
『ペーパー・ハウス』『スカイ・ロッホ -赤い空の向こうに-』など、スペイン発のNetflixオリジナルシリーズが人気だ。
6月18日から待望のシーズン4が配信スタートする『エリート』も、そのひとつ。
スペイン屈指の名門私立高校を舞台に、公立高校から転校してきた3人の生徒が中心となり様々な事件が展開される、学園サスペンスだ。
『ペーパー・ハウス』のハイメ・ロレンテ、マリア・ペトラサ、ミゲル・エランが出演。
原作・制作は、『この場所からもう一度』のカルロス・モンテーロとダリオ・マドロナ。
あらすじ
通っていた公立高校が突然崩落した、サムエル(イッツァン・エスカミーリャ)、ナディア(ミナ・エル・ハマニ)、クリスチャン(ミゲル・エラン)。
公立高校の校舎を請け負っていた建設会社は、イメージ回復のため、スペイン屈指のエリート私立高校への奨学金を3人に提供した。
労働者階級の3人が入学すると、富裕層の生徒たちからは軽蔑に満ちた冷ややかな視線が浴びせられる。
そんな中でサムエルに近づいてきたのは、マリナ(マリア・ペトラサ)。富裕層の文化を毛嫌いするマリナは公立組に友好的だが、マリナの双子の兄グスマンは違った。グスマンは、労働者階級と関わらないようマリナに警告する。
見どころ
庶民育ちの女の子がお金持ち高校に入学する『花より男子』(神尾葉子原作)や女の子が男装して男子校に通う『花ざかりの君たちへ』(中条比紗也原作)などもそうだが、同質の人間で揃えられた閉鎖的な空間に異質な人間が入り込むと、反発したり惹かれ合ったり面白い化学反応が起こる。
多様性(ダイバーシティ)が叫ばれて久しいけれど、やはり自分と属性が違う人々との交流は好奇心をかきたてられるし、新鮮で楽しいものだ。
しかしもちろん、いいことばかりではない。異質なもの同士の間では、新しい発見や刺激がある反面、衝突が起こりやすい。
本作でも、恋愛と友情といじめと差別とが、同時多発的に発生していく。
筆者も地方の公立高校出身なので、大学以降で有名私立高校出身(特に男女別学)の人たちと関わったときは、「育った環境でこんなに違うものなのか」と驚いた。そのため、どうしても主役の公立組に「雑草魂を見せてやれ!」と肩入れしながら鑑賞。
公立組の3人も個性豊か。ちょっと内気なサムエル、明るくお調子者のクリスチャン、両親がパレスチナ人で優等生のナディア。
それぞれのキャラクターに沿って、まったく異なる物語が当時展開されていく。
様々な生い立ちと思惑を持った人々が同じ空間に蠢いているからこそ、サスペンスとしてもラブストーリーとしても面白みが増していると思う。
Netflixオリジナルシリーズ『エリート』
独占配信中
文/吉野潤子
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