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ワクチンパスポートは旅行のひとつの重要な後押しとなるか?

2021.05.17

ワクチンパスポートは旅行の一つの重要な後押しとなる可能性

緊急事態宣言の解除により一旦落ち着いたかに見えた新型コロナウイルスの感染だが、再び日本各地で感染再拡大が続き、一部地域では「まん延防止等重点措置」の適用が始まっている。

このような中、J.D. パワーでは、「コロナ禍、コロナ後の旅行」をテーマに調査を実施した。昨年6月の緊急事態宣言解除直後にも同様の調査を行っており、約1年間での変化を捉えている。

また、ワクチンパスポートに関してアメリカで実施した調査結果も紹介しよう。

TOPICS①:過去1年間の旅行経験と今後6か月以内の旅行の予定

過去1年間に旅行に行った割合は昨年の62%から29%へと大幅減。一方、旅行経験者の今後6か月の旅行意向は昨年より高まりを見せる。

図1.あなたはこの1年間に宿泊を伴う旅行をしましたか。

過去1年間に旅行をした人を対象として今後の6か月間の旅行予定を聞くと、21年は69%がプライベートもしくはビジネスでの旅行予定があると回答し、20年を11ポイント上回った。

旅行目的別ではプライベート目的の方が20年に比べて回復をしているようだ。一方、過去1年間に旅行をしてない人は、9割以上が今後6カ月以内の旅行予定はないと回答し、コロナ禍においても旅行に積極的な層と、コロナ禍のために消極的になっている層に二極化している様子が見られる。

TOPICS②:新型コロナウイルスが旅行意向に与える影響

旅行しない理由は「コロナ感染への不安」や「収束への悲観視」が上位だが、昨年より割合は減少。旅行中の感染を心配する割合も減少している。

図3.今後6か月以内に旅行をするつもりがないのはなぜですか。

今後6か月以内に旅行を予定していない理由として、昨年同様に「新型コロナウイルスの感染が心配」「感染拡大に伴う移動や出入国制限が改善するとは思わない」が依然として主要な理由となっているものの、それぞれ昨年と比べると約10ポイント低下。新型コロナウイルスの影響が少し薄れてきている様子がわかる。

図4.今後6か月以内に予定している旅行中に新型コロナウイルスに感染することをどの程度心配していますか。

今後6カ月以内の旅行を予定している人の81%が旅行中の新型コロナウイルスの感染を心配しています。しかし「極めて心配」が-4ポイント、「とても心配」が-3ポイントと、その割合に低下が見られる。

TOPICS③:新型コロナウイルスのワクチンに関する考え

ワクチン接種が始まりつつあるも旅行には慎重な考え。ワクチンパスポートにはおおむね好意的、旅行需要回復を後押しする可能性もあり。

図5. ワクチンの接種が始まることで、あなたご自身の旅行頻度はどのようになると思いますか。

ワクチン接種が自身の旅行頻度に与える影響を尋ねました。過去1年間に旅行した層でも、半数近くの48%が「かつてほど頻繁には旅行をしない」と回答し、「予定していた以上に旅行をすることができる」と回答した人は11%にとどまった。

一方、昨年よりワクチン接種が始まっているアメリカでは、30%が「予定していた以上に旅行をすることができる」と回答し、「かつてほど頻繁には旅行しない」と同程度の割合となった。

ワクチン接種がまだ進まず、感染の再拡大が見られつつある日本においては、アメリカと比較するとワクチンがあったとしても旅行に対して慎重な姿勢であることが感じられる。

図6. 新型コロナウイルスのワクチン接種を済ませたことを示す電子証明書(ワクチンパスポート)に関してあなたはどのように思いますか。

TOPICS④:今後してみたい旅行

依然として「車での近場への旅行」がトップに、意向割合も50%と昨年と変わらず。
「飛行機での海外旅行」「家族や友人と一緒に滞在する旅行」に対する意向が減少。

図7. 今後旅行をするのであれば、どのような旅行なら行ってみたいと思いますか。

今後旅行をするのであれば、どのようなタイプの旅行をしたいかを聞いた。最も多かったのは昨年と同様に「車での近場への旅行」の50%となり、依然として移動手段としては鉄道や飛行機よりも、他人との接触が少ない「車」が好まれていることがわかった。

昨年と比較して「飛行機での海外旅行」(-5ポイント)が減少しているが、出入国の制限措置のため海外旅行はまだ現実的ではないという考えの表れと推察される。

宿泊施設タイプに着目すると「ホテル」が45%が最も多く、次いで「旅館」(29%)という結果に変化はありませんが、この両者をあげる割合がやや減少する一方、「キャンプ場」「貸別荘・コテージ・コンドミニアム」が僅かではあるものの増加しており、3密を避ける傾向が表れていると考えられる。

また、昨年と比較して最も割合が減少しているのは「家族や友人と一緒に滞在する旅行」で10ポイント近く低下。新型コロナウイルスの感染長期化が人と一緒に楽しむという旅行スタイルに暗い影を落としていると言える。

J.D. パワー ジャパン GBI部門 トラベルインダストリー シニア・マネージャー 日高志津枝 コメント

観光庁が2月に発表した「宿泊旅行統計調査」によると、2020年の日本人の延べ宿泊者数は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、対前年比-40.3%の2億8,677万人泊とのことでした。本調査でも20年6月時点と21年4月時点での過去1年間での旅行経験割合は大きな差が見られました。

 依然として新型コロナウイルスは日本人の旅行意欲に甚大な影響を与えていますが、国内での感染が確認されて1年以上経過した中で、昨年とは少し違う傾向も見られてきているようです。消費者も旅行業界も感染防止対策を手探りで行っている20年当時に比べれば、各所で行われている感染防止対策が功を奏し、わずかではあるものの旅行における新型コロナウイルスの心理的脅威は薄れてきていることが伺われます。

また、過去1年間に旅行経験のある旅行に対する積極的な層では、昨年に比べプライベート目的での旅行への意欲が高くなっており、失われた機会を取り戻したいと考えているようです。しかし、その一方でこの1年間に旅行をしていない消費者は、今後半年内でも9割が旅行意向がなく、旅行意欲は二極化している様子がうかがえます。

今後の一つの可能性として、ワクチン接種の実績が増加することで旅行需要が喚起することが考えられます。日本より先に接種が開始されているアメリカでは、3割の旅行者がワクチン接種により旅行回数が増加すると考え、日本とは差が見られました。また、様々な議論はあるものの各国で導入が検討されているワクチンパスポートに対して、日本はアメリカよりも好意的な反応が見られています。

日本はまだ感染再拡大の脅威下にあり、加えてアメリカに比べ感染すること自体が世間の目から厳しく見られ、かつそれを心配するという土壌があると考えられます。そのため、旅行者側、旅行者を受け入れる側、双方でワクチンパスポートという公的証明があることが安心感の醸成につながり、好意的に受け止められているのではなでしょうか。

新型コロナウイルスの感染が長期化する中、旅行に対する意識には大きな変化が起き、以前とは異なるニーズが生まれ、いくつかは新しい常識となっていくことが考えらえます。今後も消費者の変わりつつある、もしくは変わらないニーズをきちんと捉えて対応していくことが重要と考えられます。

調査方法:インターネット調査  

調査期間:2021年4月2日~4月5日

対象者:20~69歳の日本居住者2,000名(うち過去1年以内旅行経験者:587名)

J.D. パワー 2020年新型コロナウイルスと旅行意向に関する調査 概要

調査方法:インターネット調査     

調査期間:2020年6月5日~6月8日

対象者:20~69歳の日本に居住する男女3,092名(うち過去1年以内旅行経験者:1,909名)

J.D. Power Passenger View data 概要

調査方法:インターネット調査

調査期間:2021年2月3日~2月10日

対象者:北米の空港利用者1,500名

構成/ino.

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