人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

苛立っている時にネットショッピングをしてはいけない理由

2021.04.29

 どうやらミスジャッジだったようだ。これはまぁ仕方がない。時間がなかったこともあるが、冷静になって選ばなかった自分にも落ち度があった。いささか感情的になっていたことも影響したのかもしれない——。

後悔した買い物のことを考えながら「平和通り商店街」を歩く

 池袋駅北口界隈にある某ディスカウントストアを出て、曇り空の街を歩く。

 4月も半ばだが案外肌寒い。個人的に冬服を着るのはいい加減に飽きて止めてしまったが、街ではまだコートやダウンジャケットの姿が少なくない。去年の今頃もこんな気候だったかどうかを思い出してみるものの、完全に忘れ去っていて実感が伴わないが、ゴールデンウィークも近いというのにこの肌寒さは異例のことのように思えてくる。

 池袋でちょっとした用件を終えてからこの近くの大型ディスカウントストアに寄り、靴売り場でスニーカーを少し見て回ったのだが、今回は購入を見送ることにした。急に必要なわけではないしまた次の機会にしたい。

 買い物には慎重にならざる得ない出来事もあった。先ほど某通販サイトからつい先日に購入した髭剃りの替刃を評価するようにと促すメールがあったのだが、そのメールには関連商品も載せられていた。

 おそらくアルゴリズムによって自動的に選ばれて掲載されたのであろう関連商品を眺めてちょっとしたショックを禁じ得なかった。お得な商品を選んで選んで買ったつもりだったが、関連商品の中では髭剃りの本体と替刃がセットになった圧倒的にお買い得な商品があったのだ。どうして気づかなかったのかと悔やまれる。

 購入した替刃はもう開封して1つ使っているので返品などはできない。いくら後悔しようが後の祭りだ。そんなことならこのメールを見ないほうがよかったのかもしれない。

 信号を渡り「平和通り」のアーチの下をくぐる。池袋ではややマイナーな商店街といえそうだがこの一帯も飲食店が多い。どこかで昼飯にしてもよいのだろう。時刻は午後1時を過ぎたばかりでまだランチ営業の時間帯だ。商店街を進んでどこかに入ろう。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 それにしても悔やまれる買い物だった。完全にリサーチ不足である。そもそも替刃のストックが少し前から切れていたのだが、ゆっくり選ぶ時間がなかなかとれなかった。そしてこの機会に別の製品に換えてみようという案も漠然と浮かんでいた。ともあれ近いうちに何らかの意思決定を行わなければならないというちょっとしたプレッシャーの中でのネットショッピングだったのだ。

 そして先日、結局のところは同じ製品の替刃を買おうとネットで商品選びをしたわけなのだが、残念ながらじっくりと腰を据えて選ぶ時間はなかった。そして今思えばその時、感情面に乱れがあったのだ。詳しく述べるのは避けるが、その少し前にあるネガティブな出来事があって少し腹立たしさを感じていたのである。そんなこともあってさっさと買い物を済ませたくなっていたかもしれない。

 商店街を進むと何度か入ったことがある中華料理店が見えてくる。本格的な中国東北料理を出す有名な店だ。ここには豚の骨付き肉を煮た豪快な料理があり、ビニール手袋をはめて手づかみで食べたことが思い出されてくる。

 軒先の立て看板にはランチメニューが貼り出されている。久しぶりにこの店で食べてもいいのだが、もう少し先に進んでみたい。特に魅かれる店がなければ戻ってくればいいのだ。

怒っていると誤った情報を信じやすくなる

 それにしても辺りには中華料理系の店が多い。いずれも明らかに中国の人がやっている本場の店だ。餃子店の軒先には弁当が並べられている。近隣で働いている常連客らしき人が何人か買いに来ていてけっこう人気のようだ。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 スニーカーの購入はひとまず保留することになったのだが、それはやはり残念な買い物のショックが影響したということになる。買い物については今は少し頭を冷やす“冷却期間”が必要なのだろう。

 くれぐれも商品選びをする際には時間に余裕を持ち、落ち着いた気分で行いたいものである。気分を害し怒りの感情を抱いた状態でネットショッピングをしたところで、あまりいい結果を招きそうもないというのはもっともな話だ。

 最近の研究でも、怒りの感情を抱いている時には誤った情報に対する脆弱性が高まることが指摘されている。


 実験の各段階の間に、実験参加者は怒りを誘発するか、中立的な気分を維持するタスクを実行しました。参加者はスキーマに関係のない誤った情報よりもスキーマの整合性に大きな感受性を示しました。

 怒りは最初の出来事に関する真の詳細の認識またはソースの正確さに影響を与えませんでしたが、怒りとともに誤った詳細の被暗示性が高まりました。

 ソースエラー(つまり誤った情報の受け入れ)のこの増加にもかかわらず、ソース属性の正確性と誤った判断の決定速度の両方に対する自信も怒りとともに増加しました。

※「APA PsycNet」より引用


 米・フラミンガム州立大学とニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の合同研究チームが2020年5月に「Experimental Psychology」で発表した研究では、実験を通じて怒りの感情を抱いている者は、ニュートラルな感情の状態にある者よりも誤った情報の影響を受けやすいことが報告されている。

 79人が参加した実験では、映画『あなたの死後にご用心!(原題:Defending Your Life)』から抜粋した8分間の映像が視聴された。

 その後、ランダムに参加者は2つに分けられた。1つは怒りの感情を抱くグループと、もう一方は特に強い感情を抱いていないニュートラルな感情を保っているグループである。前者はこれまでの人生で特に激怒した体験を思い出して記述してもらうことで“怒り”が誘発され、後者は美術館を訪れた時の感想を書き綴ってもらった。

 その後、参加者は見た映像にまつわる80題のクイズに答えたのだが、データを分析してみると“怒り”のグループはクイズで出題される誤った情報を信じやすい傾向にあることがわかったのだ。しかも“怒り”のグループは間違いであっても自信を持って答え、素早く回答していたのである。

 つまり怒りの感情を抱いている時の意思決定は思わぬ誤情報や宣伝文、セールストークといったものの影響を受けやすくなり、しかも厄介なことに自分では自信を持って意思決定を下していることになる。したがって怒りを感じている時の判断は一度保留し“頭を冷やして”からにすべきなのだろう。

焼肉激戦エリアで焼肉ランチを頂く

 ともかく、どこかの店に入ろう。……商品選びには慎重になりたいものだが、とはいっても飲食店選びについてはそれほど慎重になっても仕方がない。今はネットの評価サイトもあるが、基本的には初めて入る店は一種のギャンブルのようなものだ。しかしもし“負けた”としても知見は広がり経験値が増すという意味では有意義なギャンブルである。

 右手に「池袋の森」の表示看板が目に入る。豊島区の施設のようだ。商店街の建物の間に幅2、3メートルほどの緑に囲まれたアーチ門があり、奥に伸びているのがわかる。この先に“森”があるとは到底思えないのだが少し興味がそそられる。帰りに寄ってみようか。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 先に進むと数店の焼肉店が見えてくる。見たところ3軒あるようだ。この短い距離の間に焼肉店が並んでいるというのも珍しい。通りの入口近くにも焼肉店があったし、焼肉好きなら何度も通ってしまう商店街になるかもしれない。焼肉ランチにしてもいいのだろう。店のどれかに入ろう。

 進行方向左側にある焼肉店の軒先に表示されているランチメニューを見るとなかなかお得である。入ってみよう。

 奥行のある店内で外から見た感じよりも広かった。4人掛けのテーブルに案内される。先客はいずれも1人客が3名だ。

 焼肉以外にも石焼ビビンバやチゲ風のうどんやラーメンまで14種類もあるランチメニューの中から「上ハラミ・カルビランチ」の肉大盛りを注文する。

 すぐに七輪が運ばれてきてテーブルにセットされ、ほどなくしてトレーにセットしたメニューが運ばれてくる。肉はなかなかのボリュームだ。ちなみに肉を大盛りにしても値段はたいして変わらない。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 さっそく肉を七輪の金網の上に乗せて焼いていく。少しして隣にいた1人客にも石焼ビビンバが届けられた。当然だが焼肉のほうが提供が早くなるようだ。

 焼けた肉から順番に口に運ぶ。美味しい。輸入牛に決まっているが何の文句もない。カルビとハラミを交互に食べられるのもいい。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 さっき通り過ぎた中華料理店に入る選択もあったが、今日は初めて入ったこの焼肉店でよかったと思う。しかしもし仮に今、腹立たしい感情を抱いた状態で入る店を探していたとすれは、はたしてどんな店を選んでいたのかと考えればそれはそれで興味深い。

 そういう場合は食事ではなくまずは酒ということになるのかもしれないが、やらなければならない仕事が残っているのに昼から酒を飲んでいるわけにもいかない。あるいは餃子の店で弁当を買って公園などで食べるか、部屋に持ち帰って食べることを選ぶかもしれない。

 しかしどうであれ、怒りの感情を抱いた状態で外で食事をしたりお酒を飲んだりするようなことはしたくはないものだ。それなら酒を買い込んで部屋で飲み、酔いつぶれて寝てしまうほうがよさそうに思えてくる。

 ……あまりネガティブなことは考えないようにしよう。焼肉も美味しかったし、帰りにはあの“森”を少し散策して森林浴で気分をリフレッシュするとしようか。

文/仲田しんじ

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2021年4月15日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「スマホLIVEスタンド」! 特集は「投資の新常識」&「輸入食材スーパーの極上グルメ」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。