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屋根を借りて発電する「かりーるーふ」で、2050年にCO2排出量ネットゼロを目指す沖縄電力の取り組み

2021.03.30

めんそ〜れおきなわ(沖縄のことばで「沖縄へいらっしゃい」という意味)。

今、沖縄のソーラー発電が注目されているのをご存じだろうか? それは〝おきでん〟の名で地元に愛されている沖縄電力グループが、「かりーるーふ」のサービスを開始したからだ。

どうやら沖縄のことばで「かりー」とは縁起のいい、招福のことばだという。

屋根を借りて電気を起こし、福を招く「かりーるーふ」とはいったい何だろうか?

【参考】おきでん かり-る-ふ|沖縄電力グループ

一般戸建て住宅向けに、太陽光発電設備と蓄電池を無償で設置

沖縄電力グループでは、沖縄電力と契約のあるユーザーを対象に、2021年1月22日より、「かりーるーふ」の事前申し込みを募集した。

「かりーるーふ」の説明を行う、沖縄電力株式会社 研究開発部の金城尚吾さん

50名の事前申し込み希望者枠は、すぐいっぱいになり、現在は受付終了。4月1日のサービス開始に向けて準備が進む。

「かりーるーふ」は、沖縄電力と契約のあるユーザーに、同社のグループ会社の沖縄新エネ開発が太陽光発電設備と蓄電池を無償で設置、電気の供給を行うというもの。

15年の契約期間が終了した際におきる撤去作業も、沖縄新エネ開発が責任をもつ。ただし、ユーザーの希望があれば、継続の契約もできるのだ。

設備について説明する、沖縄新エネ開発株式会社 事業開発・設備運用グループ 主査 金城隆太さん

6.6kWの太陽光発電設備と実効電力4.5kWhの蓄電池で運用

「かりーるーふ」は6.6kWの太陽光発電を行い、実効蓄電力が4.5kWh(商品としては最大5.6kWh蓄電可能)となる。

太陽光発電と蓄えられた電気は、沖縄電力のお得なプランで購入できる。また、発電力・蓄電力が不足している場合は、沖縄電力の通常の電力系統から電気が供給される仕組みになっている。

「かりーるーふ」の導入事例

太陽光パネルは20枚が設置され、面積は35平方メートルとなっている。沖縄には「平屋根」と呼ばれる、天井が平らな戸建て住宅が多いため、設置がしやすいそうだ。一方で台風の影響が大きいため、強度や設置角度には注意が払われている。

「かりーるーふ」の契約者にとってのメリットのひとつとして挙げられるのは、災害時に太陽光・蓄電池が利用できること。家の中に非常用コンセントが設置され、災害などで停電した場合は家電などの電源コンセントを差し込み活用する。

設置された蓄電池にフル充電できた場合、一般的には2日分くらいの電力が確保できるようだ。台風などの場合実際は、1〜2日で復旧することが多いそうなので、想定以上の災害でなければ十分、実用となるだろう。

「かりーるーふ」を導入した住宅の外部施設。事業者のメンテナンス性などを考えて、設備は徹底して屋外に置くよう設計されている

さらに、エコキュートやIHクッキングヒーターなどを組み合わせると、沖縄電力の「オール電化」メニューに移行可能。その場合、太陽光発電による電力活用で電気代の削減にも期待できるだろう。

あくまで沖縄電力が土地を借りて設置するため、固定資産税は住宅所有者にはかからず、保険なども事業者側の責任範疇。「かりーるーふ」とはまさに〝屋根をおきでんが借りて発電する〟仕組みなのだ

2050年にCO2排出量ネットゼロを目指す、沖縄電力の設備

沖縄電力は総合エネルギー事業者として、CO2排出量の削減への取り組みを実施してきた。

2020年12月8日には、「沖縄電力は2050 CO2排出ネットゼロを目指します。」とスローガンを掲げ、「再生エネルギー主力化」を目指している。

そもそも沖縄には、水力や地熱などの再生エネルギー源が少ない。そのため、太陽光と蓄電池を組み合わせた無償設置サービス、「かりーるーふ」を開始したというわけだ。

そして、CO2排出ネットゼロを実現するため、ほかにも様々な活動を行っている。風力発電もそのひとつだ。

タワーの高さ70m、ローター(回転部)の直径が83.3mの風車を2本、さらに蓄電池を組み合わせた「大宜見風力発電実証研究設備」を大宜味村に開設。再エネ大量導入時の電力系統への影響を分析するための試験を行っている。

風力25m/sを超えると、ブレードを風に対して平行に動かして「カットアウト(停止)」する。台風の影響が強い沖縄での安全な運用を目指している

具体的には定格出力2000kWの風車を2基と蓄電池を組み合わせて研究を行い、風力発電設備を大量導入した場合の電力系統への影響を調査しているそうだ。

さらに、「名護市安部(あぶ)太陽光試験場」には沖縄本島初の大規模太陽光発電設備を設置。「安部メガソーラー」は、発電出力1000kW規模となり、「CIGS型」太陽電池パネルが4188枚、「アモルファスシリコン+多結晶シリコン 多接合型」太陽電池パネルが4560枚設置されている。

安部メガソーラーは一般家庭での使用電力量換算で約300世帯分相当の発電が可能となる

とはいえ、火力発電がまだまだ主力となるのも事実。そこで沖縄電力は、液化天然ガス(LNG)を燃料とするコンバインドサイクル発電方式を導入した、「吉の浦火力発電所」を平成24年度より稼働している。

吉の浦火力発電所のコンバインドサイクル発電は、LNGの燃焼ガスの力でガスタービンを回転し、排熱をボイラが回収し蒸気を作り、蒸気タービンを回転させる仕組み。そのためエネルギーの無駄が少なく、また、LNG自体もほかの化石燃料とくらべてCO2の排出量を抑えやすいという。

中城(なかぐすく)地区の眺望になじむよう配慮されている。現在は1号機と2号機が稼働中

吉の浦火力発電所で使用されるLNGは、オーストラリアからLNG船で運ばれてくる。

LNG船から、バース、配管橋を経て発電所のLNGタンクへとLNGが移送される

そのLNGの一部は、ローリー車で「アワセ天然ガス供給センター」へと運ばれる。

マイナス162℃まで冷却されたLNGをローリー車で輸送、同施設のLNG貯槽へと移される

沖縄電力グループのプログレッシブエナジーが所有する同施設は、LNGによる発電機が設置されているイオンモール沖縄ライカムと中部徳州会病院へ、埋設ガス導管を通して安定的に天然ガスを供給する。

イオンモール沖縄ライカム

中部徳州会病院

災害時には、両施設で必要な3日分のLNGをアワセ天然ガス供給センターは供給可能で、県民の生活安定化に寄与する。

以上のような取組みを沖縄電力は実施、2050年のCO2排出ネットゼロを目指している。

自然豊かな沖縄が保たれるよう、「かりーるーふ」や風力発電などが全島で普及することに期待したい。

では、またん めんそーれ(またいらっしゃい)。

取材・文/中馬幹弘

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