人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

仮想通貨で得た利益を申告しないとどうなる?

2021.07.18

国税局

〝仮想通貨〟バブルに沸いた18年1月から3年以上が経過した今、国税局による税務調査が進み、申告漏れや脱税が明るみに出ている。国税はいかにして暗号資産長者を監視し、調査しているのか。暗号資産の脱税がバレるとどうなるのか。元国税実査官らが明かす!

暗号資産長者に目を光らせる国税

 仮想通貨バブルに踊った17年末までに多額の利益を得たのに申告をしなかったり過少申告した人に今、国税局の調査が迫っている。

 19年6月5日、「全国で少なくとも50人と30社が総額約100億円の申告漏れを国税当局から指摘されたことがわかった」と朝日新聞が報じた。また、ビットコインで1億9000万円の利益を得ながら、120万円の利益と虚偽の内容を申告した石川県の会社役員には「懲役1年、執行猶予3年、1800万円の罰金」という有罪判決が3月に下った。

 暗号資産の利益は「雑所得」になり、一般的な会社員の場合、年20万円を超えると確定申告が必要になる。会社員や学生は確定申告をしたことがない人も多いため知らず知らずのうちに〝脱税〟をしている可能性もある。

 国税はどうやって暗号資産長者を特定し、監視しているのか。元国税実査官で現在は税理士の佐藤弘幸さんが明かす。

「『資料源開発調査』という役割がいて、暗号資産交換業者から取引名義人と取引履歴などの情報を収集します。彼らはメディアの記事やインタビュー、SNSにも目を光らせていますし、取引履歴や請求書、経緯、不正の手口などが詳細に書かれているタレコミも重要視しています」

 17~18年の頃は個人情報保護の観点といった理由により、暗号資産交換業者から情報提供を断られることもあったという。

「これを突破できるようになったのが、20年1月施行の『改正国税通則法』です。従来のような〝お願い〟としての情報公開請求ではなく、法律に基づいた執行ができるようになりました。情報保有者が正当な理由なく情報提供を拒んだ場合には罰則規定があります。調査したい特定の個人の〝一本釣り〟から大規模な一斉調査までが可能になったわけです」(同前)

 海外の暗号資産取引所で売買すれば〝バレない〟と思っている人もいるかもしれない。しかし、国税の調査は国内取引だけにとどまらない。

 ある国税関係者がこう話す。

「海外資産を把握して適正な課税を行なうために預金口座などの個人情報を国と国とで交換する『CRS(共通報告基準)』という制度がある。100以上の国・地域が参加しているが、現在のところ暗号資産はCRSの報告対象となっていません。つまり海外の取引所や交換業者は〝治外法権〟ですが、現状でも個別案件でターゲットを絞り、ピンポイントで照会し、そこから切り崩すことは可能です。

 加えて、OECDは、21年には暗号資産もCRSの対象になるとしている。今後、海外口座に対するチェックも厳しくなると見ていいでしょう」

 ただし、どんなに対策を取ろうと、その網をかいくぐる人は出てきてしまう。

「カンボジアや北朝鮮といった国とはそもそも租税条約が締結されていないので、国税といえど手を出すことができません」(同前)

脱税者が忘れた頃にやってくる国税の手口

 仮に1億円の利益を上げたのに申告せず脱税したり過少申告をしたら、想像以上に厳しいペナルティーが待っている。

「1億円の利益に対しては、住民税を合わせて55%、およそ5500万円を納税しなければいけません。悪質な過少申告や無申告の場合は重加算税として35%や40%が加算され、法定納期限までに納付していないと年2.6〜9.2%(年分や納付時期により変動)の延滞税がかかる。せっかく儲けたのに申告しなかったばかりに、ほぼすべてを失うようなことも起こり得るのです」(佐藤さん)

 思いもよらず〝脱税〟にならないために注意すべきことは何か。

「損益が発生するのは、持っている暗号資産を売却した時だけではありません。例えばビットコインを売ってイーサリアムを買うといった暗号資産の交換も損益が発生します」(同前)

 税務調査は、忘れた頃に、脱税者を確実に仕留められる証拠を持ってやってくる。暗号資産の交換業者から税務署へ支払調書提出が義務付けられるようになった今、すべてが〝筒抜け〟だと思ったほうがいい。

ビットコインの税金で失敗しないための3つのポイント

会社員でも年20万円超の利益なら確定申告が必要

仮想通貨を売却した時には損益が発生する

仮想通貨から仮想通貨に交換した時も損益が発生

佐藤弘幸/税理士。東京国税局課税第一部「統括国税実査官(情報担当)」などを経て早期退職。大口、悪質、海外、宗教など大型不正事案の企画・税務調査を主に担当した。

取材・文/向井翔太

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2021年7月15日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「LEDリングライトPREMIUM」! 特集は「今、読むべき 観るべきマンガとアニメ」、「2021上半期ヒット商品大検証」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。