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アフターコロナの働き方、働く場所はどうなる?企業に戦略性が求められるオフィスのトレンド

2021.05.17

新型コロナウイルスの感染症対策により、今までと違う働き方を経験した方は多いことだろう。会社へ出社せずに業務が行えるのであれば、「オフィスって必要ないのでは?」という考えもよぎるもの。しかし、実際にテレワークに取り組んでみると、デメリットを実感した人もいるはずだ。コロナ以降のこれからはどこで、そしてどのような働き方をするのがベストなのか?

そこで、株式会社IPPOと株式会社ヒトカラメディアは、ベンチャー・スタートアップの「働き方」「働く場」に対する考え方が実際どう変わったのかアンケートを実施。そのうえで、企業へのアンケート調査をもとに見えてきた、コロナ以降におけるオフィスに関するの5つのトレンドを紹介していく。

(1)縮小、拡張、他施設活用がほぼ同数に。スタートアップ、ベンチャーの移転傾向は、縮小移転トレンドから三者三様に

2020年6月から12月にかけての半年間で検討/実行されたアクションとしては「縮小移転」「拡張移転」「コワーキングスペース等の活用」の回答がほぼ同数という結果だった。

4月〜5月の1回目の緊急事態宣言前後は縮小移転トレンドが強かったが、その後の動きとしては、様々な選択肢から検討/アクションが行われていることが判明した。

実際に「どういった拠点戦略を取るべきか悩んでいる」といった声も聞こえ、急ぎで縮小移転する企業が多かった1回目の緊急事態宣言時に比べ、自社の働き方も含め、じっくり検討する企業が増えていることが伺える。

(2)コロナ禍でより重要視。賃料にシビアな傾向は企業全般、共通項目で

コロナ以降、より重要視するようになった項目として最も多かったのが「賃料(ランニングコスト)を抑えること」。他の項目でもコロナ前後で多少変化が見られるものの、全体的に賃料など費用に関するシビアさが高まっていることが浮き彫りになった。

現状、オフィス市場において空室率は上昇傾向にあり、今後、入居者獲得のために賃料を下げる物件が増えてくることが予想される。

賃料に対してシビアな企業にとっては、しばらく「待ち」の状態が続く可能性も。また、「1人当たりの十分な坪数」に関しては、重要視しなくなったという回答が多く、ベンチャー・スタートアップ企業でテレワークを組み合わせた働き方がスタンダードとなってきていることも伺える。

(3)居抜きのニーズの更なる高まりと、それに応じるオーナー側の動き

オフィスビルの契約に関する慣習で最も変化を望む声が多かったのが「居抜き退去不可」の項目だ。(2)の賃料に対するシビアなスタンスと同様、入退去の際のキャッシュアウトをなるべく減らしたいテナント側の意向が読み取れる。

そのようなニーズに応える形で、秋以降、居抜きでの退去にオーナー側が柔軟に応じるケースが増えてきた。ただし、一般的な賃貸借契約では「原状回復義務」が盛り込まれるケースが多いため、テナント側はあくまでも居抜き退去が認められることはイレギュラーなケースと認識しておく必要がありそうだ。

(4)「オフィス拠点」の立地の可能性は広がったものの、現実的にはまだまだ都心部の需要が高い

2度の緊急事態宣言を受けて、テレワークを取り入れる企業も増え、これまでの「働く場=都心部のオフィス街」以外の可能性も考えられる状況になってきた。アンケートの回答からも、都心部以外のエリアに対しての「オフィス拠点」としてのバリューがゆるやかに上がっていることが伺える。

しかし、住宅街や郊外エリアなどが「現実的な」選択肢として検討されるにはまだまだ課題が残る。アンケートの「現在の出社状況」の結果を見る限り、テレワークを取り入れつつも定期的にオフィスへ出社する企業が現状では過半数を占めている。

主要なターミナル駅である必要性は下がってきてはいるが、どんなエリアからも集まりやすい都心部のオフィス拠点のニーズは引き続き続くことが考えられる。

(5)テレワーク導入により、社内コミュニケーションロス・作業環境に関する問題も顕著に

新たな働き方のスタンダードとしてテレワークの導入が進む中、テレワークならではの課題も現れるようになった。特に多いのは社内コミュニケーションロスと作業環境に関する問題だ。

今までオフィスで無意識的に享受できていた価値がテレワーク導入により一部損なわれており、特にコミュニケーションに関する課題は大きく、オンライン/オフライン両面でどう対応していくかが今後重要になっていきそうだ。

■テレワークによる社内コミュニケーションに関する課題(一部抜粋)

・一体感、帰属意識が低下した
・部署間でのコミュニケーションロスが特に顕著
・新人の教育の難しさを感じる
・在宅ワーク続きで孤独感を覚える
・オンラインでコミュニティを活発化させようとして、逆にコストが掛かっている

■作業環境に関する課題(一部抜粋)

・オフィスに個人用スペースやweb会議用のスペースが欲しい
・web会議て移動時間が減った分、会議が増えた
・オフィスでもオンオフが切り替えられる機能やスペースが欲しい
・在宅ワークの環境に課題がある(オフィスチェアではない、複合機がない等)

■終わりに

今回のアンケート結果から、オフィスはこれまでのような拡大一辺倒でも、1回目の緊急事態宣言下のような縮小一辺倒でもない、企業ごとに様々なニーズがあることがわかった。

コロナ以降の新しいオフィスは、ただ単に広さや場所を変える移転ではなく、戦略的なプランニングを行っていくことが大切なポイントになると考えられる。

2020年には、パソナグループが本社機能の一部を淡路島へ移転することを決定したり、ジンズホールディングスが群馬県・前橋市に第二本社の設立を検討していたといった動きが話題に。拠点の在り方に選択肢が広がったことにより、より一層企業ごとの戦略性が求められるようになった。

それぞれの企業がどこに重点を置き、何を大切にしているのか、改めて向き合って考えることがこれまで以上に必要になってくるのではないだろうか。

<調査概要>

【回答企業数】
78社
【設立年数】
5年以上:33%
3~5年未満:17%
1~3年未満:14%

【人数規模】
10名以下:39%
100人以上:25%
10~30人未満:22%
30~100人:12%

【社員の平均年齢】
30代:47%/20代:28%/40代:25%

出典元:株式会社IPPO&株式会社ヒトカラメディア

構成/こじへい

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