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デイリーポータルZの編集長が語るリモートワークを導入したよかったこと

2021.04.21

コロナ禍でメンバー全員がテレワーク体制へ

「うちの近所に原さんが多すぎる理由を探った」とか「納豆巻きの納豆をもう落とさない選手権」など、ユルいオモシロ系の記事で人気のウェブメディア、デイリーポータルZ

編集長の林雄司さんをはじめ、編集部員6名、外部ライター約50名の陣容で回していたが、コロナ禍で完全なテレワーク体制に移行し、今に至っている。

それまでは、「ネットのメディアながら、対面したり飲みにいったりする昭和な作り方」だったそうで、林さんも、昭和的な働き方が板についていたアラフィフ世代。突然のテレワークに一番戸惑ったのが、司令塔たる林さんだった。

今でこそ、ベテランテレワーカーの境地に到達した林さんだが、当初はかなりの試行錯誤と不測の事態で、てんやわんやだったという。

林さんは、そうしたエピソードの一部を著書『テレワークの達人がやっているゆかいな働き方』(青春出版社)にまとめている。

一読して思ったのは、「ユニークなメディアを運営しているくらいだから、本には詳しく書かれていないことも、まだ結構あるのではないか」という素朴な疑問。今回は、そのあたりを、林さんにいろいろうかがった。

「会社に行かなくていい」ですぐさま移行

― メディアの作り方が「昭和的」と語っていますが、テレワーク体制への完全移行が2020年3月とは結構スピード感あると思います。そのいきさつを教えてください。

林さん:会社がテレワークを推進したというのもありますが、ちょっとおもしろそうだし「会社に行かなくていいなんて超楽じゃん!」という動機で、すぐさま移行しました。

ひと月ぐらいで全員ヘッドセットを揃えて、カメラに写っても恥ずかしくないように部屋を片付けました。

完全リモートになると寂しいので、チャットで無駄話を書いたりするのですが、それの返事がなくて一層寂しい気持ちになることがありました。

遠距離恋愛のカップルのように全員繋ぎっぱなしで仕事をするのも試しましたが、1日でやめました。

毎日の全員ミーティングは「世間話」メイン

― ある程度、テレワーク体制が落ち着いてきてからの、業務ルーチンをざっと教えてください。また、他社にはない独自のやり方で、「業務効率がアップする、あるいはコミュニケーション円滑化に効果的」といったお役立ち情報もあれば。

林さん:なんの用事がなくても毎日30分から1時間全員参加のミーティングをしています。コミュニケーションの円滑化には役立っていると思います。ただ、1時間全員で世間話をするので業務の効率化は落ちています。

外部のライターさんとはリモートで企画に参加してもらいやすくなりました。例えばインタビューに茶々を入れる係として参加する、食べ比べに参加するなどは、これまでは事務所に来る必要があって大変だったのですが、リモートなら声をかけやすくなりました。食べ比べは、事前に自宅に物を送ってリモートで「せーの」で食べてます。「インタビューに茶々入れる」役割の人がいるのは、デイリーだけかもしれませんね。

全員参加ミーティングはコミュニケーション円滑化に役立つも…(写真はイメージです)

飲み会がなくなったがメリットは大きかった

― テレワーク主体になって、よかったこと、よくないことにはどんなものがありますか?

林さん:よかったことは、飲み会がなくなったことです。健康診断で肝臓の値がよくなりました。飲んで盛り上がってもたいてい記事にならないようなアイデアだったり、むしろ飲み過ぎて何も憶えてない、恥ずかしいことをしてしまった、勢いでよその媒体の悪口を言った、酔ってポエムをTwitterに書く、などマイナスが多かったので。イベントなどでは登壇してしゃべるのが30分なのに、打ち上げで6時間飲んで帰りのタクシー代でギャラが消えることもなくなりました。

とはいえ、どうしても飲みたかったので、公園でマジックハンドで距離を保ちつつ飲んだことがありました。ビールがほとんどこぼれて終わりました。

良くないのは、全部リモートで済まそうとするようになってしまったことでしょうか。一時期、取材記事の相手の写真がZoomのキャプチャばかりになったのでZoomのキャプチャ使用禁止令を出しました。

テレワークで飲み会がなくなってプラスの面も(写真はイメージです)

テレワークならではのトンデモ事態も

― 『テレワークの達人がやっているゆかいな働き方』には、「社内恋愛している2人の背景がいっしょで同棲がバレた」という、びっくりエピソードもありますね。そういった、「今だから話せるネタ」を教えてくださいますか?

林さん:同棲している二人は、ばれないようにひとりがバルコニーに出て会議をしていたらしいです。でもむちゃくちゃ不自然ですよね。

知り合いがリモート会議中、上司がスマホを持ってトイレに入ったと聞きました。ミュートせずに、しかもカメラをオフにしないで。それで何が見えたかは、その会社の人がみんな「……ううん」「なんというか……」と言葉を濁すので、そこから類推するしかありません。

物置のような照明がない部屋から会議に参加している人がいて、夕方になるとその人がだんだん見えなくなっていったことがありました。気がつくとひとりだけ真っ黒になっていました。でも、ワードの白い資料を画面共有すると、モニターの反射でその人がぼんやり浮かび上がりました。ネット越しに人の顔をオン・オフできるのはリモートならではだと思います。

あとは…タオル1枚巻いた奥さんらしき人が後ろを通り過ぎたことぐらいでしょうか。モニター越しでも見てはいけないものがあると、つい顔をそむけてしまいますね。

コロナ禍の終息が見えないなか、テレワーカーの数は増えているが、この勤務形態に満足している割合は6割程度だという。もし、テレワークに漠然と不満や不安を感じているなら、林さんの肩ひじの張らない取り組み方が参考になるのではないか。著書もあわせて読んでみると、光明が見えるかもしれない。

林雄司さん プロフィール
月間最高2千万PVのウェブメディア、デイリーポータルZ(DPZ)編集長であり、シリーズ累計150万部のベストセラー『死ぬかと思った』の著者。
1971年、東京都練馬区生まれ。埼玉大学教養学部卒業後、富士通グループのジー・サーチに入社。会社勤めの一方、インターネット黎明期の1996年に個人サイト「東京トイレマップ」「Webやぎの目」を立ち上げて雑誌やテレビで話題となる。ニフティに転籍後の2002年、個人サイトで培ったスピリットを生かし、DPZを立ち上げて編集長になり、現在に至る。2021年、東急メディア・コミュニケーションズに転籍。会社員でありながら多岐にわたる活動を続けている。

文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

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