
高まり続ける、プログラミング教育の重要性。⽂部科学省は「これからの社会を⽣きていく⼦どもたちにとって、将来どのような職業に就くとしても、コンピュータを理解し上⼿に活⽤していく⼒を⾝に付けることはきわめて重要」として、⼩学校でのプログラミング教育の必修化を決定し、2019年12⽉には「GIGAスクール構想」を発表した。
⼦どもたちが Society 5.0 (超情報社会)を⽣きていくためには、コンピュータをより適切に、効果的に活⽤することが求められる。しかし、プログラミングはこれまでにない学習になるため、学校現場や家庭では「プログラミングをどのように学ぶか」が課題になっている。
こうした状況を受けこのほど、くもん出版では、学習の実態を把握すべく「⼩中学校におけるプログラミング教育」に関する調査を実施した。
5⼈にひとりしか理解していない?プログラミング教育を推進する「GIGAスクール構想」とは
今回の調査では、⼩中学校のプログラミング教育に⽋かせない2つの⽤語(「GIGAスクール構想」「Society5.0」)について、「理解している」、「やや理解している」と回答した割合の合計が「GIGA
スクール構想」では19.1%、「Society5.0」では17.6%に留まった。
⼀⽅で、令和2年度から⼩学校でプログラミング教育が必修科されたことについては、79.5%が「知っている」、もしくは「なんとなく知っている」と回答。プログラミング教育の存在は広く知られているものの、その意図や社会的背景が保護者層まで浸透していないことが伺えた。
■GIGAスクール構想
・1⼈1台端末と、⾼速⼤容量の通信ネットワークを⼀体的に整備することで、特別な⽀援を必要とする⼦供を含め、多様な⼦供たちを誰⼀⼈取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能⼒が⼀層確実に育成できる教育ICT環境を実現する。
・これまでの我が国の教育実践と最先端のICTのベストミックスを図ることにより、教師・児童⽣徒の⼒を最⼤限に引き出す。
(出典:⽂部科学省ーリーフレット「GIGAスクール構想の実現へ」https://www.mext.go.jp/content/20200625-mxt_syoto01-000003278_1.pdf)
令和2年度の補正予算が成⽴したことによって、2021.3までにGIGAスクール構想推進の準備が整い2020.4からICTを活⽤した新しい学びが全国の⼩・中学校で始まる。
■Society5.0
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を⾼度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両⽴する⼈間中⼼の社会(Society)のことを指す。狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、⼯業社会(Society3.0)、情報社会(Society4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が⽬指すべき未来社会の姿として初めて提唱された。
(出典:内閣府https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/)
⼦供たちはSNSやオンラインゲームを活⽤することによって、すでにSociety5.0の社会で⽣きている。
学校での「プログラミング教育」とは?令和2年度の実施率は28.1%
学校教育におけるプログラミング教育がどのようなものだと思うか、についての質問では過半数の60.7%が「パソコンを使って授業を⾏う」を選択。また、次いで多く挙げられたのは「『プログラミング』という教科を学ぶ(39.8%)」だった。
本来、⼩学校でのプログラミング教育とは、「コンピュータに意図した処理を⾏うよう指⽰することができること」を体験しながら、⾃分の意図する活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要なのかを論理的に考えていく⼒を養うことを⽬的としている。はじまったばかりの「プログラミング教育」はまだまだ誤解が多いようだ。
■プログラミング教育が育む資質・能⼒
学習指導要領はSociety5.0の社会を⽣きる⼦供たちに必要な資質・能⼒を3つの柱で整理した。⽂部科学省は、この3つの柱ごとにプログラミング教育が育む資質・能⼒を説明している。
(出典:⽂部科学省「⼩学校プログラミング教育に関する研修教材」https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/21/1417094_003.pdf)
・知識及び技能:⾝近な⽣活でコンピュータが活⽤されていることや、問題の解決には⼿順があることに気付くこと
・学びに向かう⼒、⼈間性等:発達の段階に即して、コンピュータの働きをよりよい⼈⽣や社会づくりに⽣かそうとする態度を涵養すること
・思考⼒、表現⼒、判断⼒等:発達の段階に即して、『プログラミング的思考』を育成すること
令和2年度から必修科されたプログラミング教育の実施状況について、今回の調査では全体の28.1%がその実施を把握していることがわかった。もっとも多く実施されていたのは⼩学校6年⽣で、約半数(48.8%)が該当した。⼀⽅で、どの学年も「わからない」という回答が多く⾒られており、保護者にとってはまだプログラミング教育の実態が不透明であると考えられる。
74.4%が「プログラミング教育」に必要性を感じている!社会のIT化を意識する傾向に
プログラミング教育が実施された教科等としてもっとも多く挙げられたのは「総合」32.5%だった。
総合(=総合的な学習の時間)は、変化の激しい社会に対応して、⾃ら課題を⾒付け、⾃ら学び、⾃ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能⼒を育てることなどをねらいとした時間だ。ほかにも、「算数(数学)(25.4%)」や「国語(17.8%)」など、様々な教科にプログラミング学習が組み込まれていることが結果から伺える。
*)⽂部科学省https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/sougou/main14_a2.htm
⼩学校でのプログラミング教育の必要性について、74.4%が「必要性を感じている」、もしくは「どちらかといえば必要性を感じている」と回答した。また、その理由については「IT化が進んでいるから(75.2%)」、「論理的な思考⼒が⾝につくから(47.9%)」、「グローバル化に対応できると思うから(45.0%)」などが挙げられた。
家庭でのプログラミング教育40.6%が「⼩学⽣から取り組めるワークブック」に関⼼あり!
家庭での「プログラミング」に関する学習状況については、全体的に「⾏っていない」という声が多い結果になった。実際に⾏っていることとしては「パソコン・タブレット等の購⼊(18.3%)」、「プログラミングに関する書籍の購⼊(13.8%)」、「プログラミングに関する教材・玩具の購⼊(12.8%)」などが挙げられた。⾏っていないが興味があることとしては「⼩学⽣から取り組めるワークブックの購⼊(40.6%)」にもっとも票が集まった。
「ITエンジニア・プログラマー」が将来、⾃分のお⼦さんが「就いてくれたらいいな」と思う職業の第4位に、(保護者⾃⾝が)もし今、⾃分が⼩学⽣だった場合に将来なりたいと思う職業6位にそれぞれランクインした。
<調査概要>
集計期間:2021年1⽉21⽇〜1⽉22⽇
調査⽅法:インターネット集計
調査対象:⼩学校1年⽣から中学校3年⽣のお⼦さんがいる30代、40代の男⼥
調査⼈数:全国601名
出典元:株式会社くもん出版
https://www.kumonshuppan.com/
構成/こじへい
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