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スーパーヒーローの世代交代という切り口で父と子を描いたNetflixのオリジナルドラマ「ジュピターズ・レガシー」

2021.06.01

偉大すぎるスーパーヒーローの父親。兄は父親を超えるべく血のにじむような努力を重ね、妹は父親からの期待には二度と応えまいと反抗する。

2021年5月7日よりNetflixで独占配信中の『ジュピターズ・レガシー』は、定番人気のスーパーヒーローにファミリー&ヒューマンの要素が加わったオリジナルシリーズ。

『キック・アス』のマーク・ミラーによる同名コミックが原作。

主演は『トランスフォーマー』シリーズのジョシュ・デュアメル。

あらすじ

1929年シカゴ。鉄鋼会社社長の息子だったシェルドンは明るく気楽な性格の青年だったが、大恐慌で会社の経営が傾き、父親が自殺。その直後、尊敬していた父親が会社の金を横領していたことを知り愕然とする。

父親の葬式で気絶したシェルドンは、そこから原因不明の幻聴と幻覚に苦しむようになり、やがてスーパーヒーロー“ユートピアン”として覚醒する。

そして現代。シェルドン(ジョシュ・デュアメル)は、“レディ・リバディ”こと妻グレース(レスリー・ビブ)との間に生まれた息子ブランドン(アンドリュー・ホートン)と娘クロエ(エレナ・カンプーリス)に幼少期からスーパーヒーローとして厳しい教育を施した。

大人になったブランドンは、シェルドンの期待に応えようと懸命に努力を重ねるが、なかなか一人前として認めてもらえない。

一方クロエはスーパーヒーローとして優れた資質を持ちながらも両親に反抗的な態度を取り、ファッションモデルの仕事をしながら酒とドラッグに溺れる荒んだ生活を送っていた。

そんな中、刑事裁判中だった犯罪者ブラックスターことウィリアム・ヘンリー・ベンダル博士が脱獄したとの知らせが届く。

見どころ

「悪者も人間だ。彼らを捕まえるとしても怒りに支配されるな。思いやりと慈悲の心に従いなさい」

これはユートピアンことシェルドンがもっとも重視してきた“スーパーヒーローの掟(コード)”。

しかし息子のブランドンや世論は「もはや綺麗事だ」と考えている。本作では、世論の数字が本当に正しいと言えるのか、という疑問も投げ掛けている。

シェルドンの兄ウォルトも、「現代の悪は複雑だ」と言い、単純な“善vs.悪”の構図で片付けられる時代は終わったと語る。

しかも厄介なのは、それぞれが己の信じる正義のもとに他者を“絶対的な悪”と見なして攻撃している可能性もあるということだ。

とくにスーパーヒーローのように強大な力を持つ存在が、自分こそ正義であると200%信じきったときに、誰がその暴走を止められるのだろうか。

本作に限らず、最近の複数の作品では、正義中毒への警鐘ともとれるセリフが目立つ気がする。

そして、父と子の確執も主要なテーマのひとつ。

他のスーパーヒーロー作品では、科学者によって人工的に特殊能力を与えられたり突然変異するなど、スーパーヒーローになる経緯はさまざま。家族には内緒で自由に活躍しているスーパーヒーローも多い。

そんな中、本作は世襲制。しがらみやプレッシャーもあるしで、なかなか大変そうだ。

シェルドンはとてもストイックなイケオジなのだが、少し理想主義的で押し付けがましいところが玉にキズ。

ちなみに地上から肉眼で月面を見ることができるらしい。

幼いころはスーパーヒーローの父シェルドンを憧れの眼差しで見上げていたブランドンとクロエの兄妹。誰よりも強くて正義感溢れる父のことが、自慢だったのだ。

しかし大人になると、状況も心境も一転。ブランドンとクロエは、スーパーヒーローという重すぎる使命と、偉大すぎる父からの期待の重圧に押し潰されそうになっていた。

さらにスーパーヒーローの仕事が多忙すぎて幼少期に父子で過ごす時間が少なかったことも、ブランドンとクロエの心に癒えない傷を残していた。とくにクロエのほうは、すっかりグレてしまっている。

あまり一緒に遊んだり寄り添ったりしてくれなかったのに、ヒーロー英才教育だけはガッチリ叩き込もうとしてきたシェルドンへの不満は根深いようだ。

子どもたちが幼い頃は良かれと思って戦う自分の背中を見せてきたシェルドンだったが、ここにきて思わぬ代償を払うことになり、うろたえる。

しかし必ずしもシェルドンが間違っているとか悪というわけではなく、時代も価値観も変わったのだ。“仕事より家族との時間”を、そして“個人の自由意思”を尊重する若い世代との衝突はやむを得ないのかもしれない。

一見“ろくでなしの不良娘”のように描かれているクロエの言い分も、よく考えてみればもっともだ。

好きで手に入れた能力ではないのに、なぜたまたまスーパーヒーローの家庭に生まれたばっかりに進路を自由に選べず、親に甘えることも許されず、自己犠牲と社会貢献ばかり強制されるのか。

スーパーヒーローになれる特殊能力が生まれつき備わっていたとしても、本当にやりたいことが他にあるならば、一度きりの人生なのだからその夢を追いかけてみても良いではないかとも個人的には思う。

しかしクロエが“ユートピアンの娘”であることはすでに有名であり、クロエは両親と運命に反発しながらも、途中から否応なしに争いに巻き込まれていく。

クロエを通して、職業選択において“やりたいこと”と“天命”のどちらが強いのかを考えてみるものありだと思う。

Netflixオリジナルシリーズ『ジュピターズ・レガシー』
独占配信中

文/吉野潤子

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