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動物の殺処分をしない都市へと生まれ変わるロサンゼルスの理想と現実

2021.06.03

この春。ロサンゼルスが殺処分ゼロ、殺処分をしない大都市NO- KILL CITYとして正式に認定された。

「10年前までは、どうぶつの安楽死の多いアメリカの大都市として、いつもリストに入っていたロサンゼルスがNO - KILL CITY / ノーキル都市と正式に認定されたことをとても喜んでいます。処分されそうなどうぶつたちを救出・保護。そして、新しい家族が見つかるまでケアーを続ける民間のレスキュー団体やボランティアで働く人々の決死の努力が実ったのだと思います。ただ、ノーキル都市となり、今、一緒に暮らしている老い犬や老い猫をどうぶつ保護施設に連れていけば、ケアしてもらえるだろうと安易な考えを持つ飼い主も少なからずいるので、それがとても残念ですね…」と語るのは、長年、ASPCA(American Society for the prevention of cruelty to animals / アメリカ動物虐待防止協会)でボランティアとして携わり、アニマルウエルネスの案内人として、日本から数々の視察ツアーのお手伝いをしてきた明子・ジェネウエインさんだ。

以前、ペット業界に籍を置きながら執筆業に携わっていた筆者も飼育破棄された多くのどうぶつたちや虐待を受けて傷を追ったどうぶつたちの姿を目の当たりにしてきた。息を引き取る犬や猫たちを抱きしめて、何が天使の住む街・ロサンゼルスだ!? 冗談じゃないっ!と、一人怒りに震えたこともある。

アメリカでは、見た目ばかりを気にするフェイク(偽りの)シティと皮肉られているロサンゼルス。そんな悪名高い呼び名を持つこの街なのだが、殺処分ゼロの街・ノーキルシティ・NKLAを目指して各自がそれぞれの役割に忠実に従事し、活動してきたその本気の姿勢は、ロサンゼルスの誇りにもなったのではないかと思う。どうぶつたちにとって優しい街として一歩前進できたことは、ロスっ子たちにとっては、とても喜ばしいことでもあるのだ。

しかし、その喜びも束の間。今、また、一つの問題で揺れ始めている。コロナ禍中に多くのどうぶつたちが保護施設から引き取られたものの、保護施設に手放す現象が起きはじめているのだ。

ワクチンの普及も進み、コロナ感染者も減少傾向にあり、規制も緩くなってきたアメリカでは、リモートワークから通常のオフィス業務に戻らなければならなくなった飼い主らが、犬と過ごす時間がとれなくなると不安を抱え、休日や休暇に旅行に出かけたいがペットを連れて行くことができないなどという理由でペットを手放す飼い主もいる。また、家族の不在中に犬たちが家の中で起こす問題行動を解決する策と向き合う余裕がない話す飼い主も多いようだ。

飼い主にとっては、コロナ禍以前の通常スケジュールに戻るだけかもしれないが、犬はそれを知らない。犬にとって、家族と過ごせない毎日は、苦痛でしかないのだ。

玄関のドアが閉まり、家族の姿が見えなくなった途端に吠えたり、大騒ぎをしたり、排泄してしまったり。また、部屋を散らかしたりと問題行動を起こしてしまう犬が増えている。このSeparation Anxiety (分離不安症、分離不安障害)を抱えた犬のストレスとその行動が家族にとっては、大きな悩みの種でもあるのだ。

パンデミック中に犬や猫を家族として迎えた飼い主らは、過去にどうぶつを飼った経験がない人が多いという。どうぶつ愛護施設では、犬が新しい変化に慣れるまで、時間がかかるもの。家族全員で歩み寄り、共に学びを得て、変化に対応していくことが大切。専門家のアドバイスを考慮しながら、今ある環境を整えていく必要があるとアドバイスをしている。

「まず、どうぶつを家族に迎える前に、先のことを考慮して欲しいですね。万が一、今の環境が維持できなかった時の場合をしっかりと想定することも大切です。人間の勝手な理由でどうぶつの生活、どうぶつの生命をリスペクトできないような行動をとることだけは避けてもらいたいです。どうぶつが暮らしやすい社会、空間を作ってあげること。健康で安心して暮らせる社会を作るためにも、ひとりひとりの意識改革が必要不可欠であると思っています」と語るジェネウェインさん。

ロサンゼルスが殺処分ゼロの街となり、不可能を可能に変えることができると証明したものの、まだまだ、課題は、山積みだ。声にできないどうぶつたちが私たちを必要とする限り、私たちの仕事に完結はない。

Together, We will save them ALL!!
共に、全救出を目指そう!

家族の一員であるペットたちは、一時的なコンフォートアニマルでなく、生涯を共にするコンパニオンアニマルであるということをしっかりと胸の中に刻み込んで欲しい、、。

虹の橋を渡ったクラッカー(茶色毛)、クッキー(白毛)と明子・ジェネウエインさん。ペット不可のアパートに引っ越した失業中の飼い主に手放されたクッキー。真夏、アニマルポリスが道端に倒れていたクラッカーを保護。白血病持ちのクラッカーの病いが飼育放棄の原因ではないかとみられている。現在、ジェネウエインさんは、少々、性格に難癖のある保護老犬と暮らしている。「愛犬たちは、私が生涯を通じて、生活を共にしてきた家族。そのかけがえのない時間は、私の宝です」とジェネウエインさん。

筆者の初猫となった「たぶりちゃん」は、駐車場暮らしの元・野良猫。アウトドア生活を満喫し、人間不信の「たぶりちゃん」が、ある時、突如としてウチ猫に。2年前、虹の橋を渡りましたが、ウチ中を支配し尽くした女帝猫。猫暮らしをしたことのない筆者に猫を教えてくれた師匠でもある。

Photo: Hale Davis

白井朝美のプロフィール:

米国大学在学中にダンサーに。NY拠点にダンサーとして活動後、多種多様な業界を渡り歩いた元・3ヶ月坊主の ジョブホッパー。米フォーチュン500企業の最も働きやすい企業に籍を置いたのち、アメリカが選ぶ最高の雇用者としてトップに君臨する大手小売企業に〈祝〉現職!ライター、ライフスタイルリサーチャー、ブランドアンバサダーとしても活躍。ランニング、ヨガ、ダンスとネコと自由を謳歌する自由人。https://morningbeauty917.wixsite.com/mysite

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