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会社員1000人に聞いた社長との心理的距離「1万km以上」が2割超で、リモートワークの頻度が高い人ほど遠い傾向

2021.04.30

JTBコミュニケーションデザイン「ニューノーマルの社長との心理的距離調査」

コロナ禍で、リモートワークを導入する企業が増えている。従業員からしたら、出社しなくてもいいのは安全かつ便利というメリットがある反面、テレワークを行う中で、人と話す頻度も減り、心の距離を感じたことがある人もいるのではないだろうか。

JTBコミュニケーションデザインは、「ニューノーマルの社長との心理的距離調査」の報告書をまとめた。本調査ではリモートワークを行う人を対象に、社長や上司、同僚との間に感じる心理的距離(気持ちの上での距離)について調査したもの。方法はインターネットリサーチ。詳細は以下のとおり。

社長との「気持ちの上での距離」は「1万キロ以上」25.2%。リモートワーク頻度が高いほど遠い傾向

平均して週2日以上リモートワークを行っている人1,030人に、社長との「気持ちの上での距離」をたずねると「違う都道府県にいる(500キロメートルくらい)」が23.9%で最も多く、次いで「別の部署、別のフロアにいる(30メートルくらい)」が21.0%だった。

「違う星にいる(4億キロメートルくらい)」という回答も14.4%あった。4億キロは、地球と火星の距離に相当する。「海を隔てている、違う国にいる(10,000キロメートルくらい)」も10.8%で、「1万キロ以上」の回答をまとめると、25.2%と4人に1人の割合となる。

「違う星にいる」という回答は、リモートワーク日数が多いほど多く、「ほぼ毎日リモートワーク」の場合18.3%に上る。自由記述回答では、リモートワークの導入・増加で、社長と「直接会う、話す機会が減った」「発信がない・思いが伝わらない」などのコメントが見られた。

一方で、リモートワークで社長からの「情報発信がある・理解できる」「オンラインなどでコミュニケーションの機会がある」などの肯定的なコメントもあり、ふれあう機会が増えて心理的距離が縮まったと感じている人も。リモートワーク下でも心理的距離を近く保つ工夫が可能であることがわかる。

社長は、実際の距離よりも、「気持ちの上での距離」のほうが遠い

「気持ちの上での距離」の回答と物理的な距離の回答を比較し、その相違を集計した。その結果、社長では「気持ちの上での距離の方が遠い」ケースが41.4%を占めている。一方、上司、同僚は「同じ」が約半数にのぼり、「気持ちの上での距離の方が近い」が3割以上となった。

上司との「気持ちの上での距離」は「姿は見えているが、少し離れている(5メートルくらい)」が3割

直属の上司との「気持ちの上での距離」は、「姿は見えているが、少し離れている(5メートルくらい)」が34.0%と最も多く、「すぐそばにいる(1メートルくらい)」が24.0%と続いた。「5メートル以内」でまとめると、62.5%になり、社長に比べて、近いと感じられていることがわかる。

リモートワーク頻度で見ると、平均して週に2日程度と頻度が少ない人では、「すぐそばにいる(1メートルくらい)」が32.3%と多いものの、ほぼ毎日リモートワークの人では16.8%にとどまっている。リモートワーク日数が多いほど、上司との「気持ちの上での距離」が遠くなることがわかる。

自由記述の回答を見ると、リモートワークの導入・増加によって上司との「気持ちの上での距離」が「遠くなった」と感じている人では、「直接会う、話す機会が減った」「上司の感情が読めない・状況がわからない」「状況を理解してもらえない」など、コミュニケーションの機会が減り、上司との相互理解ができない状況がうかがわれた。

逆に、上司との「気持ちの上での距離」が「近くなった」と感じている人では、「オンラインなどでコミュニケーションの機会が増えた」などふれあう機会が増えたことや、「理解や思いやりを感じる」ようになったという意見がみられた。コミュニケーション頻度を増やすことや上司からのアプローチの内容によって、リモートワーク下であっても心理的距離が近くなるケースがあることがわかった。

最も親しい同僚との「気持ちの上での距離」は、「すぐそばにいる(1メートルくらい)」が36.0%で最多

最も親しい同僚との「気持ちの上での距離」を聞いたところ、「すぐそばにいる(1メートルくらい)」が36.0%と最も回答が多く、「姿は見えているが、少し離れている(5メートルくらい)」が30.6%となり、「5メートル以内」でまとめると、76.7%になった。社長や上司に比べて、大変近いと感じられている。

しかし、リモートワーク頻度別にみると、平均して週に2日程度と頻度が少ない人では、「すぐそばにいる(1メートルくらい)」が45.9%と多いものの、ほぼ毎日リモートワークの人では27.2%にとどまった。最も親しい同僚であっても、リモートワークが多いほど、「気持ちの上での距離」が遠くなることが示されている。

自由記述での回答を見ると、同僚との「気持ちの上での距離」が「遠くなった」と感じている人では、「職場で会う機会も減ったし、外食、飲み会もしないので」「ちょっとした雑談や会話のコミュニケーションがなくなった」など、気軽な交流の機会が減った様子を示すコメントが見られた。

また、「オンラインの発言で、仲間の本音や微妙な心の内を知ることになったが、理解に苦しんだ。感覚の違いで、同僚だと思いたくなくなった」などの感情のすれ違いが発生した様子も記述され、リモートワークでのコミュニケーションの難しさが浮き彫りに。

一方で、同僚との気持ちの上での距離が「近くなった」と感じている人からは、「チャットツールを入れ、雑談も推奨されているので、出社時よりコミュニケーションがとりやすくなった」など、企業側の施策が功を奏した例や、「一体感を持って乗り越えようという気持ちが強まった」などの社内の意識が良い方向に向かう例が報告された。

社長、上司、同僚との「気持ちの上での距離」が近いほど、仕事に対するモチベーションが高い

「気持ちの上での距離」別に、仕事に対するモチベーションの高さを見ると、社長、上司、同僚ともに「気持ちの上での距離」が近いと感じる人ほど、仕事に対するモチベーションが高いことがわかる。

心理的距離は親密さの度合いを表す。社長、上司、同僚という仕事上の重要な人物と一定の親密さが保てることは、安定的な関係の実感や心理的安全性につながり、内発的なモチベーションを支えている可能性がある。

リモートワーク増加で重要度が高まる「雑談」「上司との対話」

コロナ禍によるリモートワークの導入・増加によって、重要度が増したことについて聞いた。その結果、「同僚や上司との雑談」が48.3%で最も高く、半数近くの回答者で重要度が増していることがわかった。

次いで「直属の上司との対話」が43.7%、「部門などの枠を超えた、社内のコミュニケーションの場」が43.3%、「社長など経営トップから従業員に向けた、今後のビジョンや方針等を伝えるメッセージ」が42.7%など4割を超える人が、重要度が増したと回答した。

年代別でみると、20代および一部では30代で数値が高く、また、役職別では部長クラスの数値が高い結果に。若年層にとっても、役職の高い層にとっても、同僚、上司、社長とのコミュニケーションの重要度が高くなっていることがわかる。

対面で行いたいのは「同僚との対話」「上司との対話」

仕事をする上で、対面で行いたいことについて聞いたところ、「同じ立場の同僚と、対面で直接話をする」が63.4%と最も高く、対等な関係にある同僚とのリアルコミュニケーションを求める人が6割以上いることがわかった。次いで「直属の上司と対面で直接話をする」が56.2%だった。

年代別、および役職別に見ると、「同じ立場の同僚と、対面で直接話をする」では、20代、30代、一般社員も6割以上と高い数値を示したが、60代、部長クラスでは7割以上という非常に高い素値が示された。

こうした傾向は、「直属の上司と対面で直接話をする」についても見られた。若年層や非役職者だけでなく、年代の高い層や役職の高い層でも、同僚や上司との直接対話への要望が強いことがわかる。

会社との気持ちの上での距離を縮めるのは、「仕事のやりがい」「評価」「人間関係」

「会社」との「気持ちの上での距離」を縮める上で、役に立つ施策をたずねると、「やりがいのある仕事ができる」が42.3%でトップとなった。次いで、「自分の仕事への評価に納得できる」が36.4%、「職場の人間関係に満足できる」が33.7%だった。

一方、職場の設備や立地、会社の名前などが世間に認められることは、選択する人が少ない結果に。設備や立地、会社の知名度といった組織に関わることよりも、やりがいや自分の仕事への評価などの自身の職務内容に関わることや、自分に直接かかわりのある人間関係などが、会社との距離感に影響していると推測される。

一体感を高める、「社長の信念」「ミーティング」「雑談コミュニケーション」「アセスメントツール活用」

■回答の多かった施策1:社長からのメッセージや社長との交流

社長からのメッセージや社長との交流に関し、複数の意見があった。社長とのコミュニケーションが、働く人の印象に残っていることがわかる。社長の信念や戦略の一貫性についての記述もあり、こうした経営者の行動が、社員から一定の評価を得ていることが推測できる。

■回答の多かった施策2:ミーティング

ミーティングに関する記述も数多く見られた。朝礼や会議の定期的な開催が職場のコミュニケーションの基礎になっていることがうかがわれる。1on1ミーティングの記述が複数見られ、広く実施されていることが推測された。また、業務上のミーティング以外に対話や特別なテーマを設けた話し合いも行われていることもわかった。

■回答の多かった施策3:雑談

雑談に関する記述が複数見られた。孤立感や孤独の軽減を目的として雑談による気軽なコミュニケーションの推奨が行われていることがわかる。

■回答の多かった施策4:アセスメントツール、社内イベント、社内広報

アセスメントツールの活用や、社内イベント、社内広報などの取り組みに関する記述もあり、多様な取り組みがあることがうかがわれる。

<まとめと提言>
・心理的距離を縮めてモチベーションを向上させる
・雑談で情報の価値とアクセシビリティを高め、対話で誇りとビジョンの確認を

ニューノーマルの働き方が模索される中、本調査では、リモートワークの頻度が社長や上司、同僚との心理的に影響を与えていることが示唆された。仕事へのモチベーションと関連が深い心理的距離を、今後どう適切に保つかは、組織経営にとって重要な課題と言える。

<調査概要>

出典元:株式会社JTB

構成/こじへい

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