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「Clubhouse」はなぜヒットしたのか?音声SNSの躍進を支える4つのキーワード

2021.05.23

ゆるい雑談感

アーリーアダプターの大量ツイートで『Clubhouse』が大ブレーク。これをきっかけに音声SNSシーンが爆発的な盛り上がりを見せている。ヒットの背景と『Clubhouse』が業界とユーザーにもたらした影響、そして次世代を担うSNSとは? 有識者に話を聞いた。

Clubhouse

コロナのパンデミックが音声SNSの追い風に

 アメリカ発の音声SNS『Clubhouse』が日本でも話題となった。2020年4月のβ版リリース当初、ユーザー数は5000人規模だったが、今年1月には1週間のアクティブユーザーが200万人を突破。運営会社の時価総額は10億ドル(約1108億円)を超えると報じられるなど、iOS版のみのアプリとしては異例の急成長を遂げた。

 この急激な過熱ぶりに違和感を覚えた人は少なくないはずだ。これについてSNSなどの最新事情に詳しい未来予報代表・宮川麻衣子さんは「『Clubhouse』は後発組。音声SNSがヒットする土壌はすでに整っていた」と説く。

「アメリカでは車内でラジオやポッドキャストを聴く人が多く、一日中ワイヤレスイヤホンをつけて生活する若者は少なくありません。おしゃべり好きな国民性もあり、『Discord』『Chalk』など数多くのボイスチャットアプリが登場していました」(同・宮川さん)

 パンデミックで雑談欲が増大。〝ながら〟で気楽に会話できる音声SNSのヒットにつながった。では、後発の『Clubhouse』だけがバズった理由は何か?

「ブランド力、話題性、招待制にすることで自分だけが取り残されているのではないかというFOMO状態を巧みに煽ったこと。さらに、アドレスを同期しやすいシステムを取り入れている。この手軽さも既存の音声SNSになかった魅力だと思います」(同・宮川さん)

 人気が過熱する一方、研究者や検証機関から『Clubhouse』の安全性を懸念する声が噴出。収益化の課題も残る。

「音声SNSが定着するには、インフルエンサーのような利用者を呼び込むための存在が不可欠。モデレーター(トークルームのホスト)が利益を得られるシステムを構築できれば、声のスターの誕生や家飲みを盛り上げる〝音声スナック〟など、新業種が生まれるかもしれません」(同・宮川さん)

『Clubhouse』がひとり勝ちした4つの要因

■〝シリコンバレー発〟というブランド感
■ 招待制が駆り立てるFOMO
■ 有名人の相次ぐ参入による話題性
■ アドレスと同期できる手軽さ

どうしてヒットしたのか?音声SNSの躍進を支える4つのキーワード

『Twitter』(文字)から『Instagram』(画像)、『TikTok』(動画)と変遷してきたSNSのトレンドは、顔などを隠して音声だけで交流するスタイルへと移り変わりつつある。突発的な現象のように思えるが、実は音声SNSの隆盛を予測していた業界人は多い。その理由を考察した。

【キーワード1】IoT音響デバイスの急速な普及

Bluetoothオーディオストリーミング機器の年間出荷台数

出典:ABIリサーチ2020年

スマートスピーカーやワイヤレスイヤホンなど、1999年の登場以来、Bluetooth対応デバイスは年々増加。コロナ禍を背景に、仕事しながら、料理を作りながらなど〝ながらコンテンツ〟として音声アプリが定着。見る・読む以外に〝聴くこと〟が情報収集の手段として再評価されている。

【キーワード2】ポッドキャスト利用者の世界的増加

ポッドキャストを聴き始めた時期

出典:PODCAST REPORT IN JAPAN ポッドキャスト国内利用実態調査 2020

ポッドキャストの認知度が70%を超えるアメリカでは、何と3人に1人がヘビーユーザーに。聴くだけでなく〝会話も可能なポッドキャスト〟として認知されたことが、音声SNSの利用者激増につながった。自粛生活が続いたこの1年で、日本でもポッドキャストリスナー数は急伸している。

【キーワード3】ラジオ配信&音声チャットアプリの急増

Voicy

2016年リリース『Voicy』

Radiotalk

2017年リリース『Radiotalk』

stand.fm

2018年リリース『stand.fm』

Spoon

2018年リリース『Spoon(日本版)』

音声SNSは決して新しいジャンルではない。日本でも5~6年前から存在しており、ラジオ配信型が根強い人気を博すなど身近な存在だった。ただ、これらの多くはコミュニケーションの在り方が一方向であり、配信者とリスナーとの間で気軽に交流することが難しかった。

【キーワード4】承認欲求の在り方を変えるゆるい雑談感

ゆるい雑談感

画像や動画をメインとするこれまでのSNSと違い、いわゆる〝盛る〟必要がない。この気楽さも音声SNSの利用者が急増した要因のひとつ。当初は本の読み上げやビジネススキルの学び方といったテーマを扱う人が目立ったが、最近では子育て、恋愛など身近な内容にシフト。おしゃべりする感覚で簡単に承認欲求が満たせることも音声SNSならではの魅力だ。

宮川麻衣子さん

未来予報株式会社 代表取締役
宮川麻衣子さん
2016年に起業。リサーチや新製品のコンセプト設計を生業としながら、8年にわたるSXSW分析レポートの発信や様々な未来像を提示。2019年にSXSW Japan Officeを設立した。

取材・文/安藤政弘

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