをはじめとする公共工事が堅調な「建設」などで人手不足割合は高水準となった。とりわけ、オンライン化にともなう業務の多様化やオンラインに精通した人材の不足などが顕著となっている「教育サービス」は、前年同月および2年前と比べていずれも10ポイント以上、人手不足割合が増加していた。

2021年に入り、新型コロナの影響にともなう経済活動などの制約を受けながら、人手不足感は増減がありつつも正社員は3割台後半、非正社員は2割台で横ばいの様相となっている。新型コロナという非常事態によって人手不足は大きく低下したが、抜本的な解決策がなければすぐに人手不足感は高まってしまうだろう。今こそ次の高まりに備えた対策、対応を検討していく必要がある。

<参考>正社員・非正社員の「不足」割合 ~時系列~

構成/ino.

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