
⽶国ETF
POINT
(1)リスク許容度に応じた⽶国株ETFと⽶国債券ETFの組み合わせが効果的
(2)⻑期⾦利の上昇で⾦が下落しているが、実は今が買うチャンス
(3)さらなる分散を考えて新興国のETFを組み合わせるのもアリかも?
サラリーマン投資家で2児の⽗親 ロジャーパパさん
株を中心に債券と金で資産配分をバランスよく
米国市場で10年以上投資を続けて資産を築き上げているロジャーパパさん。「一層の株高が期待できる今年こそ、株・債券・コモディティーを組み合わせたポートフォリオをしっかり組んで投資を行なうべき」と、それに見合う投資戦略を提案してくれた。
「私は、個別株ではなくETFを中心に投資を行なっています。株高の波に乗れるよう、株式ETF『VTI』を多めに、リスクヘッジのために債券ETF『BND』をいくらか持っておくとよいでしょう。それに加えて、金ETF『GLDM』を少量持っておけば、リスクを抑えつつも中長期で稼ぐことができると思います。極論をいえば、投資を始めたて〜中級者くらいの人は、この3つの商品を購入するだけでもいいと思っているくらいです」
VTIを購入することは、「全米の上場企業の株式を、時価総額が大きい順にちょっとずつ購入する」ことに等しい。具体的には、VTIを1万円購入した場合、アップルを474円(4.74%)、マイクロソフトを448円(4.48%)、アマゾン・ドット・コムを337円(3.37%)といった具合に、ちょっとずつ〝つまみ食い”することになる。
BNDは、米国の複数の債券にちょっとずつ投資するという商品。リスクヘッジのために債権ETFを持つとはどういうことか?
「一般的に、株価が下落すると債券は価格を維持するか上昇するといわれています(下図参照)。株が下落したとしても、債券が踏みとどまって、資産が減るのを防いでくれるのです」
コモディティー(現物)と呼ばれる金融商品には「貴金属」や「原油」や「ガソリン」などのいろいろな商品があるが、ロジャーパパさんは「金(ゴールド)」への投資を、ここまで紹介した2つのETFに加えて行なっているという。
「米国は年間約2%のインフレ目標を掲げています。そうなると、毎年少しずつ物価も上昇していく。当然、金の価格も同様に上昇が期待できるわけです。金投資ならGLDMが、比較的安く数千円から購入できるので組み込みやすい」
通信インフラ、素材、新興国でポートフォリオがさらに充実
ここまで触れた3銘柄以外でいえば、「個別銘柄では『AT&T』に、ETFでは素材セクターの『VAW』に注目しています」。AT&Tは米国の最大手の通信インフラ企業で、アフターコロナの世界で花形となる5GインフラやDXに欠かせない企業だ。素材セクターは、別名“景気敏感セクター”とも呼ばれる、化学繊維や鉄鋼などの産業分野の総称。景気回復時にいち早く株価や業績が上向き始めるといわれる。
「これらの銘柄を組み込む時は、VTIの投資比率を下げてもよいですが、BNDを下げてはいけません。また、今後の景気回復期待は米国に留まらないと予想するので、新興国に投資するETF『VWO』を組み込むのもよいでしょう」
現物で買うよりETFのほうが便利
⾦ETFへの投資は⻑期で考える
金は「延べ棒」で買うのもアリだが、ETFなら自宅ではなく証券会社に預けておけるというメリットがある。
債券系のETFを〝好調相場〟のリスクヘッジに!
VTIと比べて、BNDの値上がりは緩やかだが値動きは小さく安定していることがわかる。また、VTIの下落時に価格が上昇することもある。一般的に、ETFはこれらのように価格に相関がないものを組み合わせることが理想とされる。
リスク許容度ごとに株式系ETF⽐率を変える
リスク許容度とは、含み損にどれだけ耐えられるかを表す指標のこと。証券会社や銀行が測定ツールを提供しているので、許容度が大なら株式系を、小なら債券系を多めにしてリスクとうまくつきあいたい。
取材・文/久我吉史
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