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これから伸びる投資先は?業界通に聞いた非鉄金属・化学業界の注目企業3選

2021.06.10

TBM(未上場)

2021年の「非鉄金属・化学業界」

中国をはじめとした新興国に押され気味の日本のモノづくりだが、ベースとなる素材の分野では簡単にはマネできない独自の技術と強みがある。優れた技術を有する企業と多くの接点を持つ、リンカーズの加福秀亙さんにこの分野の現状と注目企業について伺った。

加福秀亙(ひでのぶ)さん

リンカーズ株式会社 取締役  加福秀亙(ひでのぶ)さん
大手シンクタンクでコンサル業務に携わり、「10年後に芽が出る技術」に数多く触れる。現在は企業と企業とのマッチングを支援する同社の全体を取り仕切る。

日本企業の伸びしろは半導体と脱炭素にあり

 デジタル化の加速から「半導体とその周辺産業」が盛り上がりを見せています。自動車などへの供給が間に合わないことがニュースになっていますが、半導体メーカーの主流は海外です。日本で強みがあるのは、東京エレクトロン、SCREENホールディングスなど、半導体製造装置を造る「装置系メーカー」でしょう。また、今後は大電力を制御する〝パワー系半導体〟も重要になります。EVなどのモーターを駆動させたり、バッテリーに充電したり、電力制御回路を動作させるなど、電力の制御や供給を行なう半導体には大きな電流が流れ、従来主流のシリコンでは電力効率が悪い。効率良く流せる「ガリウムナイトライド」など、別の素材へ代替が進むと、化合物半導体に強い住友電気工業などが伸びる可能性があります。

 さらに、米国の政権交代により、世界的に「脱炭素」の流れも急浮上してきています。太陽光発電は中国、風力発電は欧州が強く、日本は再生エネルギーの分野では残念ながら遅れを取っています。

 しかし、私はそのエネルギーをどう無駄なく使うか、「再生エネルギーの管理」こそが鍵を握ると思います。その点、材料技術がコアになっている日本は、「蓄電」の分野に強みがあります。太陽光でつくった電力を自家消費するために一度貯め置く、「定置用電池」でも、日本企業にチャンスがあるはずです。

 中でも最近注目しているのは、日産で電池の研究をされていた堀江英明さんが立ち上げたAPB。次世代リチウムイオン電池「全樹脂電池(All Polymer Battery)」を開発しています。これは定置用蓄電池として非常に有効で、これからもっとおもしろくなりそうです。上場企業である三洋化成がここに出資をしています。

 また、「脱プラ」の流れで、未上場ですがライメックスという素材を作っているTBMにも注目しています。石灰石から作られる素材は、成形材としても使えることから、プラスチックへの代替素材として期待されています。日本発のゲームチェンジャー(※)になるんじゃないでしょうか。

 コロナ禍はピンチであるとともにチャンスでもあります。自社の持つ〝ものの価値〟を直接伝えられず、新規顧客の開拓は難しくなっていますが、オンライン展示会のような場をうまく活用し、新しいチャネルで価値を伝えられる企業にとってはチャンスです。

 また、米国長期金利の不透明感、円安の流れからサプライチェーンの国内回帰の動きにも注目です。

※物事の状況や流れを一変させる個人や企業、プロダクト、アイデアのこと。

POINT CHECK

● 半導体の分野でも「装置系」「パワー系」を取り扱う企業に伸びしろがある

● 脱炭素では、材料技術がコアになる「蓄電」分野に日本の強み

● サプライチェーンの国内回帰にビジネスチャンスがある

加福さんが注⽬する企業はコチラ!

住友電気工業(東証1部5802)

住友電気工業(東証1部5802)

複数の元素を材料にする「ガリウムナイトライド」など、化合物半導体の研究・開発を行なう企業。今後5Gやミリ波が主流となれば、さらに注目度は高まるはず。

三洋化成工業(東証1部4471)

三洋化成工業(東証1部4471)

次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発を行なうAPB株式会社に出資している、三洋化成工業。2020年12月には追加投資を発表。経営資源の投入も行なっている。

TBM(未上場)

TBM(未上場)

石灰石を用いた新素材「LIMEX(ライメックス)」の開発を行なうTBM。時価総額1000億円を超えるユニコーン企業で、上場間近との噂も。「脱プラ」の流れから、注目度が高い。

取材・文/久我裕紀

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