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建築家の隈研吾氏が手がけたロールス・ロイスの高級住宅専用オープンカー「ドーン」

2021.05.16

ロールス・ロイスと建築家・隈研吾氏がコラボ

「隈研吾氏と共同で、静謐かつ時代を超越した建物のための、穏やかで時を感じさせない自動車を作り上げることができて、とても光栄です。ロールス・ロイスは100年以上前の創業時以来、自動車分野の垣根を越えて、お客様にクルマという有形の存在だけでなく、唯一無二の体験という無形の価値を提供してきました。このプロジェクトが示すように、ユニークなデザインと素材を正しく本格的に応用することで、オーナーの多面的なライフスタイルを反映し、強化するよう感覚に訴える、稀に見る体験を提供することができるのです。」

ロールス・ロイス・モーター・カーズ、
ビスポーク・デザイン責任者、ギャビン・ハートリー

ロールス・ロイス・モーター・カーズと隈研吾氏による類のないビスポーク(特別仕様)のロールス・ロイス「ドーン」が、高級車と建築という2つの世界の懸け橋となる。

ロールス・ロイスは、隈研吾氏が世界的な高級不動産デベロッパーであるウエストバンク社から依頼を受けてデザインした、東京都心部の新しい高級集合住宅「The Kita(ザ・キタ)」を表現する移動可能な芸術作品として、この唯一無二の自動車を製作。

この特別仕立ての「ドーン」は、東京・北参道の閑静な住宅地に完成したばかりの物件の最上階に位置する、ユニークな多層構造のペントハウス「The Kita Tea House(キタ・ティー・ハウス)」のオーナーのために作られた。

このペントハウスは、明治神宮の悠久の森や、隈研吾氏の手により生まれ変わった「国立競技場」を望むことができる最上階の茶室にちなんで名付けられた。

「The Kita」は、隈研吾氏の建築の特徴であるインテリアとエクステリアとの関係に対する挑戦である。オープントップの「ドーン」は、外界から切り離されることのない穏やかで包み込まれるようなプライベート空間を特徴としており、ペントハウスに付随する自動車に最適な素材となった。

「ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ」は、隈氏およびウエストバンク社と協議しながら、インテリアおよびエクステリアの素材、カラーパレット、テクスチャー、雰囲気など、「The Kita」を反映するようデザインし、住居から移動手段まで、居住者がその美しさや雰囲気をシームレスに感じ続けることができるようになっている。

「ドーン」のスタイリングで最も重視したのは、すっきりとしたラインを特徴とする日本の建築物に見られる繊細で精密な感覚。これにより落ち着いた雰囲気を持つ明確な構造が生まれ、柔らかで繊細なデザインの奥深さが表現されると同時に、自動車も住居も、ニュートラルでありつつも深みがあり、実用性を備えながらも極めて快適な、日本の常識を覆すような強いビジュアル・アイデンティティと寛大さを実現。

「ドーン」のエクステリアは、シルバー・ヘイズで塗装されている。これは光の加減で表情を変える多面的なカラーで、建物の中核を成す構造部のシルバー・グレーを想起させる。陽が差すとブロンズ色に輝き、建物外壁のブロンズ格子スクリーン・ルーバーや、インテリアのブロンズのディテールを反映した温かみのある色に。

洗練されたシルバーの幌を備え、くっきりとしたブラックのコーチラインで仕上げられている。インテリアとエクステリアを調和させるのは、ペントハウスのエントランス・ロビーにふんだんに使われているウォルナット製パネリングにちなんでリヤ・デッキに張られたナチュラルなオープン・ポアのロイヤル・ウォルナット製パネリングで、温かく親しみやすい雰囲気を醸し出す。

インテリアでは、全面にわたるセルビー・グレーのレザー・インテリアを、アークティック・ホワイトとブラックのアクセント、さらにスレート・グレーのシートベルトが強調。また、ロールス・ロイスでは初の試みとして、フロント・フェイシアにグラデーション仕上げを採用している。

インテリアの幅いっぱいに水平方向に施されたピアノ・セルビー・グレーからピアノ・ブラックへと変化するオンブレ(濃淡処理)は、この建物に見られる官能的かつ革新的な素材の融合と流動性を表現。その色は、この住宅に使用されている白地にグレーの模様が混じったビアンコ・カララ大理石からソフト・ブラッシュド・ステンレス・スチールやセラミック・タイルのライト・グレーへと移り変わり、最終的に花崗岩とメタリック・タイルによるダーク・カラーへと変化していく。

フェイシアには、ステンレス・スチール製インレイとして「The Kita」のロゴが埋め込まれている。これはロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブが製作したインレイの中で最も繊細な作品であり、この住宅のユニークな手仕上げのステンレス・スチール製フィッティングを製作するために必要なスキルに対する連帯感を表す意思表示でもある。

また、同じ格子のモチーフが、フロントのヘッドレストやリヤ・シートの間にあるウォーターフォールに刺繍されている。締めくくりとして、特別にデザインされたビスポーク・クロックや、インテリア・カラーにマッチするビスポーク・アンブレラなど、建築家・隈研吾氏のこだわりを反映する仕上げが施されている。

「私がこの種のプロジェクトのコンサルティングに携わるのは初めてですが、伝統的なクラフツマンシップへの敬意と、自然素材の良さを引き出したいという思いを共有するロールス・ロイスのためにこのプロジェクトに参加できたことを誇りに思います。」

隈研吾氏はこのように語り、さらに「ロールス・ロイスは『The Kita』のエッセンスを自動車の美学に採り入れ、『The Kita Tea House』のオ―ナーを取り巻く都市環境を取り込むことを可能にしました。ついにこのクルマを東京で見ることができて、とても光栄です。」と続けました。

「このビスポークのドーンは、私たちの作品群に美しいアクセントを加味してくれました。」ウエストバンク社の創設者イアン・ガレスピー氏はこのように述べ、「ロールス・ロイス ドーンに対する隈氏の影響は、彼が『The Kita Tea House』で作り上げた静けさと美しさを具現化したものであり、その記憶の延長線上で個人が楽しめるようになっています。」と続けた。

関連情報
https://westbankcorp.com/body-of-work/the-kita

構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)

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