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33万人のフォロワーをもつYouTuber和尚が気づいた「苦しみ」のパターン

2021.05.16

どんな苦しみにも共通したパターンがある

6年前、私はYouTube上で『大愚和尚の一問一答』という番組の配信を始めました。人々から寄せられる様々なテーマの悩み相談に、お坊さんが答える」という内容の番組です。誰にも知らせることなく、どこにも宣伝することなく始めた試みでしたが、現在は33万人を超える方々が登録なさっています。

『一問一答』を始めて、気づいたことがあります。1つ目は、多くの人が「ウソや偽りを離れて、本当の自分をさらけ出したいと願っている」ということ。一問一答への悩み相談は、ペンネームでも匿名でも受け付けています。けれども、多くの方々が名前や身分を明かして相談なさるのです。相談者の中には、社長、政治家、教師、医師、芸能界で活躍なさっておられる方々もありますが、むしろ社会的に立場のある方々ほど、その傾向が強いようです。

2つ目は、「苦しみを吐き出して可視化することによって、人は苦しみを和らげることができる」ということ。相談者の方には、できるだけ自分の心中を詳細に記述していただくようお願いしています。すると、相談内容が届いてからしばらくして「先日お送りした相談ですが、すべて書き出したら何だか心がスッキリしました。私はもう大丈夫ですので、もっと困っている人を優先して差し上げてください」というお便りが届いたりするのです。

自分を客観視すれば、自ずと苦しみの原因に気づく

どうやら悩みは、「問題が整理されないまま胸中に留まることによって起きている」ようです。心の内側を整理して書き出すという作業を通して、自分を客観視した結果、自ずから苦しみの原因に気づくこともあるのです。

3つ目は、「苦しみは、老若男女、世界共通」であるということ。一問一答の視聴者、相談者の年齢は、下は10歳から上は85歳を超えています。海外からの視聴者や悩みも増え、現在100名を超す有志の方々が、『一問一答』を英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語などの言語に翻訳して下さっています。

4つ目は、「苦しみには共通したパターンがある」ということ。一問一答に寄せられる相談は増え続け、常時1500人以上が「回答待ち」の状態にあります。視聴者からもスタッフからも、「配信ペースを急いで欲しい」という声があがりました。

しかし、いつ自分の相談が取り上げられるか分からないその「待ち時間」こそが、相談者自身の苦しみの原因探究を助けていることも分かってきました。相談者の方々は、自分の相談への回答を待つ期間、すでに配信されている他の動画を見て、自分の苦しみに応用できる内容の動画を探し続けるのです。そして、数々の動画を見ていくうちに、まず、苦しいのは自分だけでないという事実に気づきます。

次に、他の人たちの相談に対する私からの回答が、自分の悩みにも当てはまることに気づくのです。どうやら「苦しみ」は自分だけのものではなく、多くの方々に共通するパターンがあるようです。

苦しみは無意識に自分で作り出している

健康、お金、人間関係、恋愛など、私たちは大小様々な苦しみを抱えて生きています。多くの方が、それらの苦しみは、私たちの外からやってくるものだと思い込んでいます。けれども、苦しみは外からもたらされるものではなく、私たちの内側で、私たちの「心」によって作り出されているものなのです。仏教は、心が苦しみを作り出すメカニズムを次のように説明します。

私たちの眼、耳、鼻、口、皮膚が外界に触れると、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚が生じて、外界の状態を認識します。

例えば眼は、カメラのレンズのような働きをしており、物にあたって反射された光を取り込むだけで、見たものを解釈するわけではありません。耳や、鼻や、口や、皮膚も同じです。五感によって内側に取り込まれた情報に、好き、嫌い、面白い、面白くないといった感情を与えたり、解釈、意味づけをするのは「心」なのです。

喉が渇いたとき、コップに半分注がれたオレンジジュースを「こんなに頂けるの?」と喜んで飲むのか、「これだけ?」と不満気に飲むのかは、人によって違います。ある男性を魅力的だと思うか、生理的に受け付けないと思うかは、人によって違います。また、心は、自分に快楽をもたらすものをもっと引き寄せたいと願い、その快楽がずっと続くことを望みます。一方で、心は、自分に不快をもたらすものを遠ざけたいと願い、不快が続くことに耐えられません。

お釈迦さまが説いた苦しみの手放し方

お釈迦さまは、この「心が喜びや苦しみを作り出す工程」を、瞑想によって徹底的に、詳細に観察なさいました。そして、心が感じている「苦しみ」も、苦しみを感じている「心」も、その心の持ち主である、「私」も、すべては永遠に続く絶対的なものではないことを悟られました。すべては常に変化し続ける、一過性の現象に過ぎないことを発見され、この厳然たる事実を「諸行無常」と表現されました。

科学が進歩した現代、私たちは自分の肉体が日々新陳代謝を繰り返していることを知っています。新陳代謝とは、古くなった細胞が死に、日々の食事によって作られた、新たな細胞に入れ替わることです。小腸は2日、胃は5日、肌や髪は1か月、筋肉は2か月、骨は7年で入れ替わります。そうやって新陳代謝を繰り返しながら、最期は死を迎えます。

私たちの心も同じです。五感が取り込んだ外界からの刺激によって「想い」が生まれます。「想い」は、瞬間瞬間に生まれては消え、消えては生まれ、新陳代謝を繰り返しています。ところが私たちは、外界で起こるいちいちの出来事に「好き嫌い」の想いを付加して執着したり、「過去」を嘆いたり、「未来」を憂いたりしているのです。

お釈迦さまは、「心を落ち着けてよく自己を観察しなさい。苦しみも、心も、私も、すべては無常であると、明晰に理解することで、苦しみを離れることができる」と説かれたのです。

文/大愚元勝

佛心宗大叢山福厳寺住職。(株)慈光マネジメント代表取締役。駒澤大学、曹洞宗大本山總待寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。僧侶、事業家、作家・講演家、セラピスト、空手家と5つの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。「人生が確実に変わる 大愚和尚の答え 一問一答公式」飛鳥新社 「苦しみの手放し方」ダイヤモンド社「ひとりの「さみしさ」と うまくやる本―孤独をたのしむ。」興陽館

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