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食のプロが満足する味を低価格で提供する「業務スーパー」の安さの秘密

2021.07.25

業務スーパー

飾り気のない店内に加え、扱う商品は加工品や冷凍食品中心で生鮮食品は少なめ。にもかかわらず、快進撃を続け〝業スー〟の愛称で親しまれる『業務スーパー』。その独特すぎる経営方針、一見顧客ファーストに見えない戦略にこそ、高品質・低価格を実現する秘密があった。

経営が簡単で利益が出る独自の経営スタイル

『業務スーパー』の1号店がオープンしたのは2000年。当時は国内に自社グループ工場はなく、中国にあった自社工場で製造した漬け物などを大量に輸入していたが、その頃から今に至るまで、低コスト戦略を徹底している。

「商品はコンテナに積み込んで輸入してくるわけですが、コンテナ内の商品はひとつでも満杯でも物流コストは変わらない。であれば当然、できるだけ商品を詰め込んだほうがコストは下がります。『業務スーパー』は1店舗から始まっているので、最初はもちろん大量に在庫を抱えてしまい、経費としてかなりの負荷がかかりました。ただ、ある程度店舗が増えれば在庫が回って、必ず利益が出るようになる。創業者はそう信念を持って取り組んでいたようです」

 こう語るのは『業務スーパー』を運営する神戸物産・広報の花房篤史さん。大量輸入で利益を出すには何より店舗数を増やす必要がある。そこで同社が採用したのが、フランチャイズ制だ。オーナーが次々と出店してもらえるよう、経営方法を徹底的にシンプルにして、利益を出しやすくした。

「店舗オペレーションをできるだけ簡素化して、店舗の運営費を下げることを重要視しました。そうすれば極端な話、売り上げが少なくても利益が残るので、『業務スーパー』に加盟したいと、オーナーさんに思っていただけるのでは、と考えた。それでさらに大量に仕入れられるようになり、もっと価格が下げられるという考え方です」

 その好循環もあり、2003年には年間100店舗以上を出店。ついに今年は全店舗数が900店を超え、全国展開を達成している。

業務スーパー

総菜需要を見込んだ店内調理にも挑戦

 現在『業務スーパー』では360種類以上の自社グループ商品が発売されているが、国内にその工場を持ったのは2008年。製造過程からのコストカットを可能にし、オリジナリティーのある商品も続々誕生。それがSNSなどで評判となり、ファンはさらに増えた。

「自社グループ工場は現在、国内に25か所。いろいろな工場を持っていますので、それぞれのノウハウがどんどん本部に集まってきます。例えばパン工場と鶏工場があるので、専用のパン粉を使ったチキンカツを作ってみようといった融合も可能になる。また当社独自の商品といえば牛乳パックに入ったデザートがありますが、普通の牛乳工場にそのノウハウはありません。でも当社はデザートを作っている工場があるので、こういった形でやればいいというノウハウがそれぞれ共有できるわけです」

 さらに新たな取り組みとして、店内調理による総菜の新ブランド『馳走菜』の展開もスタート。

「総菜の需要がより高まってきているので、それに応えたいと考えています。通常、店内調理にするとかなり人件費がかかりますが、当社は自社グループ工場などがあるので、食材を半加工した状態で仕入れることができる。店内では最終工程だけやればいいので、従業員教育もそれほど必要ありません。セントラルキッチンは調理してから店へ並べるまでに時間がかかるので劣化が進んでしまいますが、店内調理だとお客さんの数を見ながら作れるし、出来たてをすぐ出せるのもメリットです」

 創業当時から『業務スーパー』に根づくのは、どんなアイデアでも「自信があればやってみる」。そのチャレンジ精神で唯一無二のヒット商品を次々生み出し、さらなる〝業スー〟ファンを増やし続けているのだ。

売上高と営業利益の推移

47出店達成

売上高は創業以来右肩上がり。今年2月に宮崎県へ出店したことで、全国47都道府県の出店を達成した。現在は900店舗を超えるが、2025年までに1000店舗を目指すという。

『業務スーパー』安さの秘密

[1]製造から販売まで自社で!PB商品の着眼点もユニーク

小売り店に営業する必要がないため、独自性の高い商品開発でもチャレンジすることが可能に。牛乳パックにデザートを詰めたシリーズや豆腐パックのチーズケーキはそんな背景から誕生。SNSで話題を呼び、ヒット商品に成長した。

PB商品

自社グループ工場で商品製造できるのも強み。牛乳パックのデザートや豆腐パックを利用したチーズケーキも大人気。

[2]海外製品は直接仕入れ・大量買いで低価格を実現

世界の本場の食品や、海外ですでに大量生産されている現地商品など、自社グループ工場で作るメリットが少ないものは海外からの大量輸入で仕入れる。すべてを自社製造にこだわらない〝適材仕入れ〟も安さの秘密だ。

[3]日持ちする食品を多く扱い、ムダ・ロス・非効率を徹底排除

『業務スーパー』は基本的に、生鮮品を扱っていないが、これは食品ロスを減らすため。逆に冷凍品や常温の加工品など日持ちする商品を中心に扱うことで、食品ロスにかかるコストを削減。商品発注も最低限しかしない。

冷凍ケース

店舗の巨大な冷凍ケースは、商品1ケースが全部入るよう設計。品出しの手間を省き、時間のロスも防ぐ。

取材・文/高山 惠

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