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iPad Pro、iMac、AirTag、アップルが発表した新製品、注目すべきはどれ?

2021.05.18

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は先日発表されたアップルの新製品について話し合っていきます。

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アップル新製品ラインアップはパソコンとタブレットの境界線がわかりにくい!?

房野氏:先日オンラインで開催されたアップルの発表会で、新型のiPad ProやiMacといった製品が登場しました。どのような感想をお持ちですか。

iPad Pro

iMac

房野氏

石川氏:登場した製品自体は事前にリークされていたものだけだったけど、プレゼンがさらにうまくなっていて凄そうな印象は受けました。個人的にはiMacのデザインが一新されたのに注目だけど、iPadの大画面版のようにもなってしまったかなと思います。

石川氏

法林氏:搭載されているチップセットがM1で共通なので、「24インチのiPadじゃん」という声もありましたね。

M1(イメージ)

法林氏

石野氏:逆にあの仕様ならiPad ProでMac OSが動くようにしてほしかった。

石野氏

石川氏:iPadとMac製品のスペックが似通ってきているので、今後、両者のすみわけをどのように行っていくのかは気になります。現時点ではペン入力とタッチ操作、5G通信はiPadで……となっていますが。

法林氏:タブレットの定義とは何なのか、という答えが見えにくくなってきているよね。

石野氏:今回発表されたのが、性能的に最もタブレットに近いパソコンと、最もパソコンに近いタブレットの2製品だったので、余計わかりにくくなってしまいました。

石川氏:価格的に見ても、iPad Proはキーボード込みだと30万円近くするモデルもあるからね。

法林氏:それを買うなら、MacBook Proで良くない? となってしまう。色々なものを削ぎ落して安くしていったChromeBookとは全く逆の方向へ進んでいますね。

石野氏:あの値段であのスペックならば、キーボード装着時にはMac OSが動くようにしてほしかったです。

法林氏:逆の考え方もあって、MacBook Air上でiPad OSが動いてタッチ操作ができたほうがいいかもしれない。

石野氏:もちろん今後のアップデートや発表でiPad ProでMac OSが動くようになるかもしれないので、そこは期待しています。

法林氏:iMacの価格に関しては議論の余地があると思うけど、いいものを作ったなとは感じました。

石川氏:iMacはM1を搭載したことにより排熱機構や基盤自体を小さくできたので、スタイリッシュになった。MacBookシリーズは昨年ほぼデザインを変更していないけれど、この次はドラスティックにデザインを変えてくるのではないでしょうか。

石野氏:結局、今売っているMacの大半がM1になりましたね。

法林氏:M1搭載のMacBookが登場した時、インテル製のMacは家電量販店で数万円値引きされて、たたき売りしてたからね。MacBookは長年使っているユーザーが買い替えることが多くて、新規ユーザーがあまり増えてなかったのが要因でしょう。

 そういう意味だと今回のiMacはデザインも新たにキャッチーになったので、新規ユーザーが購入しやすくはなった。やっぱりスマートフォンやタブレットでやることとパソコンでやることは違うので、一体型のきれいなデザインのデスクトップが出たのは良かったです。

 今のパソコンはノートが中心になっているけど、デスクトップの良さも確実にあるので多くの人に使ってほしい。だからこそもう少し価格を安くしてほしかったですね。

iPad Proはクリエイター向けの超高性能! ネックは価格?

法林氏:今回の新製品で注目はやっぱりiPad Proかな。ちょっと高すぎる気もするけど。

石野氏:12.9インチモデルは特に高いですよね。前モデルよりも高くなっています。

石川氏:今回のモデルからメモリ容量がはっきり表示されるようになったんだけど、ストレージ容量を1TB以上にするとメモリが16GBになるといわれると迷う。自分の使い方では256GBくらいのストレージ容量でいいんだけどなぁと。

石野氏:今回初めて正式にメモリ容量を公表したのは、M1としてスペックが公表されているので、メモリ容量も公表するのは当然でしょというのがアップルの言い分。とはいえストレージの大きいモデルにするとメモリも大きくなるのは……ちょっとどうなのかなと。

法林氏:1TBモデルにすると20万円は超えちゃうよね。

石野氏:正直、ストレージ1TB、メモリ16GBの大容量モデルを求める人は、かなり限られる。石川さんはなんで迷われているんですか。

石川氏:自分はYouTubeで動画の公開もやってるので、動画の書き出し作業などを考えると、メモリ容量は欲しくなるんですよ。

法林氏:構造的な話をすると、M1はユニファイドメモリなのでクリエイティブな使い方をするのであればメモリ容量は大きいほうがいいです。

石野氏:12.9インチモデルが高価になったのは、ディスプレイにミニLEDを採用しているからでもあります。小さいLEDをディスプレイ内に敷き詰めて、液晶でもきれいに明るく表示できる。

法林氏:仕組みは今の液晶テレビとほぼ同じ。ただテレビと違ってiPadは持ち歩いて使う製品なので、落としてしまった時にLEDが壊れないのかという不安はあります。

房野氏:ディスプレイは有機ELではダメなのでしょうか。

法林氏:テレビ用の有機ELとスマートフォンやタブレット用の有機ELは別物だそうです。タブレットに搭載されている有機ELはスマートフォン用のものを引き延ばしただけのものなので、役目がちょっと違うんですよ。有機ELはこれからどんどん性能が上がっていくと思うので、あくまで現時点の選択肢としてミニLEDの液晶を使ったんじゃないでしょうか。

石野氏:12.9インチモデルだけがミニLEDを搭載したのは、モバイルという観点から見ているのかもしれません。

法林氏:確かに12.9インチモデルにキーボード付けたらもうMacBook Airと同じくらいのサイズ感だから、移動する機会も減るもんね。となるとタブレットってなんだって話になる。iPadの12.9インチモデルは初代モデルを買ったけどさすがに持ち歩く気が起きなかった。

石川氏:ミニLEDといわれてもサイズの壁は超えられないかなというか、自分は11インチモデルがいいなと思っています。

法林氏:あと、これだけスマートフォンが使い放題ってなっている時代に、Wi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデルを用意する必要はあるのかな。

石野氏:それはいると思いますよ。いちいちテザリングするのは面倒ですし、Wi-Fiが混みあっている環境だと使いにくくなってしまいます。大手3キャリアのデータプラスを利用すれば月々1000円程度で使えるし、あったほうがいいでしょう。楽天モバイルのSIMカードを使ってもいいですしね。

「iPad Pro」「iPad Air」それぞれの課題は?

法林氏:僕は今、iPad Airを持ち歩いているけど、実は自宅の居間にももう1台iPad Airがある。奥さんもiPad miniとiPad Airを持っていて、自宅にiPadがたくさんある状態です 笑

石野氏:iPad Proの発表を見て、自分の使い方ならiPad Airでも十分かなとは思いましたね。

法林氏:去年、iPad Airが発表された時点でも、その雰囲気はあったもんね。

石川氏:本当に映像や画像をいじる人やイラストレーターみたいな人向けの、「プロ機材」になっているなという印象です。

法林氏:例えばiPhoneで撮影した動画をiPadに持ってきて編集するといった使い方であればiPad Proはありだと思う。動画を撮るだけじゃなく編集するのであればおすすめです。

石川氏:タブレットは本当に二極化した感じですね。

法林氏:ライトユーザー向けのタブレットと、高機能でクリエイター向けに分かれた感じだね。

石野氏:ただ、iPad AirにはFace IDが入っていなかったり、意外と使うのが面倒なんですよ。iPad Proならキーボード装着時にはエンターキーでFace IDを認証できるのに、指紋センサーをいちいち触らないといけない。

法林氏:アップルの製品で微妙なのは、顔認証か指紋認証のどちらかにしか対応していないところ。世の中的には外出時には指紋で、自宅ではマスクを外しているので顔認証でという使い分けが一般的になりつつある。

石川氏:あとiPad Proはインカメラの位置が良くない。手で塞いでしまっていることがたまにあって、顔認証しようとするとできなかったりします。もう少し工夫してほしい。

石野氏:あとiPadでビデオ会議している時に音量の調節をしようとすると、手が映りこんじゃうんですよね。iPad Proのインカメラが新しく広角になるので、余計映り込みが起きてしまいます。

石川氏:それでいうと横置きしたときの音量ボタンが逆なんですよ。これが地味に使い勝手が悪い。

法林氏:そもそもiPadのアウトカメラって絶対に必要なものなのかな。

石野氏:LiDARを使って何かを読み込むときには使いますが、どちらかというとインカメラのほうが重要ですね。新型iPad Proはインカメラがかなり強化されているので楽しみです。

新製品「AirTag」はどうやって使うのが正解?

石野氏:新製品という意味では、「AirTag」も登場しましたね。

AirTag

房野氏:エルメスモデルが高くてびっくりしちゃいました。

AirTag Hermèsバッグチャーム(3万5800円〜)

石野氏:一般的なエルメスのキーホルダーは軒並み5万円以上なんですよ。そう考えると安いのかもしれない。AirTagのエルメスモデルはケースだけじゃなくて本体にもエルメスの刻印があったりします。

法林氏:必らずいるものではないですから、普通のモデルでも全然いいですよ。

石野氏:個人的にはアップル純正のAirTagケースがデザイン的に微妙なんですよね。

石川氏:つり革みたいなデザインだよね。

石野氏:あと見比べて分かったのが、エルメスモデルはAirTagの裏まで覆われていて、金属部分だけが見えるようになっているのに対して、アップル純正のケースは裏も見えています。表と裏で色が違うのでちょっとどうかなと思います。

法林氏:Amazonとかを見ると、早速AirTagの保護シールといったサードパーティー製品が売られている。これに保護シールが必要かはわかりませんが。

石川氏:サードパーティー製品は今後もたくさん出るでしょうから、急いで買う必要はないと思いますよ。

 AirTagをユーザーに使ってもらうシーンとしては、AirTagがついている鍵が道端に落ちていた時に、発見した人がスマートフォンをかざすことで連絡先が表示されて、持ち主に届けられるという仕組み。まずは多くの人にAirTagというものを認識してもらわなければいけないのでリンゴマークが表面に出ていたりするんだと思います。

房野氏:近くにAirTagがあったらどんどん通知が来るわけではないんですよね。

石川氏:AirTagを付けた物を落とした時には、オーナーのiPhoneに通知が来るようにはなっていますが、たまたま道端で見つけた人がスマートフォンをかざすことで連絡先がわかるといった形です。

石野氏:仕組みとしては、AirTagにNFCのタグが埋め込まれていて、スマートフォンでタッチをするとそのAirTagに紐づいたURLが表示される。落とした人はそこに紛失モードにした状態で連絡先などを書き込むというもの。AirTag自体に遠隔で何か操作を加えるわけではありませんし、発見した人が使っているスマートフォンはAndroidでも問題ありません。

房野氏:キャリーケースなどに付けて飛行機に乗ったりしても大丈夫なのでしょうか。

石野氏:AirTagから離れた状態で移動してしまうとアラートが鳴る可能性があるので、預ける荷物に付けると飛行機の中でずっと鳴っているかもしれません。同じ理由で子供の位置情報を見守るために持ち物に付けるといった使い方もできません。人には付けるなと言われてましたね。

石川氏:ただ、AirTagの技術はオープン化されていて、将来的には色々なメーカーがAirTag搭載製品を発売する可能性がある。それこそAirTag搭載キャリーケースなども出てくるのではないでしょうか。

法林氏:基本的には、iPhoneと一緒に持ち歩いている物に付けるのがルールですね。ユーザーがうまくその使い方になじめるといいんだけど、過去の類似製品を見てみるとあまり流行っていないのでどうなるかな。

房野氏:iPhoneを持たずにApple Watchだけ着けてちょっと出かけるような人もいると思うのですが、Apple Watchとの連携はできるのでしょうか。

石川氏:Appleの人は、現時点ではiPhoneとiPadのみ、と言っていました。

法林氏:具体的に使い方を考えるとやっぱり鍵に付けることになると思うんだけど、これまでに何回、鍵を失くしたことがあるかという話にもなる。僕は若い時にバイクにつけっぱなしで丸ごと無くなったのと、酔っぱらって電車で落としたことがあるけど、せいぜい2回程度。

石川氏:財布に付けるといっても、財布自体を持ち歩かない時代になってきているので微妙かもしれません。

石野氏:財布に入れるという点で引っかかっているのが、AirTagに磁石が内蔵されているところです。そこまで強くはないと思うのですが、クレジットカードなどと一緒にしまう際には気を付けたほうがいいかもしれません。

法林氏:クレジットカードは磁力が強いので大丈夫なことが多いでしょうが、駐車場のカードなどはデータが消えてしまうかもしれないので、注意したほうがいいです。

iPhone 12の新色「パープル」はトレンドカラーを意識!?

房野氏:あまり事前リークでも見かけなかったのですが、「iPhone 12」「iPhone 12 mini」に新色のパープルが追加されましたね。

石野氏:Galaxyにパープルがあるから……というのは冗談ですが、パープルは最近のトレンドカラーなんですよ。薄いパープルは洋服でも最近よく見かけるので、2021年の流行を意識したという形じゃないですかね。

 タイミング的にはiPhone 12シリーズ発売から半年程度なので、販売のテコ入れ的な意味もあると思います。iPhone 12シリーズはiPhone 12 Proが人気とも聞きましたから。

法林氏:僕が聞いた話だとダントツに売れているのがiPhone SE、その次がiPhone 12でiPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Maxの順番。miniは日本での人気が期待されていたけれど、全然売れていないようです。安いし、もう少し売れるかと思っていたのですが。

石野氏:グローバルで見るとiPhone 12 Pro Maxも人気なんですね。iPhone 12 Proと合わせてみると売り上げは好調みたいです。

法林氏:グローバルと日本では大画面に対するイメージが全然違うんですよね。

......続く!

次回は、楽天モバイルのiPhone取扱開始と、1.7GHz帯の割り当てについて会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/佐藤文彦

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