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SNS上での誹謗中傷、どんな行為が名誉棄損罪にあたるのか?

2021.05.17

SNS利用者の半数近くが「誹謗中傷を受けた経験がある」と回答

気軽に自分の意見を発信したり、情報収集をすることができるSNS。しかし、匿名で投稿できることや相手の顔が見えないことから、昨今SNSでの誹謗中傷が大きな問題になっている。2020年5月に起きた、人気リアリティー番組に出演していた女性がSNSの誹謗中傷を受け自殺した、痛ましい事件も記憶に新しい。

カケコムはアンケート調査を基に、SNS利用者のうちどれくらいの人が誹謗中傷にあった、または誹謗中傷をした経験があるのか、その実態に迫った。

また、具体的にどのような行為が法的に誹謗中傷にあたるのかや実際にあった誹謗中傷の事例、誹謗中傷にあった場合の対処法についても解説。

誹謗中傷にあって悩んでいる人はもちろん、知らない間に誹謗中傷する加害者になってしまっていないか不安な人、誹謗中傷に対する正しい対処法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみては。

44%がSNSで誹謗中傷を受けた経験があると回答

SNSで誹謗中傷を受けた経験について伺ったところ、経験があるとの回答は44%、経験はないとの回答は56%という結果となった。

どのような誹謗中傷を受けたのか、実際にSNSで誹謗中傷を受けた方に伺ったところ、周囲の人間関係のトラブルから誹謗中傷に繋がったケースや、自分のSNSでの投稿に対して誹謗中傷を受けたケース、家族がインターネットで炎上しそれに巻き込まれたケースなどがあげられた。

実際の声

・以前お付き合いしていた彼氏の元カノ(からの誹謗中傷)でした。私が(彼と)付き合ったのが面白くなかったのか、ダイレクトメールでの誹謗中傷から始まり、そのうちコメントなどでみんなに見えるように誹謗中傷されました。(30代女性)

・議論がエスカレートし、相手から私の殺害をほのめかすメッセージを入れてきました。(直ぐに削除されましたが)(40代男性)

・弟がネットで炎上し、関係ない兄である自分の名前が晒され、容姿や学歴が貶された。(30代男性)

このように、誹謗中傷を受けることになるきっかけはさまざまであり、誹謗中傷を完全に予防するのは難しい。決して他人事ではありませんので、これまで誹謗中傷にあったことのない方も「自分は大丈夫」と思わず、誹謗中傷への正しい対処法を知っておくことが大切だろう。

25%がSNSで誹謗中傷を行った経験があると回答

次に、SNSで誹謗中傷を行った経験(誹謗中傷になるかもしれない投稿やリツイート等を含む)について伺ったところ、経験があるとの回答が25%、経験はないとの回答が75%という結果となった。

4人に1人が誹謗中傷にあたる可能性のある行為をした経験があるというのは、割合としては非常に高いのではないだろうか。誰もが被害者だけでなく、加害者にもなり得るということを示しているといえる。

さらに、誹謗中傷を行った経験がある方にどのような形での投稿を行ったのかアンケートを実施した結果、4名が「誹謗中傷の投稿をしたことがある」、15名が「誹謗中傷にあたるかもしれない投稿をしたことがある」、8名が「誹謗中傷にあたる投稿の拡散(リツイート等)をしたことがある」と回答した。

今回の調査では「誹謗中傷にあたるかもしれない投稿をしたことがある」との回答が最も多く、人によってどこからが誹謗中傷と捉えるのか、判断の難しさが表れた結果になったのではないだろうか。

どのような行為が誹謗中傷になる?

ここまで、誹謗中傷を受けた方や誹謗中傷を行った方がどれくらいいるのかや、これまでにあったSNSの誹謗中傷に関する事例についてご紹介してきた。

では誹謗中傷とは具体的に、どういった行為を指すのか?どこから誹謗中傷になるのかの判断は人によって異なるところがあり、難しいところだ。

ここからは、どういった行為が誹謗中傷にあたる可能性があるのか、刑事責任に問われる可能性のある行為について解説しよう。

名誉棄損罪にあたる行為

公然と事実を摘示して相手の社会的名誉をおとしめる行為は、名誉棄損罪に問われ、罰則は3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金が科せられる可能性がある。

例えば「○○は前科持ちだ」といった個人のプライバシーに関する情報をSNS上で流すと、名誉棄損にあたる可能性がある。

刑法230条1項(名誉棄損)

公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

侮辱罪にあたる行為

先述した「名誉棄損罪」に対し、事実を摘示せず、公然と人を侮辱した場合、侮辱罪に問われ、拘留又は科料が科せられる可能性がある。「バカ」「能なし」など、相手の人格を否定するような内容の投稿は、侮辱罪にあたる可能性がある。

刑法231条(侮辱)

事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

信用毀損罪・業務妨害罪にあたる行為

事実とは異なる情報を流し、人の信用を失わせた、または業務を妨害した場合、信用棄損罪・業務妨害罪に問われ、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる可能性がある。

「○○で売ってる食材には異物が混入している」「○○は腐った食材を使っている」等、嘘の情報を投稿した場合、信用棄損罪や業務妨害罪に問われる可能性も。

刑法233条(信用毀損及び業務妨害)

虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

脅迫罪・強要罪にあたる行為

相手を「殺すぞ」といった言葉で脅迫したり、その脅迫によって本来義務のないことを行わせたり、権利の行使を妨害したりすると、脅迫罪や強要罪に問われる可能性がある。

脅迫罪の場合は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金、強要罪の場合は3年以下の懲役が量刑として科される。

刑法222条1項(脅迫)

生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

刑法223条1項(強要)

生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。

実際にあったSNSでの誹謗中傷の事例

事例1 テレビ番組の出演者がSNSで誹謗中傷を受けた事件

人気リアリティー番組に出演していた女性が2020年5月、番組内での言動をきっかけに誹謗中傷を受け、自殺した。

この事件に関して2021年3月に、SNS上で女性に対する悪質な投稿を複数回したとして、大阪府内に住む20代男性が略式起訴され、東京簡易裁判所は科料9000円の略式命令を出している。プロバイダ責任制限法の改正は、この事件をきっかけに総務省の有識者会議で議論され、実現したものだ。

事例2 あおり運転事件で無関係の女性のデマ情報が流された事件

2019年8月に起きたあおり運転事件で、事件とは無関係の女性がSNS上で「同乗者の女性である」というデマ情報を流された。

この事件では、元市議会議員がデマ情報を鵜呑みにし、拡散したとして、東京地裁は元市議会議員に33万円の賠償を命じた。

事例3 女児が行方不明になった母親が誹謗中傷を受けた事件

2019年9月、山梨県道志村のキャンプ場で女児が行方不明になった事件。女児の母親が、多くの人に情報提供を呼びかけるために受けた報道陣の取材をきっかけに、犯人扱いされるなどの批判が相次いだ。

この事件では、2020年10月、SNSを通じて「殺す」といったメッセージを女児の母親に送ったとして、31歳男性が脅迫罪に問われ、懲役6ヶ月、執行猶予3年の量刑が言い渡されている。

さらに女児の母親は、2021年3月、SNSで「母親が犯人だと思う」といった投稿を行った9つのアカウントについて、米ツイッター社を相手取り、発信者情報の開示を求める訴訟を起こしている。

SNSで誹謗中傷にあった場合の対処法

ここからは、もしSNSで誹謗中傷にあった場合どうすればいいのか、その対処法を解説している。

ミュートやブロックをする

SNSのミュートやブロックといった機能を使い、自分が傷つく内容の投稿を見ないようにする。誹謗中傷の投稿に対して下手に反論すると、状況が悪化する可能性が高い。誹謗中傷は基本的に無視し、自分の心を守るために見えないようにしてしまう

投稿の削除依頼をする

SNSの「通報」「報告」「お問い合わせ」等のメニューから、SNSの事業者に投稿の削除依頼を。投稿の削除依頼をする際は、投稿を紙に印刷したり、スクリーンショットで画像を保存するなどして、投稿のURLと公開された時間がわかる証拠を残す。のちに発信者情報開示や損害賠償請求を行う場合に必要になる。

相談窓口に相談する

もしSNSの誹謗中傷に悩んだら、ひとりで抱え込まず、誰かに相談するようにする。国の行政情報に関するポータルサイト「政府広報オンライン」では、誹謗中傷に関する悩みに合わせた相談先が紹介されている。

インターネット違法・有害情報相談センター

専門の相談員が、誹謗中傷の書き込みを削除する方法などについて丁寧にアドバイスしてくれる。

法務省「インターネット人権相談窓口」

SNSでの誹謗中傷をはじめ、人権に関する様々な相談に応じる。削除依頼の方法について相談者に助言を行うほか、内容に応じて法務局からプロバイダやSNS事業者に削除要請を行う。

発信者情報開示請求を行う

SNSで誹謗中傷を受けたら、発信者情報の開示請求を行うことも有効だ。SNSの投稿は、誰が投稿したのか不明なケースが多いので、誹謗中傷を行った人が特定できていない場合は、発信者情報の開示請求を行うことで、加害者に対し損害賠償請求をすることができるようになる。

現行法ではまず、SNS等のコンテンツ事業者や、通信事業者(プロバイダー)に開示請求することになるが、裁判外で行う場合は「任意開示」となるため、その請求に事業者側が応じるとは限らない。そのため、より実効性のある形で開示請求を行うためには、裁判手続きを行うことになる。

これらの手続きを一般の方がひとりで行うのは、非常にハードルが高い。そのため、発信者情報の開示請求や損害賠償請求を検討している場合は、法律の専門家である弁護士に相談するようにしたほうがいいだろう。

冒頭でご紹介した「改正プロバイダ責任制限法」が施行されれば、被害者は裁判所に申し立てを行うことで、1回の裁判で発信者を特定することが可能になり、時間や費用面の負担が大幅に軽減されることになる

弁護士に相談する

SNSで誹謗中傷を受けたら、弁護士に相談するのもひとつの方法だ。弁護士に依頼すれば、投稿の削除請求や発信者情報開示請求、損害賠償請求、刑事告訴等の手続きを任せることができる。

そもそも誹謗中傷に対してどういった対応を取ればいいのかわからなかったり、損害賠償請求や刑事告訴ができるかどうかわからないといった場合も、アドバイスをもらうことができる。

構成/ino.

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