
「ミロ」を麦茶と牛乳でパーフェクト再現?
甘くて香ばしくて、溶け残った部分もちょっとしたごちそう。それが、ミロ。ミロはFCバルセロナのオフィシャルパートナーであり、サッカー少年を中心に子どもたちに愛好されてきた歴史がある。
そんなミロだが、近年、「貧血に効く」と大人の女性の間で評判になり、売れすぎて2度も販売休止になったのをご存じだろうか。ミロ人気はとどまるところを知らず、2021年3月、小田急線町田駅ホームに「ミロスタンド」まで登場して、さらなる話題となった。
そんな人気者のミロが、またもや品薄になっても大丈夫なよう、再現レシピを考えた。管理栄養士アドバイスにより、手に入りやすいものだけを使って、栄養バランス良好のレシピができたので、貧血男女はぜひご参考に!
ココアのようでただのココアではない
レシピ再現は、管理栄養士の中谷純子さんに依頼することに。2020年、コロナ禍のためホットケーキミックスが品薄となったときに、「薄力粉だけでホットケーキを作るレシピ」(https://dime.jp/genre/904543/)を考えてもらい、簡単&美味だったのだ。
麦茶と牛乳でミロをパーフェクト再現?
ココアの甘~い香りが印象的だが、麦芽の香ばしさもしっかり主張している。そう、ミロの味の決め手は麦芽。麦芽とは、オオムギを水に浸して発芽させたものである。発芽によりオオムギの中に栄養が生成され、そこから抽出した「麦芽エキス」がミロの主成分となる。ちなみに、麦芽は英語でmal(モルト)となり、ビールの主原料の一つである。
麦芽は、粉末状のものエキス状のものがネット通販などで買えるが、ここは手に入りやすいものを活用したい。中谷さんは、意外かつ、納得できるものを使って再現するレシピを提案してくれた。それは、麦茶!
中谷さんは次のように言う。
「麦茶を牛乳で煮出し、ドライイーストとミルクココアを入れたら、いい線いきました。ミロにはわずかに発酵の香りを感じたので、パンを発酵させるドライイーストで再現です。
メーカーサイトにも『そのまま食べても害はない』とあります。飲み比べれば差はありますが、単体なら十分いけます。ミロの鉄分は、鉄強化牛乳を使うことで近づけることができます」。
以下が、レシピと栄養成分の概算だ。「鉄強化」をうたう牛乳を使えば、カルシウム356mgとなり、本物のミロの395mgに迫っている!
【材料】
牛乳 200ml
麦茶 1パック
ミルクココア 大さじ3
ドライイースト 小さじ1/3
【栄養価の概算】 ※牛乳やココアなどの種類により異なるため、参考として。
■普通の牛乳の場合
熱量 172kcal
たんぱく質 7.3g
脂肪 7.9 g
炭水化物 17.9 g
食塩相当量 0.3 g
カルシウム 236mg
■鉄強化加工乳の場合
熱量 147kcal
たんぱく質 10.9g
脂肪 2.7 g
炭水化物 19.9g
食塩相当量 0.31g
カルシウム 356mg
■本物のミロ(※スティック1本+牛乳150ml)
熱量 164g
たんぱく質 6.3g
脂肪 7.5g
炭水化物 18.1g
食塩相当量 0.2g
カルシウム 395mg
やってみた!味カスタムは無限大
右が本物ミロ、左が再現ミロである。見た目の違いはほとんどわからない。
ココアは、筆者宅にあったブレンディを使用してみた。中谷さんは、「私はネスレのミルクココアで作ってみたところ、自分好みの味になりました」とのこと。レシピではココアは大さじ3としたが、甘さを見ながら増減するといいだろう。筆者の場合、ココアは大さじ2でも十分だった。
何度か試したところ、濃いめに煮出すといい感じ
キャプション:発酵のような独特の香りづけにドライイースト
「ティーバッグを牛乳で煮出す」方法でミルクティーを作るレシピもあるが、「麦茶パックを牛乳で煮出す」というのは、新鮮な体験であった。ちなみに、ガス火を使わず電子レンジ加熱でもOK。
なかなかの再現度。オリジナルミロ作り、ぜひ楽しんで!
監修=中谷純子
料理研究家・管理栄養士。公私にわたる料理経験をもとに、「みんなが作れる栄養バランスの取れた料理」を教えるオーダーメイド料理教室主宰。モットーは「料理は科学」。
取材・文/木村悦子
編集/inox.
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