
野生動物が身にまとう色は、“生き抜くための武器”である。
上質な教育番組・ドキュメンタリー番組が無数に揃っているNetflix。その中でもゴールデンウイーク中の親子鑑賞にオススメなのが、『デヴィッド・アッテンボロー: 生命の彩り』。
2021年4月22日より独占配信中の、オリジナルシリーズだ。
数々の自然科学ドキュメンタリー番組を手掛けてきたイギリスのプロデューサー(今年95歳!)デヴィッド・アッテンボロー氏自身がナビゲーターを務める。
アッテンボロー氏がエミー賞を受賞したシリーズ『OUR PLANET 私たちの地球』(2019年)、そして映画『デヴィッド・アッテンボロー: 地球に暮らす生命』(2020年)もNetflixで独占配信中。
あらすじ
デヴィッド・アッテンボロー氏が、生き物たちの不思議な世界を案内する。
登場するのは、チョウやクモ、カエル、シオマネキなどの小さな生き物から、ハチドリ、クジャク、フラミンゴなど色鮮やかな鳥、そしてトラやシマウマなどの大型生物まで、多岐にわたる。
弱肉強食の自然界で生き残るため、生き物たちは身にまとう色にそれぞれ驚くべき工夫を凝らしている。
ある生き物は、鮮やかな色をメスに見せつけて健康と強さをアピール。別の生き物は、周囲に溶け込む色を忍者のように使いこなし、天敵や獲物から身を隠す。
「色を見る」、「色にかくれる」、「色を追う」の全3話。
見どころ
特殊な高性能カメラを使って至近距離で鑑賞する生き物たちの姿は、ひたすら神秘的で美しく、感動に満ちている。色鮮やかな生き物たちと大自然に癒される、贅沢な約3時間だ。
どの生き物もそれぞれ魅力的だが、個人的に一番心を掴まれたのは、色鮮やかで愛らしい鳥たち。
たとえばハチドリは、太陽の光を受けてキラキラと輝く玉虫色の羽毛をメスに見せることで求愛する。懸命に羽ばたく小さなハチドリの姿が、とても健気だ。
そしてさらに面白いのが、キンミノフウチョウ。
南国の鳥は、色鮮やかな見た目のオスがダンスをしてメスに求愛することでよく知られているが、キンミノフウチョウもその仲間だ。
キンミノフウチョウは、まず舞台の準備から念入りに行う。自慢のグリーンの羽毛が舞台で映えるよう、あらかじめ同系色のものをせっせと取り除くのだ。
先輩の求愛ダンスを見て勉強するべく、若いオスたちが観客席に集まってくるのも楽しい。
いざ本番が始まると、メスと後輩オスが見守る中、輝くグリーンの羽毛を広げるオス。
求愛するオスを真上から厳しく採点するメスの姿は、とても高飛車に見える。その様子を傍で見守る後輩オスの後ろ姿が真剣そのもので、なんとも微笑ましかった。
アッテンボロー氏の解説によると「動物界で最も複雑な求愛行動の1つ」だそうで、人間でも思わず感情移入してしまうかもしれない。
Netflixオリジナルシリーズ『デヴィッド・アッテンボロー: 生命の彩り』
独占配信中
文/吉野潤子
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