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過去の栄光にすがる熟年男性の嫉妬が狂気に変わる様を描いたNetflixのサスペンススリラー映画「その住人たちは」

2021.05.16

スペインで製作され2020年から独占配信のNetflix映画『その住人たちは』。

社会的地位と自宅を失った熟年男性が恐ろしい計画を実行に移す、サスペンススリラー。

主演は『薄氷』『嵐の中で』などのハビエル・グティエレス。監督・脚本はダビ&アレックス・パストール兄弟が手掛けている。

あらすじ

広告会社の重役をクビになった熟年男性ハビエル(ハビエル・グティエレス)。妻子を養うために再就職活動を始めるが、年齢と高すぎるプライドのせいでうまくいかない。

そうこうしているうちに、心の拠り所だった家(マンション)と車も手放すことになる。

かつての“我が家”に引っ越してきた家族の幸せな生活を覗き見するようになったハビエルは、恐ろしい計画を思いつく。

見どころ

『薄氷』ではハリウッド・アクション大作の正統派ヒーローみたいだったハビエル・グティエレスが、本作では嫉妬と逆恨みで暴走する見苦しい陰湿キャラを演じている。

再就職活動がうまくいかないストレスで、「絶対手放したくない」と言っていた大事な車にゲシゲシと蹴りを入れて八つ当たりするハビエル。プライドを拗らせすぎて、自分が大切にしていた物まで自分で破壊してしまう、残念な性格を象徴しているシーンだ。

そして広告に出てくるキラキラした理想の家族像に固執するあまり、目の前の家族が抱えている問題に向き合えない。リストラ後は急に子育てに干渉するようになり、ネチネチとしたお説教で威厳アピール……。ハビエルは、さらに妻子から疎まれるようになる。

しかしハビエルが一度は重役の地位にまでのぼりつめたのも、理想に向かって努力を重ねてきたから。プライドを高く持ってきたからこそ、辛いことにも耐えられた。現状満足だけでは成長のチャンスを逃すし、理想と現実の妥協点をうまく定めて人生のバランスをとることは、本当に難しい課題だ。

前半はハビエルに同情の余地があるように見えるシーンが多いが、後半からは「そこまでやるか?」と思うほどの怒涛の暴走ぶり。ハビエルが数々の凶行の末にクライマックスで見せた晴れやかな笑顔には、少し笑ってしまった。

「俺の城をよくも奪ったな!(注:正規ルートできちんと購入している)」と理不尽すぎる敵意をハビエルから向けられた男性トマスがまた、善良で親切な人なのだ。

家以外の接点がない、まったく赤の他人なのに、ここまで強い嫉妬と憎悪を向けられ攻撃されるとは……。

高すぎるプライドと理想は、有害でしかない。

理想とのギャップに苦しみ始めたら、いっそプライドも理想も一度全部捨ててしまってはどうだろう。

他人からバカにされても笑われても気にしない、これからの時代に求められるのはそんな

”強さ”なのかもしれない。

Netflix映画『その住人たちは』
独占配信中

文/吉野潤子

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