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【海外で輝く人】「やりたくないことはやらない」オーストラリアで見つけた幸せのかたち

2021.04.25

「実は、昔は父親の仕事のやり方は好きじゃなかったんです。だけど、父親の姿を見ていたからこそ、こっちでもうまくやれたんだなとも思います」そう話すのは、オーストラリアでWEBエンジニアやYADOKARI株式会社でタイニーハウスのマーケティングや営業を行う本多倖大さん。時間の感覚も仕事への姿勢も違う異国の地で、彼の助けとなったのは、かつては疎ましく感じていた父親の仕事の流儀だった。

病魔に襲われた父親に代わり運送会社を経営

昔は、役職だったり肩書が良ければ良いほどいい人生だよね。という価値観が自分の中にありました。大学3年で内定をもらったのは、アメリカに本社のある総合電機メーカーの、将来の経営陣を育成するプログラム。経営者になりたかったわけではなく、なんとなくそこに入っておけば、良い人生送れそうだな。というぼんやりした感じですね。

実家で運送会社を営んでいましたが、兄二人も別の会社に勤めていましたし、当時は継ぐことは考えてもなかったです。ところが、大学4年の時に父親が脳梗塞になって、母親が父親の代わりに会社を切り盛りしていたんですが、なかなか難しくて。このまま会社を潰してしまうと1億円ほどの借金が残ると言われ、それは笑い事じゃないなって。内定を辞退し、家業を手伝うことになりました。

最初、経験のない三男が父親の代わりに手伝ってます。となった時に、「父親とは取引してたけど、あなたとはしない」というクライアントさんもいらっしゃったので、仕事が無くなったらまずいな、と考えると辛かったですね。他の運送会社さんから、お仕事を頂けるようになれば、売上減少分の補填になるかなと考え、トラック協会の青年部に入らせてもらって、若い経営者と横の繋がりの中から仕事を貰えるようになってきました。

何より良かったのが、トラックは積み荷を載せてない状態で走っていると、ただのコストでしかないので、行く仕事があって、帰りの仕事も見つけられるようになったというのは

利益構造としてはかなり大きかったですね。あとは、父親は各トラックが今大体どこを走っているというのが感覚で分かるんですけど、母親も僕もそれが出来ないので、GPS車両管理システムを導入して、不慣れな母親と僕でもなんとか切り盛り出来るようにしたり。

父親が2016年に仕事復帰するまで、業務の効率化や安全性の向上など働く環境の整備などを積極的に進めました。その後3年間リクルートに勤め、2019年に渡豪しました。

他人の力に期待しているうちは進めない

オーストラリアのアデレードは気候が良く、住んでいる人も皆にこやか。僕の中で、「ここで暮らしたい!」と強く感じるところです。異文化の人々が共生している土地だと、いちいち人の生き方を否定しているのもめんどくさいんだろうなという感じがして、この多様性に寛容な部分が感覚的に好きだというのがオーストラリアを気に入ったきっかけですね。

オーストラリアで、エンジニアの勉強をゼロから始め、システム開発の会社でインターンシップをしました。当時、オーストラリア、バングラデシュ、インド、マレーシア、ブラジル、スリランカ、スイス、日本と、多国籍8人のインターンで進めるプロジェクトがあったんですが、国が違えば時間に対する考え方もさまざま。「一時から会議」といっても時間通りにくる人はいませんでしたね。時間通りに来ないし、会議をしても何も進まない。その状態が一か月続いた時は、「これはどうすれば進むんだろう?」って、朝起きてイライラして、寝る前もイライラしてました。「まだ納期は先だからいいじゃないか」と危機感がないメンバーにまたイライラ。

上司に「進め方の話し合いもできないし、進めようがない。このメンバーじゃ出来ないです」と話すと、返ってきた言葉が、「それをまとめられるリーダーシップがあるかどうかも見てるからね」。他人の力で何か改善しようと期待しているうちは進めないなと、その人の言葉で明確に思いましたね。もうやるしかないって感じでした。メンバーひとりひとりの意見を考慮するっていうところを省きさえすれば良いのではないかと思い、タスクの整理とスケジュールを一人で決めました。メンバーには、「この案でやりたくないなら、改善案を出して。案がないなら否定もしないで」と伝えました。会議を撤廃し、週次の進捗報告だけにして集まる機会をゼロにしました。スケジュール通りに進捗しないメンバーのタスクは、出来る人がやろうと改善してからは、劇的に良くなりました。報酬がコミットしたタスク量に応じていたため、不満も少なかったです。

その時思ったのが、父親って自分がやるって決めたら、100人に反対されてもやるんですよ。俺についてこい!みたいなやり方が本当は好きじゃなったんですけど、父親の姿を見ていたからこそ、こうやるんだって示した方が早いというのを学んでいた気がします。インターンシップ先からも、仕事のスムーズさとクライアントに対する丁寧さは褒められました。

「やりたくない事はやらない」という選択肢がある

オーストラリアに来てから大きく変わったのが、他者と自分の人生を比較しなくなったこと。日本で会社員として働いていた時は、僕の後から入社してきた人がもう同じグレードに並んでいると劣等感を感じてました。オーストラリアに来てからは、それぞれ得意なことが違うことを尊重して、どっちの方が優れているか、劣っているかっていう尺度がなくなりました。それが自分の中での精神的な安定に繋がってますね。

あと、やりたい事が出来ることも大事なんですけど、やりたくない事はやらないって言える状況の方が、僕にとっては幸せに繋がってるなと思います。今は何も嫌なことをしていないです。タイニーハウスのマーケティングや営業もそうですし、WEBエンジニアの仕事をしていて収入源が分散されているので、例えばクライアントから苦手な仕事をお願いされた時に、いや~僕じゃない方が良いと思いますよって言える。自分がやりたくないことは、お断りできる環境だと落ち着くんです。

今後は、タイニーハウスで、水道とか電気やガスなどインフラが接続していない土地で、サスティナブルに生きていきたい。今そういう生活をしている方々って、利便性を諦めている方が多い印象です。オフグリットの生活でも、利便性を諦めなくて良いって生活にすれば、そういう行動や考えを真似する人が増えると思うので、実現できるように頑張りたいですね。収入面は、もう1、2個あったらもっと心が安定するなと思っています。

本多倖大さん
yadokari.net

取材・文/Kikka

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