
外出自粛やリモートワークの普及によって、自宅で過ごす時間が長くなったコロナ禍。
ストレス発散、気分転換を求める人が増える中、増加しているのが「ご自愛消費」である。
頑張る自分へのご褒美として美味しいものを食べたり、楽しみを増やすために趣味に関するグッズを購入したりと、自分自身の心と身体をいたわるための消費「ご自愛消費」
株式会社スナックミーが、25~59歳までの男女670人を対象にアンケートを行ったところ、86%の人が「ご自愛消費」を行っていることが分かった。
「ご自愛消費」にかける金額は、コロナ禍の前では月に1,000〜3,000円程度が最多だったが、コロナ禍においては1万〜3万円程度が最多に。
「ご自愛消費」として最も多いのは「スイーツ・おやつ」で、全体の68%を占める。
「ご自愛消費」として人気の「スイーツ」コロナ禍でスイーツトレンドにはどのような変化が生じているのだろうか?
1.贅沢スイーツ
コロナ禍で自由に外出が出来なくなったり、気軽に人と出会えなくなった今、家で1人で「非日常」を楽しめるスイーツの人気が高まっている。
海外旅行や飲み会などのエンタメにかけるお金がなくなった分、普段は手に取らないような「豪華スイーツ」を購入する人も増加している。
コミナセマコ「レーズンサンド」
東京・京橋にある、デザートレストラン『コミナセマコ』が販売する、1つ800円超えの超高級バターサンド「キャレオフリュイ」
Photo:https://kominasemako.com/
リッチな配合のサブレ生地に、たっぷりのバタークリームと洋酒に漬け込んだドライフルーツをサンドした、幸福感が味わえるお菓子である。
2.栄養食品としてのスイーツ
コロナ禍で高まる健康意識。
ハーバード大学の教授が「新型コロナウィルスには有効な治療方法はなく、個人の体力、免疫力が生死を分ける」「栄養バランスの取れた食生活、規則正しい生活、運動習慣、禁煙などをしている人の方が、健康でいられる確率が高い」と述べていたように、普段の生活がウィルス感染時に生死を分けるといっても過言ではない。
「病気になってから対処する」のではなく「病気にならないよう普段から健康的な生活をする」という予防意識が高まり、免疫力を高める食事や、栄養バランスの優れた食事など、食の機能的価値が重視されている今、スイーツにも栄養を求める動きが出ている。
8ablish「デーツ&ナッツバー」
化学肥料、農薬不使用のデーツを使用したハードタイプのケーキ。
「命の果実」と呼ばれるほど、栄養が豊富のスーパーフード「デーツ」。食物繊維やビタミンが豊富に含まれており、中でもミネラルの含有量は果実の中でもトップクラスだといわれている。
デーツに加え、白ごまやナッツなどがギッシリ詰まった、白砂糖や小麦粉不使用のスイーツは、栄養価バランスにも優れているため、食事がわりにすることもできる。
滋味菓子屋「野菜のバターサンド」
「美味しさ」と「栄養」にこだわった広島県発のお菓子屋。
国産そば粉や玄米粉、北海道産バターなどを使った安全で身体が喜ぶ、見た目も美しいお菓子。
れんこんのバターサンド、ごぼうのバターサンドなど、有機野菜を使用した一風変わったスイーツを頂けます。
3.刺激的なスイーツ
「コロナ禍で1日のほとんどを自宅で過ごしているため、刺激不足…」そう思う方も多いのではないだろうか。そんな人にオススメなのが、刺激的な味のスイーツ。
AVRANCHES GUESNAY「ガトー ゴルゴンゾーラ」
Photo:https://www.news-postseven.com/archives/20200615_1570333.html?IMAGE&PAGE=1
「東京一濃厚(臭い?)チーズケーキを目指したケーキ」とうたった、「ゴルゴンゾーラ」を使用したチーズケーキ。
ゴルゴンゾーラそのものを食べているような、濃厚な味わい。
ワインなどアルコールとも相性がいいため、甘いものが苦手な人にもオススメ。
4.サステナブルスイーツ
「サステナナブル」「エシカル」といったキーワードが重視される昨今。スイーツ業界においてもサステナビリティの促進は大きなムーブメントとなっている。
ぶどうの木「チーズケーキHazico」
自社工場で発生する製造ロスを活用した商品「Hazico(ハジコ)シリーズ」を開発するなど、食品ロス対策やSDGsへ取り組んでいる企業「ぶどうの木」が、昨年発売したチーズケーキ。
バターを作る際の副産物で、これまで廃棄されるだけだった乳清(ホエイ)を使用。
また、除草剤や化学肥料を一切使用せず育てられた「金沢ゆず」の果皮を使用したり、従来廃棄されていた「果汁を絞った後の果皮」をコンポートにして活用するなど、地球環境に優しいチーズケーキである。
BGM COFFEE & VIBES「カヌレ」
ミシュランガイドで一つ星を獲得したフレンチレストラン「Ode」が、レストランの隣で始めたコーヒースタンド「BGM COFFEE & VIBES」
ここでは、レストランで使用されなかった野菜の端材をパウダーにして生地に練り込んだ、環境に配慮したカヌレ「サステナブルパウダー入りカヌレ」を販売している。
あえてバニラを使用せず、野菜パウダーを香りのパーツとして練り込んでおり、口の中で野菜の香りがふわっと広がる。
季節によって野菜の端材は変わるので、旬の野菜が入ったカヌレを楽しめる。
乳製品や卵など、動物性の食材を使わない「ヴィーガンスイーツ」もサステナブルスイーツの1つ。
「最近よく耳にするSDGs。何をすれば良いか分からない」という方は、先ずは毎日口にするスイーツをサステナブルなものに変えてみてはいかがだろうか。
【参考データ】スナックミー:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000067.000031067.html
文/小松佐保(Foody Style代表)
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