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コロナ禍で「怒る人」が増えた?マスク警察や自粛警察を生み出す怒りのトリガーの要因

2021.05.28

コロナ禍で「怒る人」が増えている

新型コロナウイルスの流行に伴い、私たちの生活は大きく変化しました。外出自粛、マスク着用、アルコール消毒がストレスを増加させただけでなく、テレワークで夫が自宅にいる時間が長くなる分、夫婦間の軋轢やドメスティックバイオレンスなどの問題なども深刻になっています。

それとは別の観点から、新型コロナウイルスの流行に伴う経済状況の悪化があります。勤務日数の削減、給与の減額、残業手当のカット、具体的な期限のない経済的な不安に、多くの人々が襲われています。

オリンピックに対する対応などもあり、これらの不安に基づく自粛警察、不謹慎狩りなどがマスコミやインターネット、SNSなどで展開され、不特定多数の人から攻められる側の人々が発生しています。

テレワーク・外出自粛が与える心と体への深刻なダメージ

新型コロナウイルスは、心や体にも影響を与えています。テレワークによってパソコンや携帯電話で仕事をする時間が増加して、直接的に交渉する機会が減ったことにより、精神的に消耗しやすくなる傾向が顕著です。

また、夫が自宅にいる時間が増えた分、妻や子供たちのストレスが増加しています。料理・洗濯・掃除などの物音も、夫に配慮しなければなりません。テレビを見たり音楽鑑賞をしたりするときも、イヤホンを使わなければなりません。夫が携帯電話で取引先の顧客と話しているときは、物音を立てることも控え、自分たちが外出した方が楽なような雰囲気になっている家庭もあるのではないでしょうか。新型コロナウイルスの流行以降、別居している夫婦が増加しているというデータもあります。

夫自身も家族に遠慮して仕事に没頭しにくいので、ストレスが増加します。運動不足になり、体重の増加、血圧の上昇、血糖値の上昇、コレステロール値の上昇をきたしたりするケースも増えました。気分転換に利用していたスポーツジムにも気楽に行けなくなり、運動不足はますます重篤になってきています。

それ以外にも、スポーツの観戦、コンサート、映画の鑑賞、舞台芸術などを楽しむ機会が減り、多くのの業界において営業活動が制限されました。それを補うために、郵便物や電子メール、zoomなどを介する活動が多くなり、自宅で過ごす時間が長くなっています。そのため、テレビを見たり、飲酒する時間が増加する傾向が見られます。元々アルコール乱用の傾向のある人は、飲酒をする時間が早くなった分、酒量が増え、アルコール依存傾向が悪化しています。

自分の怒りの「発火点」を把握しておこう

このように、新型コロナウイルスの流行に伴い、ほぼすべての人々のストレスが増加しているといっていいでしょう。しかし、仕事内容によりストレスの質は異なっています。ストレス増加の顕著な仕事内容として、販売受付業務・宅配便配達・医療業界・芸能/スポーツ業界・イベント業界・飲食店などがあげられます。

人間の怒りの感情は、前頭前野と扁桃体のバランスが崩れたときに起こりやすくなります。多くの人は、小さなストレスが発生したときは、自分の前頭前野でそれを合理的に抑え込む習慣を持っています。「イライラした」と自覚したら、気分転換でスポーツジムに行ったり、テレビを見たり、映画を見たり、娯楽施設に行ったり、甘いものを食べたりして自分をコントロールする術を持っているのです。

ところが現在の状況だと、具体的な期限のない不安に多くの人々が襲われており、今まで自分でコントロール出来たストレスの処理がうまく出来なくなってしまうのです。その結果、職場の中での対人関係、家族関係などが破綻していくケースが増加しています。

でも、どのような状況下でイライラしたり怒ったりするかを把握しておけば、トラブルを回避できる場合もあります。自分の怒りの契機はなかなか自分でも把握できないことが多いです。ところが、家族・友人・部下が、意外にも怒りの「発火点」を指摘できる場合もあります。まわりの人に「自分がどんなきっかけで怒っているか」を指摘してもらってみてはいかがでしょうか。

スイーツ・カラオケ…精神科医が勧めるイライラ解消法

医師としてお勧めしたいストレス解消方は「スイーツとカラオケ」です。どちらも短時間にストレスが解消できる有効な方法といえます。

スイーツは口当たりがよく、血糖値を上昇させます。イライラしたりうつうつとしているとき、口当たりのよい甘いものを食べると、血糖値が上がることで落ち着くことがあります。スイーツは、アイスクリーム・ケーキ・クレープ・ジェラート・プリンなどたくさんのバリエーションがありますが、一度にたくさん食べ過ぎると血糖値スパイクを起こすので、ほどほどにすることが大切です。

カラオケはストレス解消になるだけでなく、少しずつ肺活量もアップさせる効果もあります。肺活量のアップは呼吸器の疾患にもプラスに働きます。しかし、マイクを複数の人で使用するのは感染のリスクが大きいため、消毒を十分に行うなどの対策をしっかりすることが大切です。今は気を使わなくていい「ひとりカラオケ」のほうがいいかもしれません。


文/伊藤 拓
精神科医。昭和39年、東京都西東京市出身。東京大学理科二類(薬学部)卒業後に医師を目指し、横浜市立大学医学部医学科に再入学。卒業後に内科研修を1年履修した後、精神科に興味を抱き、東京都立松沢病院で2年間研修する。平成5年に医師免許、平成10年に精神保健指定免許を取得。現在、大内病院副院長。 精神科医としてこれまでの26年間でのべ5万人以上を診ている。統合失調症、気分障害(躁うつ)、軽症うつ病の分野で高い評価を得ている。近著に「精神科医が教える 後悔しない怒り方」(ダイヤモンド社)

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