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個人アカウントや企業アカウントのSNSで炎上してしまった時のリスク回避術

2021.05.21

1億総発信時代と言われ、各種SNSやYouTube、ブログ等気軽に発信でき、共有できる便利なツールです。自身の発信に瞬時に反応してもらえる快感や、ちょっとしたお喋りでは到底達成できない可視化できる共感の数量は、自己肯定感に繋がります。

また、企業広報用アカウントは、商品紹介や採用活動、力を入れている分野等を広く発信するツールとしてとても有効です。企業側はより多くの人に見てもらうため、労力とお金をかけてコンテンツを作りこみ、拡散する仕掛けが出来上がっています。

個人アカウントが大炎上して会社に苦情が殺到したら?

「先週末は同僚たちとBBQを満喫しました(会社には内緒!)」

2週間後、「人事部の××です。面談を設定しました。●時に会議室にお越しください」と連絡がありました。では、なぜ、人事部に呼び出されたのでしょうか。理由は上記の投稿に、

「この状況下で会社の仲間とBBQしていいの?感染リスクとか考えていない会社なんですか?」

というリプライがあり、興味本位に拡散され、巡り巡って会社に苦情が来たためです。はたして、会社から何かしたら処分はあるのでしょうか?

基本的に社員個人のSNS利用については、私生活上の行為なので、企業として懲戒処分を科すことはできません。あくまでの個人の私生活については、労働とは別の所にあるという考え方によるものです。

例えば、炎上内容がその社員の飼い犬のしつけ問題だった場合、それは私生活のトラブルのため企業に苦情を言うのはお門違いですし、それを受けて企業が社員を処分することもありません。

しかし同時に、社員は労働契約している以上、企業秩序を守る義務があります。そのため、投稿によって企業の信用や社会的評価が低下し、企業秩序が守られない内容に対しては、懲戒処分を科すことが可能な場合があります。ここで、ポイントになるのは、その投稿が「企業秩序に違反する行為」になるかどうかです。

例えば、冒頭の投稿者の勤務先が医療関係だった場合どうでしょう。医療関係企業には現在、超厳格な感染対策が指導徹底されています。そして感染状況について社会全体が「本気でまずい」と思っている今、最前線関係者集団のご陽気BBQ姿は、その企業のモラルや社員教育を問われ、最終的には「あの会社おかしい」と社会的評価を下げ、企業秩序に違反する可能性が出てきます。

そして、企業の就業規則には「服務規律」および「懲戒」という項目が設けられています。その企業の一員として、誠実に業務を行ってほしい、こういった行動は企業秩序を乱すのでしないこと等、その企業の理念と行動規範が凝縮されている部分です。このほか、さらに詳細に定めたSNS社内規程を持ち、社員教育を徹底している会社も多くあります。

それら規程を照らし合わせ、投稿の内容が企業の業務内容に対して悪質で、会社の信用・社会的評価を大きく低下させてしまい、またほかの社員への影響度も大きい場合には、本人の言い分や反省度合いも面談等で勘案して、注意、指導等の懲戒処分の可能性も出てくるでしょう。また信用や社会的評価は、規則上の固定観念だけではなく、その時代の状況や社員が置かれている環境下で大きく左右されるという点も注意したい部分です。

企業秩序を守る社員としての責任がある以上、不用意な投稿は控えることが賢明です。

広報・告知用のアカウントで失言したら、責任は誰がとる?

「ニューモデル入荷!これで女性でも簡単操作!」

リプライ「女性は操作できない前提ですか?」

そもそも、企業SNSはその閲覧数の多さから、人によって違う背景への配慮が必要です。

上記投稿のような性別に関わる内容から、うっかり過ぎる失言まで、炎上理由は様々ですが、共通しているのは、失言したのが誰であっても、社員教育や管理監督の面で企業が使用者責任を負うという点です。また、企業アカウントであるという点で企業イメージなどの社会的責任も企業に重くのしかかってきます。

そこで問われるのが、専属の部署とチェック体制の必要性。企業SNSの性質上、リアルタイムでの更新が重要になります。迅速さが求められている部分に専属の部署や対応者がおらず、空いている社員が片手間で行うような場合、体制が安定せず、見解がバラバラになる可能性があります。また、運用やチェックルールが明確になっていない場合、誤爆のリスクも高まります。

企業アカウントで発信している以上、その発信は「会社が公式に言ったこと」になります。投稿内容を一担当者に任せっきりにし、企業方針とは違う内容が投稿され炎上しても、後から「会社の考えは違います」という責任逃れは通用しないのです。企業の方針を共有し、管理体制を作ったうえでの運用、チェックルールは必須です。

管理職は「SNSのリスク管理」をどうすればいいか?

個人および企業SNS利用に共通して言えることは、就業規則ほか社内規程の整備と、社員教育が必須という点です。個人SNS利用は、社員の私生活の部分なので、その投稿を企業が抑制することはできません。しかし、定期的な社員教育によって、不用意な投稿はしない、投稿前に一度見直す等の行動を身に着けることができます。結果、トラブルの未然防止に繋がるだけでなく、企業の社員としての品位が保たれ、ひいては企業の社会的地位の向上につながるでしょう。

また、企業SNSはまさに「会社の看板」の部分です。社員教育は必須になるほか、管理体制の構築、運用、チェックルールの体制づくりが重要になります。個人SNSと違い、その投稿が使用者責任、企業イメージの低下に直結してしまうリスクがある為、担当者の裁量、権限を曖昧にせず、企業の理念を共有した運用が必要になります。

SNSは非常に便利なツールの分、炎上リスクも常に抱える諸刃の剣です。一人一人が企業の看板を背負って発信している意識と俯瞰的な視点を持ち、SNSを上手く活用したいですね。

文/鈴木麻耶

社会保険労務士。大槻経営労務管理事務所所属。実家の寺院を継ぐことになり、子の小学校入学を機に夫とともにUターン。現在サテライトオフィス勤務。事業規模、業種ともさまざまなクライアントを担当し、「離れていてもできる!伝わる!やりきれる!」を実践中。

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