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粉飾、業法違反、脱税、コンプライアンス違反による倒産が9年ぶりに200件割れ

2021.04.15

2020年度の企業倒産件数は2年ぶりに減少した。

新型コロナウイルスの感染拡大により事業環境が一変した半面、コロナ対策融資や給付金などは広く行き渡り、倒産件数抑制に大きく寄与している。ただ、企業の資金繰りが公的支援に支えられる中にあっても、コンプライアンス違反の末に倒産する企業は発生し続けている。

また、コロナ禍を抜けて経済活動が再度活発化する局面において、事業を存続させるためにコンプライアンス違反に手を染める事例が増加していく可能性もある。

帝国データバンクでは、「粉飾」や「業法違反」「脱税」などのコンプライアンス違反が取材により判明した企業の倒産を「コンプライアンス違反倒産」と定義。2020年度(2020 年4 月~2021 年3 月)の同倒産(法的整理のみ)について分析した。なお、調査は2005年4 月から集計を開始しており、前回調査は2020年4月7日となる。

「コンプライアンス違反」倒産が9年ぶり200件割れ

年度別推移:前年度から大きく減少

2020年度(2020年4月~2021年3月)のコンプライアンス違反(以下コンプラ違反)倒産は、182件判明。前年度比で19.1%減少し、2011年(159件)以来、9年ぶりに200件を下回った。個別企業では2019年度以前からコンプライアンス面に問題を抱えていた企業が、新型コロナの影響を受け倒産に至ったケースも見られた。

2020年度の全国企業倒産は7314件と前年度を13.8%下回った。給付金やコロナ対策の緊急融資など企業向けの各種支援策が、幅広く行き渡ったことで一時的に倒産が抑制され、コンプラ違反企業の倒産が表面化しづらくなったものと考えられる。

件数推移

違反類型別:「雇用」が増加

2020年度のコンプラ違反倒産を違反類型別に分析すると、最も多かったのは決算数値を過大(過少)に見せる「粉飾」で57件(構成比31.3%)判明、3年ぶりに減少した。依然として、長年にわたって粉飾決算を行っていたケースや、複数企業が関与する架空取引などが露見し、倒産に至るケースが見受けられた。

次に多かったのは、事業外での不祥事や悪質な不払いなどの「その他」(38件、構成比20.9%)、資金流出・横領などの「資金使途不正」(26件、同14.3%)が続いた。

また、労働問題等にかかわる「雇用」が20件(同11.0%)と増加。2017年より厚生労働省が労基法等違反企業の公表を始めたことで問題の表面化が進んでいる。

違反類型別

業種別:サービス業が最多

業種別にみると、最も多かったのは「サービス業」の40件(構成比22.0%)。接骨院チェーンでの診療報酬の不正請求や、弁護士事務所における顧客から預かり金の不正流出などが発生した。

次いで「建設業」(34件、同18.7%)が多く、架空取引などの粉飾事例が多くを占める「卸売業」(29件、同15.9%)が続いた。

業種別

主な倒産事例

【粉飾】

 FEP(株)(大阪市中央区、2020年8月破産)は、業務用電気機器卸として、病院や介護施設などを対象に液晶テレビ、液晶モニターなどを販売。販路を拡大するほか、他業態にも進出し、2019年5月期には年売上高約95億5700万円を計上していた。しかし、当社決算書への疑義が生じたことで一部金融機関からの資金調達が困難になるなど資金繰りはひっ迫。2020年に入り実質的に事業を停止していたが、当社を含む複数社で多額の架空取引が行われていたことが表面化するなど信用は失墜。債権者から破産を申し立てられる事態になっていた。

【不正受給】

  首都圏を中心に接骨院チェーンを展開していた(株)MJG(東京都新宿区、2020年4月破産)は、女性客を中心に顧客を増やし、ピーク時にはFC店を含め約180店舗に拡大、2019年11月期には年収入高約50億3300万円を計上。しかし、急激な新規出店に管理体制が追い付かず、不採算店舗が増加。また、同年11月に埼玉県から景品表示法違反で再発防止を求める措置命令を受けたことに加え、2020年2月には従業員から労使トラブルや保険診療の不正請求などを告発される事態が発生し、信用が大きく低下、事業継続を断念した。

コンプラ違反が露見し、倒産に至るケースが増えてくる可能性も

2020年度のコンプラ違反倒産は182件判明した。前年度を下回り、9年ぶりに200件を割り込んだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け企業活動は停滞した一方、政府主導による資金繰り支援策が功を奏して、倒産件数は大きく抑制され、コンプラ違反企業が表面化しづらくなったとみられる。

近年、件数が増加基調にあった「粉飾」による倒産が減少する一方で、労働問題などを抱えた企業の倒産は増加している点も注目される。景気失速に伴う求人の減少で雇用を取り巻く環境は大きく変わってきており、労働問題を抱える企業はさらに増加していく恐れがある。

コロナ禍における公的支援を経て、従前から業績不振に苦しんでいた企業が一時的にせよ資金繰りが改善したとの声も聞かれ、2020年度の金融機関に対する貸し付け条件の変更要請件数は大きく増加はしていない。企業の粉飾決算は、リスケジュール対応のデューデリジェンス時に発覚するケースや金融機関の統合の際に発覚することが多い。今後、支援策の効果が薄れ、リスケ対応を望む企業が増えるにつれ、また金融機関の再編が進むにつれて粉飾決算をはじめとするコンプラ違反が露見し、倒産に至るケースが増えてくる可能性もある。

構成/ino.

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