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三井不動産の社内ベンチャーがクラフトぶどう「極旬」の生産を始めた理由

2021.04.22

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

三井不動産の社内ベンチャーが取り組むぶどう生産事業

三井不動産の社内ベンチャー「GREENCOLLAR」が取り組んでいる、日本とニュージーランド(以下NZ)を行き来して生食用ぶどうを通年生産する、クラフトぶどう「極旬」の販売を3月から開始した。

「生食用ぶどうの巨峰、ピオーネ、シャインマスカットはすべて日本原産で、独自の進化を遂げた高品質のぶどう。美しく形を整えるために粒を抜く『摘粒』など、高度な技術を使って手間をかけて作り、粒が大きく、ハリがあり、甘くて華やかな香りがある。しかし、日本品種の生食用ぶどうは国内消費が9割以上で世界でも認知が低く、供給時期に偏りがあり、大量生産している農家がいないのが現状。

2014年にNZでの生食用ぶどうの生産開始し、NZで日本式の棚式生産を行う唯一の生産者である、葡萄専心株式会社の樋口哲也社長にご協力をいただき、日本品種のぶどうを大規模生産して世界中へ通年供給することを目的に事業を展開する」(GREENCOLLAR 代表取締役 鏑木裕介氏)

季節が逆である北半球と南半球の季節ギャップを活かして、山梨県北杜に4ha、NZのホークスベイに9.4haに生産圃場を確保。日本生産だけでは閑散期にはぶどうが全く供給できなかったが、NZで生産することで通年供給できる。年に2回作業するので生産性が倍になり、生産技術の向上も期待でき、日本の閑散期の農家をNZで雇用することで雇用の安定化と定着率を増加させ、日本の農業の就業、構造の問題解決に寄与する。

「果物農家の大きな悩みは年間を通じて生産できないこと。短いシーズンで1年分の収入を得なくてはいけない。これでいいのかという思いもあって、女房と相談して会社として農業をやろうとなった。しかし一番問題だったのがこの収入で年間雇用ができるかということ。ハウス栽培も考えたが、旬にこだわりたいという気持ちは強かったので、会社としては難しいと諦めかけていた時に、不意に女房が言ったのが『南半球で作ってみれば』。その言葉を聞いて頭の中で一気にイメージが湧いてきた。何もわからないまま、うっそうとした林の中に飛び込んで2014年からNZでぶどう栽培を始めた。

NZは朝6時から夜の9時ぐらいまで明るく日照時間が長い。紫外線も強くて光合成できる時間がとても長く、おいしいぶどうができる。日照時間、寒暖差、乾燥がおいしいぶどうができる条件で、そうした点でもNZは適した土地といえる。

日本品種の生食ぶどうは世界一の品質。栽培では特別なことをしているわけではなく、ぶどうがして欲しいということを普通にしているだけ。人間も100人いれば100通りの個性があるように、ぶどうもどれもみな違う性格を持っている。ぶどうが持っているポテンシャルを100%引き出してあげれば絶対においしくなる。ぶどうだろうが、桃だろうが、車だろうが、精密機械だろうが、良いものを作る最後のエッセンスは、どのくらい想いをかけているかという愛情だと思う」(葡萄専心 樋口社長)

地球の表と裏の両極で、1年中ぶどうの旬の季節に育てていることから、旬を極めるぶどうでブランドネームは「極旬」と名付けられた。日本で生産したものが「表旬」で8月中旬~10月初めが収穫シーズン。NZで生産された「裏旬」は2月中旬~4月初旬が収穫シーズン。

裏旬時期の日本品種のぶどうは今まで食べることができなかったが、季節が逆の南半球で作ることで食べられるようにする「裏技」的ということ、「裏原宿」のようなこっそり楽しむ、知る人ぞ知るという意味合いから、NZ産は「裏旬」と名付けた。

日本生産の「表旬」ではシャインマスカット中心、NZ生産の「裏旬」はバイオレットキングと巨峰を中心に生産する。

販売チャネルとして直営のECサイトを開設。また、飲食店協業型のD2C販売も行い、フードロスをなくす観点から規格よりも小さかったり、形がきれいにならなかったぶどうを飲食店に提供し、そのぶどうを使ったオリジナルメニューを開発、販売する。

【AJ&IMの試食】日本品種のぶどうが通年食べられる幸せ

目の前に展示されていた「バイオレットキング」と「巨峰」の見事な房っぷり(?)に圧倒。大粒で1粒1粒がつやつや、ぷりぷりしていて見るだけで絶対においしいと確信。現在、公式サイトで販売されているぶどうはNZ産の「裏旬」で、巨峰が1房3140円、バイオレットキングが1房5740円。

飲食店協業型D2C販売店舗のひとつ、赤坂の「CAFE SANS NOM」は、チーズケーキが評判の店。通年チーズケーキメニューを提供し、洋梨、いちごといった旬の果物を使った毎月限定のチーズケーキも。極旬のチーズケーキは大好評だったシャインマスカット、巨峰に続いて、現在「極旬バイオレットキングのレアチーズケーキ」(1カット・780円)を販売中。チーズケーキは生地の中にもぶどうを練り込んでおり、1ホールに1房のぶどうを丸ごと使っている。

「酸味、甘味といったバイオレットキングのおいしさを活かして作っている。小麦粉は使わないグルテンフリーで、クラスト(土台)部分もアーモンドと大麦を使用。ぶどうは皮ごと使ってフードロスもなくしている。トッピングのぶどうも皮ごと味わっていただければ」(佐々木志朗店長)

バイオレットキングの親品種はシャインマスカットとウインク。シャインマスカットの粒の大きさと甘さ、ウインクの酸味が絶妙にブレンドした味が特徴。生食でももちろんおいしいが、ピンクがかった淡い紫色のバイオレットキングのレアチーズケーキも期待しながら食べてみた。

IM「ねっとり濃厚な味と食感。思った以上に酸味が効いていて、チーズの濃厚さを上手に引き締めている。レアチーズケーキというよりむしろNYチーズケーキに近い濃厚さかも。ワインが欲しくなるね」

AJ「チーズの味はもちろん、ブドウ感もかなりしっかりとあって、ぶどうとチーズが互いのいいところを主張しつつ完璧に融合している感じ。しかもまさかのグルテンフリー!糖質制限している身にはありがたい」

IM「トッピングのぶどうもおいしい。絶対に皮ごと食べるべし」

AJ「極旬バイオレットキングのブラウニーもあるよ。こっちのブラウニーもおいしい。ぶどうもしっかり入っていて、ブラウニーなのにこの食感、すごく不思議」

IM「なめらかでみっちりしっとりしていて、テリーヌとかフランス菓子のフランみたいな感じ。ぶどうの味もほんのりして、食べたことのないおいしさだね。こちらも小麦粉とバターを使わずに米粉と米油が使っているグルテンフリーらしい」

IM「NZはワインも有名だよね。日照時間が長くて乾燥した気候だから、ぶどう栽培に適しているのか。両極でぶどう生産するって、いいところに目を付けたよね、もちろん先駆者の樋口社長とタッグを組めたことが一番大きな要因だと思うけど」

AJ「運営しているGREENCOLLARは三井不動産の社内ベンチャーでしょ。不動産会社がぶどうを作っていることが驚きだけど、社内では“三井ぶどう産”と呼ばれているらしい(笑)」

IM「しかしなー、サイト見たけど気軽には買える値段ではないよね。三井不動産の財力でもっと大規模にできないわけ?」

AJ「山梨県の4haとNZの9.4haで栽培するということだけど、収穫量が安定するのは木を植えてから4年目以降なんだって。2023年以降は収穫量が増えてくるらしいから価格も下がるかもよ」

IM「不動産会社なら土地購入はお手のものだろうから、生産圃場も今後増えるかもしれないしね。100%収穫できる7年目以降になれば、価格も下がるかもと期待したい。そうしたら気軽に春にも高級ぶどうを食べられるよねー。楽しみ♪」

取材、文/阿部純子、伊藤まさみ

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