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音声SNSの活況がもたらす〝新しい声文化〟誕生の動き

2021.05.30

音声SNSの活況が新しい声文化を生む

 すでに音声SNSのピークは過ぎたという意見もあるが、SNSなどの最新事情に詳しい未来予報代表・宮川麻衣子さんは懐疑的だ。

「音声SNS隆盛の立役者である『Clubhouse』でさえ、現状は発展途上。日本で注目を集め始めたのは2021年1月下旬くらいだったと記憶していますが、実は本国アメリカで話題になったのも同じ頃。テスラ社の最高経営責任者であるイーロン・マスクが『Clubhouse』で公式インタビューを行なったことがきっかけだといわれています。当然、『Facebook』や『Twitter』といったメジャーな存在に肩を並べるほどの知名度を獲得できていませんし、課題は山積みです。しかし、人気ミュージカルの上演など、音声SNSならではの取り組みは活発化していますし、Facebook社やTwitter社を筆頭に新旧プラットフォーマーはこぞって音声関連機能の開発に着手するなど、次世代SNSとして依然、高い期待値を保っています」(同・宮川さん)

 音声SNSの定着はユーザーにどのような価値観の変革をもたらすのか? 宮川さんは〝話す・聴くという情報伝達方法は、原始的な村社会を復活させる〟と説く『メディア論』の著者であるマーシャル・マクルーハンの言葉を引用し、グローバルで村社会化が加速すると予測する。

「雑談ならここ、相談ならここ、真面目なセッションならここ、というように、目的に応じてプラットフォームを使い分ける人が増えていくと思います。ユーザーの細分化が加速することで、SNSはこれまでのような広く浅くつながるためのツールから、より狭く深くつながり、情報の濃いコミュニケーションを楽しむツールへと発展していくのではないでしょうか」(同・宮川さん)

 一方で、音声SNSがヒットした要因にワイヤレスイヤホンなどのデバイスの進化があるように、SNSの発展にはテクノロジーの進歩が欠かせない。そこで次に来るSNSとして宮川さんが期待するのが、VR系音声SNSだ。

 5G通信が普及し、デバイスの低価格化が進めば、VRはさらに身近な存在になると予測。マイクを使った交流が当たり前になりつつある今、空間を共創・共有できるVRに新しいソーシャルメディアとしての追い風が吹いている。

音声SNSの覇権争いが激化!

3大SNSもこぞって音声対応を発表!

『Clubhouse』の躍進を受け、大手プラットフォーマーによる開発競争が激化している。1月にポッドキャストアプリ『Breaker』を買収したTwitter社は、音声チャット機能「Spaces」を4月にリリース予定。Facebook社も『Clubhouse』スタイルの音声機能の開発に着手したと発表。『Instagram』は既存サービス「Instagram Live」に新機能「Live Rooms」を追加。定員を2名から4名に増やし、音を重視したライブ配信を可能にしている。

■ 定番アプリにも追い風が吹く

stand.fm

ラジオ配信アプリ『stand.fm』は最大5人によるライブ配信が可能になり、配信数が大幅増。

■ 新興音声SNSが次々誕生

『ピカピカ』

『ピカピカ』

年数十回のバージョンアップで新しいコンテンツを次々に導入。新規利用を開拓している。

『wacha』

『wacha』

5月上旬に提供開始予定の音声SNS。誰かとつながることで孤独や寂しさの解消を目指す。

音声SNSにエンタメ化の波が到来

本国アメリカでは人気ミュージカルを上演!

ルーム内でのトークが基本の『Clubhouse』だが、エンタメ業界とコラボを実施。世界的に利用者の多いポッドキャスト的な側面の強化にも力を注いでいる。中でも大きな話題を呼んだのが、ミュージカル『ライオン・キング』と『ドリームガールズ』だ。『ドリームガールズ』は、新しい才能の発掘を目的に、ミュージカル俳優のオーディションにも『Clubhouse』を活用。従来の音声SNSにはない試みが多くの共感を生んだ。

『THE LION KING Live On Clubhouse』

『THE LION KING Live On Clubhouse』

約40名のキャストによる『ライオン・キング』は昨年12月に開催。

『Dreamgirls on Clubhouse』

『Dreamgirls on Clubhouse』

『ドリームガールズ』は2月に上演。オーディションルームに上限を超える5600人以上が集まった。

懸念が広がる音声SNSの問題点

プライバシー保護と安全性の確保が急務に

『Clubhouse』はトークの録音・記録を禁止しているが、スタンフォード大学の研究者による調査で音声データの流出が発覚。一部データが中国企業経由で中国政府に渡る可能性があるとも指摘した。また、知人を招待する際、運営側に全連絡先データへのアクセスを許可する点も問題視されている。セキュリティーやプライバシー保護への懸念を受け、ドイツとフランスのプライバシー監査機関が調査に乗り出したこともニュースに。

■ インターネット利用における不安の内容

インターネット利用における不安の内容

出典:総務省「通信利用動向調査(令和元年版)」

個人情報の漏洩など、セキュリティーへの関心は高い。『Clubhouse』の人気がピークアウトしたと囁かれる要因のひとつといえそうだ。

取材・文/安藤政弘

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