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アカデミー短編実写映画賞を受賞したNetflixの社会派SF映画「隔たる世界の2人」の見どころ

2021.04.28

白人警官による無抵抗の黒人への暴行事件を題材に、タイムループ形式で差別の根深さを訴える社会派SF映画。

4月9日より独占配信中のNetflix映画『隔たる世界の2人』。約30分の短編映画だが、差別根絶に向けての力強いメッセージを打ち出している作品だ。

エミー賞受賞の脚本家トレイヴォン・フリーとマーティン・デズモンド・ローの共同監督作品。主演は人気ラッパーのジョーイ・バッドアス主演。

本作は高く評価され、第93回アカデミー短編実写映画賞を受賞した。

あらすじ

グラフィックデザイナーとして働く、黒人青年のカーター(ジョーイ・バッドアス)。

新しくできたばかりの恋人のマンションから最愛の犬ジーターが待つ自宅に帰宅する途中、横暴な白人警官に職務質問を受けた末に圧迫死する。

恋人のマンションで目覚めては白人警官に殺害される恐怖を何度も味わうという、タイムループに陥ったカーター。何度も殺害されたカーターが導き出した“答え”とは。

見どころ

トレイボン・マーティン射殺事件、エリック・ガーナー窒息死事件、ジョージ・フロイド死亡事件など、白人警官による黒人への理不尽な暴行事件は日本でも度々報じられてきた。

一連の事件では、目撃者が事件の様子をスマートフォンで撮影した動画をSNSで拡散。『Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)』と呼ばれる大規模な抗議運動に発展したことは、記憶に新しい。

拡散された動画には、本作の主人公であるカーターと同様に、フロイドさんが苦しそうな声で「息ができない」と叫ぶ生々しい場面も記録されている。

また本作にも、有色人種の女性が白人警官に抗議しながらスマートフォンで撮影するシーンがあることから、上記の事件をモチーフにしていることは明らかだ。

もし通行人が動画を撮影していなければ、いずれも揉み消されていた可能性は高いだろう。

本作で提起されている社会問題は、日本も決して無縁ではない。

空気のように社会にまん延している差別意識は、多数派や強者が感じている以上に暴力的だ。多数派や強者にとっては「大したことでない」と感じられても、少数派や社会的弱者には息もできないほどの恐怖と苦しみを絶え間なく抱かせている。

なぜ差別はなくならないのだろうか?

色々な原因が考えられるが、一度“権威”の快感を味わった者は、簡単にそれを手放せないからかもしれない。

新しい恋愛に胸をときめかせ、愛犬を慈しみ、グラフィックデザイナーの仕事に誇りを持って働いていたカーター。

そんな青年の人生を自分の気分次第で簡単に潰すことができる、という歪んだ全能感・支配欲。その背景にあるのは、一人ひとりが抱えるコンプレックスや、傲慢・強欲・怠惰などの感情だろう。

差別は、偶然に獲得した特徴をもって、努力なくしても他人に対して優越感を抱くことができるシステムだ。

社会から差別を根絶するためには、私たち一人ひとりが自分自身と向き合い、自分の弱さや醜さと戦うことが必要だ。

Netflix映画『隔たる世界の2人』
独占配信中

文/吉野潤子

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