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地方移住、2拠点生活で注目される中古住宅の賢い選び方と購入時の注意点

2021.05.22

コロナ禍を受け、地方移住や2拠点生活を目的に、中古戸建てを手に入れたいと思いをめぐらせたことはないだろうか。しかし中古物件の選び方やリノベーションの必要性、コストなど不安が大きく、一歩を踏み出せずにいる人も多いかもしれない。

そこで今回は、中古戸建ての賢い選び方や物件を見るべきポイントなどを探った。

コロナ禍で首都圏の中古戸建ての成約件数は過去最多に

新型コロナウイルス感染症拡大により、人々の暮らしは新しい方式を取ることを余儀なくされ、広い居住空間や集中できる仕事空間を安価で取得できる中古戸建ての需要が高まっている。

公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」において、首都圏の中古戸建ての成約件数は13,348件と、前年比2.4%増の過去最多となった。

一方、中古戸建てのうち築年数が経過した物件は、目に見えない瑕疵(かひ)への不安から購入を躊躇することも多い。また事業者であっても低価格帯での売買に魅力を感じないというケースもある。

いくつかの課題を解決すれば、もっと中古戸建ては手に入れやすくなるのではないだろうか。

中古戸建て購入時の注意点

実際、地方移住や2拠点生活を夢見て、中古戸建てを手に入れたいと思ったらどうすればいいだろうか。そこで空き家問題や中古戸建てに詳しい、空き家再生事業「FANTAS repro(ファンタス リプロ)」等を行うFANTAS technology株式会社の代表取締役 國師康平氏に、中古戸建てを購入する際の注意点を聞いた。

【取材協力】

國師康平(くにし・こうへい)氏
FANTAS technology株式会社 代表取締役
1982年岡山県生まれ。近畿大学卒業後、大手不動産会社に就職し5年間実務や管理職を経験。業界のアナログで非効率な部分や、中古不動産における取引価格の不透明性、電話営業主体のビジネスモデルなど、業界課題を目の当たりにしたことをきっかけに、これらの解決を目指し、2010年2月、現 FANTAS technology株式会社を創業。「テクノロジー」と「人」の力を合わせ、業界にイノベーションを起こすことで、不動産を通じた新しい顧客体験の提供に取り組む。
https://fantas-repro.com/

1.リノベーション費用を事前に見積もる

「セルフリノベ(自身でリノベーションを行うこと)やDIYをしたい方に多くあるのが、『ご自身でDIYできる部分とプロに任せるべき部分の線引きが分からない』といったご相談です。中古戸建ての場合は素人の方が直せる部分はあまり多くなく、プロに任せる部分が多くなるため、事前にしっかりと工事費の見積もりを取る必要があります」

2.旧耐震物件は住めないというのは誤解

「旧耐震物件は住めないと誤解されている方も多いかと思います。しかし耐震補強をすれば、長く居住することは可能ですし、補助金を活用すれば、かなり安価に耐震補強の工事ができます」

3.耐震補強で住宅ローン控除が使えるようになることも

「築年数が20年を超える木造住宅は住宅ローン控除が使えないと思われているかもしれませんが、リフォームで耐震補強などを行うことで耐震基準適合証明を取得、または、既存住宅売買瑕疵保険に加入するなどで住宅ローン控除が活用可能となります。

購入金額にもよりますが、住宅ローン控除の控除額の上限は200万円。対して、瑕疵保険の加入費用は10万ほど。耐震補強工事も補助金活用で100万円程度の自己負担費用で行うことも可能な場合が多いです。ただし補助金額や補助の内容は自治体ごとに異なるので注意が必要です」

4.補助金は自身でしっかりリサーチを

「移住に関する補助金など自治体のサポートは非常に多いので、購入前にはしっかりと調査することをおすすめします。仲介不動産業者でも把握していないケースは多いです」

中古戸建て物件を選ぶポイント

次に、実際に中古戸建て物件を選ぶ際に、押さえておくべきポイントを聞いた。

國師氏は安心を得るためのポイントと理想を叶えるためのポイントの2種類から挙げる。

●安心を得るためのポイント

1. 地盤・ハザードマップ
2. インフラ(水道、ガス、下水、電気)
3. エリアの特性(用途地域、居住誘導地域、開発計画、リゾート地など)
4. 法令上の制限(再建築不可、建替え時のセットバック条件など)
5. ロケーション(擁壁、傾斜地、道路、周囲の住民、騒音、日当たり)

「これらに関しては、自分では変えられない環境要素となります。購入後に何か問題やトラブルが発生しても購入者の努力で解決しにくいため、慎重に検討する必要があります。2から5に問題がある地域の物件は、エリアの価値の下落に伴い、土地価格・物件価格が大きく下落する可能性もあるため注意が必要です。

例えば、市の中心地から離れているインフラの効率の悪い地域に関しては、行政の財政によって、インフラサービスの停止になる、用途区域が市街化調整区域に入る、災害の危険性が高いといったこともあるため、その地域の住宅に関する各種補助金の打ち切りが行われる可能性もあります」

●「理想を叶える」ためのポイント

「理想を叶えるポイントは意外と多くありません。というのも戸建のリノベーションはかなり自由度が高く、内外装を含めてデザイン的にも性能的にもグレードアップは可能なものが多いためです。そんな中でも注意すべきポイントをご紹介します」

1.工法

「中古戸建ての半数以上は、在来軸組工法と呼ばれる一般的な木造住宅です。在来軸組工法の建物であればかなり自由度の高いリノベーションが可能です。向いていないのは、鉄筋コンクリート造や2×4(ツーバイフォー)工法と呼ばれる工法で作られた住宅です。壊せない壁が多く、大規模なリフォームを取り扱っていない工事会社も多いため、購入後に思ったようにできなかったということになりかねません」

2.階段・水回りの位置

「階段、水回りは、元々あった位置を移動させるには、意外と費用がかさんでしまうことが多いので、現状の間取りを見る際には、その点を意識してリノベーション後のイメージを持っておくとよいかもしれません」

3.瑕疵と呼ばれる重大な欠陥とリフォーム・修繕履歴など

「築年数の経った建物は『契約不適合責任免責』という形で、売主が住宅に関する欠陥の責任を負わない特約付きの物件も多くあります。仲介する事業者に聞いても不具合箇所など分からない場合は、インスペクション(住宅性能評価)を依頼するなどして、しっかりと情報を可視化することをおすすめします。また、購入後はマンションと違い、戸建は所有者の自主管理となるため、以前の修繕やリフォームの履歴などもあるか確認するとよいでしょう」

4.眺望

「全方位、2階や3階など上階の位置で一度は確認しておくことをおすすめします。大規模リフォームでは新しい窓の設置なども可能です。今までは眺望の良くなかった物件でも、新しく窓を設置することにより素晴らしい眺望が望めることもあります」

また、中古戸建てはリノベーションが必要な場合が多いが、物件価格とリノベーションコストはどのようにとらえればいいか。

「物件価格とリノベーションのコスト比率のベストバランスは存在しないと考えています。築年数が経っていて、傷んでいるものほど物件価格自体は安くなるからです。

ただし、物件価格とリノベーション費用を合わせた総費用を考えることは必要だと考えます。完成した物件がかけた価格以上に市場価値があるのか、また購入者自身がいかに価格以上の価値を感じることができるかが重要だと考えております」

「FANTAS repro」では、空き家を含む中古戸建て専門の物件情報サイトの提供を予定している。リフォーム会社と不動産会社の知見を取り入れ、要修繕ポイントまで明示したうえで家を販売する、地方に家を買いたい人と家を売りたい人のマッチングプラットフォームだ。

「中古住宅の流通を促進することで、空き家問題の解決につなげたいと思っています。今の中古住宅は評価が低く、購入のハードルが高く、手間が非常にかかります。問題の多くは、情報も窓口も分散していることや、情報にたどり着くことすらむずかしいという点であると考えています。

今後は、趣味やライフスタイルから住宅を探せる検索機能や各種補助金情報と物件情報の紐づけ、住宅ローン付けの可否判断ができる情報や、ローン付けサービス、ハザードマップや周辺情報の可視化などを実装していきたいと考えています」

今後、ますます空き家問題の解決のためのサービスは増えていくだろう。地方移住や2拠点生活を現実的に考えている場合、中古戸建てのこういったサービスをいかに活用するかも自分の理想を叶えるポイントとなるのかもしれない。

【参考】
FANTAS repro

取材・文/石原亜香利

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