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パワハラやモラハラにならない部下の叱り方

2021.05.14

今、部下を叱ることに精神的な負担を感じている上司は多いのではないでしょうか。私の元を訪れる患者さんからも「部下の叱り方が分からない」という相談が少なくありません。実はポイントさえおさえれば、他人を上手に叱ることができるのです。

叱った部下が言い訳をしてきたら?

上司の部下に対する指導に関しては「褒めて育てる」「叱って育てる」の2つのパターンがあり、どちらも一長一短です。現在のトレンドは、「褒めて育てる」でしょう。小学校や中学校でも「褒めて育てる」という方向性にあるようですが、実は叱ることも、ポイントさえ押さえれば有効なのです。

ほとんどの部下は叱られた後に言い訳を述べることが多いですが、まず、いいわけに対しては、肯定も否定もせず傾聴することが重要です。その上で数日してからフォローを入れることによって、内省が深まり、叱りの効果が高まることがあります。

具体的には、「この間は少し厳しく叱ってしまったけど、ちょっと落ち込んでしまったかな」と切り出し、部下の反応を見ます。「君の仕事ぶりは普段からかなり評価しているんだ、だからこそ厳しく注意してしまった」のような問いかけで、部下のことを評価し、大事にしていることを伝えましょう。

叱るときに絶対言ってはいけない超NGワード

「バカ!」「ダメ!」「処置なし!」「気が利かない」「空気読め」「受けてきた教育が悪い」「親の顔が見てみたい」などの言葉がなぜいけないかというと、抽象的で部下のパーソナリティを否定する言葉だからです。叱っていいのは、相手の言動や態度に関してのみとなります。

重要なのは、悪い一点に絞って具体的、客観的に叱ることです。本人が直せない部分に対して注意することは部下の心を傷つけるだけです。いろいろ叱りたいことがあっても、一番重要な一点だけを叱ることが大切なのです。

また、あまりにも時間的に遡って指摘すると本人の記憶が薄れてしまう可能性も高いので、古い話は持ち出さない方がいいです。部下がその場面を思い出せるように「いつ」「どこで」「だれが」「だれと」「なにを」していたかをまずお互いに確認します。上司が注意したい点が何かを具体的、客観的に指摘するようにしましょう。

メールを使って叱るのはNG

基本的な事項に関しては第三者が同席しているときに、さりげなく注意するのも有効でしょう。但し、叱る時は基本的に1対1が好ましいです。

20年ほど前から電子メールが普及して、かなり重要なことでもメールでやりとりする傾向があります。しかし、電子メールのやりとりだと記載した内容が違った意味にとらえられてしまうケースも少なくありません。叱るという行為に関しては、対面せずにメールなどで注意するのは極力避けましょう。

部下を威圧しない「声のトーン」の使い方

叱る場面では、逆上して激しいトーンで話すことは感情ばかりが残って逆効果となります。極めて冷静に、おちついた口調で部下を見て話すことが重要です。「少し時間いいかな…アドバイスしたいことがあってね」と切り出し、具体的に部下に直してもらいたい事柄を伝えて反応を見ます。最後に必要があればいつでも時間を作ることを約束して終わりにします。

怒りを発動させる「沸点」を決めておこう

「親しき仲にも礼儀あり」ということわざがあります。部下のあまりにも常識を逸した発言を見過ごすと、上司のリーダーシップの欠如を印象づけることになり、他の部下たちの失望を買うことになります。これ以上は妥協点を見出せない場面に、速やかに叱る必要があります。

さらに注意を要するのは、苦手な部下に対して叱るケースです。普段からお互いに肌が合わないと感じている可能性が高いからです。苦手な部下を叱る時は、熟慮してからにするべきでしょう。

叱られる側が納得できないのは、叱る側の姿勢がブレているときです。同じことをしても叱られる時と、叱られない時があってはダメなのです。叱る側は「ここまでは許せるけれど、ここを超えたら許せないので怒る」のように怒る、怒らないの境界線、つまり怒りを発動させる沸点を決めておくことが大切です。

最後に見落としてはいけない事柄があります。部下が抱えるメンタルヘルス的な面、家庭の問題などです。メンタルヘルスの面では、近年、本人も家族も気がつかない形で軽症うつ病に罹患しているケースが多いです。頭痛、動悸、手足のしびれ、不眠、立ちくらみ、人前で話が出来なくなるなど多彩な症状がある場合が多くみられます。

家庭内の問題としては、高齢化した両親の問題や子供の登校拒否の問題、夫婦間の離婚問題などを抱えるなど、様々ケースがあります。この問題が分かった場合は速やかに専門家に相談するようにアドバイスしましょう。かなりデリケートな問題なので、上司の深入りは慎重にしてください。

文/伊藤 拓(いとう たく)

精神科医。昭和39年、東京都西東京市出身。東京大学理科二類(薬学部)卒業後に医師を目指し、横浜市立大学医学部医学科に再入学。卒業後に内科研修を1年履修した後、精神科に興味を抱き、東京都立松沢病院で2年間研修する。平成5年に医師免許、平成10年に精神保健指定免許を取得。現在、大内病院副院長。 精神科医としてこれまでの26年間でのべ5万人以上を診ている。統合失調症、気分障害(躁うつ)、軽症うつ病の分野で高い評価を得ている。近著に「精神科医が教える 後悔しない怒り方」(ダイヤモンド社)https://www.diamond.co.jp/book/9784478111666.html

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