
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』は全6話で構成されたドラマ形式のディズニー/MARVEL作品である。『アベンジャーズ/エンドゲーム』のラストから繋がる物語とされており、多くのアベンジャーズファンから注目を集めているのだ。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の見どころと物語に込められたメッセージ性について筆者の見解を綴っていきたい。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の見どころ3選!
筆者が物語を観ていくにつれて『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』にどっぷりとハマっていった魅力をストーリーとともに振り返ろうと思う。
人間味のあるヒーローたち
物語の主人公はファルコン(サム・ウィルソン)とウィンター・ソルジャー(バッキー・バーンズ)だ。
サムは自身が黒人であることから、かつての親友であり、キャプテン・アメリカであったスティーブ・ロジャースから託された盾≪シールド≫を手放してしまう。
一方、バッキーは過去に人体実験により改造・洗脳(記憶操作)などが施され、 ウィンター・ソルジャーとして多くの人を殺してしまった贖罪を果たそうとしていた。
キャプテン・アメリカを失い、世の中が混乱する中で、アメリカにはキャプテンが必要だと、ジョン・ウォーカーが新たなキャプテン・アメリカに任命される。
自ら盾を手放してしまったサムだったが、新たなキャプテン・アメリカの誕生を知り、盾を手放してしまった後悔と誰がキャプテン・アメリカとしてふさわしいのかという葛藤に悩まされる。
バッキーは盾を手放してしまったサムを責めながらも、自分が犯してしまった罪の重さに悩み、繰り返し悪夢を見ていたのだった。
一見、完璧と思われた新たなキャプテン・アメリカに任命されたジョンでさえ、その重責に悩まされていたのである。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』に登場するヒーローたちは完全無敵のヒーローではない。様々な重責に押しつぶされそうになりながらも、世界を救うため、より良い世界にするために立ち上がった〝人間〟たちなのだ。
最終話まで見終わった頃には全てのヒーローたちのファンになっていることだろう。
スリリングな戦闘シーン
移民をなくそうとする政府に反発して、フラッグ・スマッシャーズという世界を揺るがす大義(陰謀)を持った組織が現れる。
リーダー格のカーリを中心として、フラッグ・スマッシャーズは難民を救う目的のためにGRCなどから物資強奪を行っている。
フラッグ・スマッシャーズは国境なき世界にすることを目的に活動しており、世界中に支持者がいるのだ。
「世界はひとつ、人はひとつ」を掲げ、目的達成のためには手段を選ばない彼らに、サムとバッキーは立ち向かっていく。
フラッグ・スマッシャーズの主要メンバーは超人血清を打ったスーパーソルジャーである。鍛え上げたヒーローであるサムやバッキーも、一筋縄にはいかない戦闘シーンが数多くある。
戦闘シーンはどれもドラマシリーズとは思えないほどの迫力で、手に汗握るほどのスリリングなシーンが多く、やみつきになるのだ。
重厚なストーリー
ヒーローが登場する物語には明確な〝悪〟が存在することが多い。しかし、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』に登場するフラッグ・スマッシャーズは果たして”悪”なのか……。
サム、バッキー、ジョンなどのヒーローたちはもちろん、フラッグ・スマッシャーズも、より良い世界を求めて戦っている。
その手段が違うだけで、目的は同じなのではないか、そう思わされる重厚なストーリーに、見進めるにしたがって、先が見たいという気持ちが強くなっていく。
また、主人公であるサムとバッキーが初めは〝仕事〟としての目的を果たすために協力していたが、物語が進むにしたがって〝人と人〟としての関係性を作り上げていく点も見どころだ。
ヒーローや〝悪〟の組織に属するそれぞれの人間たちが葛藤を抱えながらも戦い続ける先に何が待っているのか、その戦いの裏に隠されたメッセージに胸が熱くなること間違いなしである。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のストーリーに隠されたメッセージとは!?
全6話の『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』を観て、筆者が最もファンになったのはサム(ファルコン)である。
アベンジャーズシリーズにはスーパーソルジャーなどの〝超人〟が存在する。しかし、サムは超人血清を打っているわけではなく、自身の人間性と努力のみで戦っているのだ。
サムの魅力は例え〝悪〟とされる人々であっても誰とでも1人の人として向き合えるところだと筆者は思う。
物語の終盤でサムが「俺には超人血清も金髪も青い目もない。俺が持つ力は『より良い世界を造れる』と信じる心だけ」と言うシーンがある。
物語を最後まで観てきたからこそ、この言葉はあまりに心に響き、鳥肌が立つほどであった。
私たちは時に何が〝正義〟で、何が〝悪〟か、見失うことがある。私たちが掲げるべきは〝正義〟でも〝悪〟でもないのではないか。
フラッグ・スマッシャーズが掲げている「世界はひとつ、人はひとつ」が『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の最終話のタイトルでもある。
物語を見終わった時にこの言葉の重さをより感じることができる。私たち人間は国籍や人種などに捉われず、戦いではなく、協力によってより良い世界を作っていく必要があるのかもしれない。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』にはそんな奥深いメッセージが込められているように感じた。
筆者同様、これまでアベンジャーズシリーズを見たことがない人もぜひ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』を観て、アベンジャーズの魅力にハマってほしい。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』©2021 MARVEL
ディズニー・プラスにて独占配信中
取材・文/RoMoKo
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