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テレワークと何が違う?実証実験で判明した「温泉ワーケーション」の効果

2021.03.29

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を機に、「ワーケーション」がさらに推進されるようになった。しかしながら、その実態は明らかではなく、企業としてもまだまだ積極的にワーケーションに踏み切るのはむずかしい段階だ。そんな中、BIGLOBEが温泉ワーケーションの実証実験を行い、各種データを公表した。そこで浮かび上がってきた、ワーケーションの効果を見ていこう。

温泉ワーケーションとは

(画像はイメージ)

温泉ワーケーションとは、ワーケーションを温泉地で行うものだ。ワーケーションとは、「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、リゾート地や観光地などでバケーションを満喫できる場所で働きながら休暇を取る方法のことである。一般的には、休暇中に旅行に行き、その休暇中に仕事をするスタイルを指す。

バケーション先を温泉に限定することで、温泉による湯治の健康効果の意味合いもこめられており、従業員の心身の健康増進にもつながると考えられている。

そんな温泉ワーケーションを、現在、目立って受け入れているのが、日本でも有数の温泉地の一つである伊東温泉で知られる静岡県伊東市だ。

伊東市は、観光庁が公募した「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業において、「ワーケーションのメッカ創出」事業が採択されており、2021年1月から一般社団法人伊東観光協会と共に「温泉地ワーケーションモデルづくり」に向けた実証実験をはじめた。

その実証実験におけるリモートワーク環境づくりをサポートしているビッグローブ株式会社は、先日、株式会社日本能率協会コンサルティング(以下、JMAC)と一般財団法人 日本健康開発財団とともに温泉地におけるワーケーションの実証実験を実施した。

BIGLOBEによる実証実験からわかった温泉ワーケーションの効果

その実証実験の結果からは、データでその温泉ワーケーションの効果を垣間見ることができる。

実証実験は、湯河原、わたり、別府と3つの温泉地で行われ、調査は2020年9月に実施された。JMACによる事前事後のアンケートおよび参加者へのインタビューと共に、健康開発財団によるフィジカル面、メンタル面での変化の計測や、自律神経バランス、血管の健康度・血管年齢、医科学的知見に基づく心身の健康状況や症状(VAS)、メンタルヘルス(POMS)などの評価から、次の興味深い結果が得られた。

1.JMACによるアンケート・インタビュー

●15名中14名が「満足」と回答

今回のワーケーション参加者15名に満足度を調査したところ、14名にあたる93%がワーケーションに満足と回答した。また、事前・事後で「ワーケーションへの参加意欲」を尋ねたが、参加後のほうが参加意欲が大きく高まっていた。

実際に得られたポジティブな体験や実感として、「温泉により自宅勤務よりリフレッシュできた」が73%、「いつもより楽しんで仕事ができた」「いつもよりメリハリある仕事ができた」が67%となった。

●ポジティブ面

●ネガティブ面

課題として表れていたのは、仕事の環境面と会社の制度化などだ。ワーケーションについてのネガティブな印象・認識について参加者に尋ねたところ、「仕事の環境(ネットワークや机・椅子・ライトなど)が不十分かもしれない」と「会社として利用しやすさや金銭面で胃炎するような精度が充実しなければ難しい」という印象が強まったと答えたのがともに67%となった。

●ポジティブな体験とネガティブな体験

また、ワーケーションの事前準備から帰路までの体験をカスタマージャーニーになぞらえて整理した結果、ネガティブな体験とポジティブな体験、両方が次のように見られた。

ワーケーション参加の前段階には、「周囲からは『遊び放題!』と言われ腹が立つ」、到着してからは、会議室のWi-fiがうまくつながらない、椅子が長時間座るには合わないといった宿のリモートワーク環境に問題があったり、チェックイン前、チェックアウト後の時間にリモートワーク環境がなかった点など、ネガティブな体験が見られた。

しかし景色や場所が違うことで発想が変わる、温泉でリフレッシュ、自然の中で気分転換などポジティブな体験が得られ、ネガティブな体験を上回った。また、帰宅し通常業務に戻ってもリフレッシュ感が1~2週間続くなど良い体験の余韻が見られた。

●企業ロイヤリティ向上の可能性

また、意外なところで目立った結果が出ていた。「ワーケーションについての前向きな印象・期待」を尋ねたところ、「取り入れている企業は従業員のことを熱心に考えてくれているのだと思う」と回答したのが15名中13名の87%にも上っていた。

温泉ワーケーションにより、企業のロイヤリティが向上する可能性が示唆された。

●参加者インタビュー

参加者へとインタビューを実施したところ、次の声が得られた。

◆損害保険ジャパン株式会社の社員の声

「テレワークとの違いはあるのかなと思っていたが、やってみて全然違った。家で仕事をしているとどうしても自分の考えに寄ってしまいがちで、お客様のことをちょっと忘れてしまうところがあるが、ワーケーションで1日の中で自分がお客様になるシーンがあり、ホテルの方からサービスを受けたり、お食事のタイミングでサービスを受けたりすることが刺激になって、お客様視点のサービスや企画の質が上がったと感じた。お客様向けの企画や提案などの業務には向いているように感じた」

「ワーケーションの途中で家族と合流したが、今回は特に大分は初めてだったので、家族皆、行きたい場所や食べたいものがあった。期間が短いと結局満喫できずに終わってしまうが、今回はワーケーションで長い期間滞在できたので、悔いなく全部食べ切ることができたし、行きたいところも行けたのが、自分にとっても家族にとってもよかった」

◆三井住友ファイナンス&リース株式会社の人事部社員の声

「実際に体験してみて、日頃、私どもの部は今50名くらいで、業務上の話はするが、忙しいのでゆっくり腰を据えて外部から遮断されて、例えば『来年度の人事部としての施策はこれを打とうか』などのブレストをするような時間はない。まったく環境を変えてリフレッシュした気持ちで、そういうことをできればいいのかなと、ワーケーションを体験した後に思った。ただ、一人で行って業務をすると、あまり在宅勤務と変わらないというのが本音。」

「ワーケーションに限らず、リモートワークの一環でさらにワーケーションで『生産性がこれだけ上がりました』とか、例えばメーカーで新商品を作るときに『こういう企画をやってこういう企画が結果生まれました』とか、そういう成功例が積み重なっていくと、じゃあ、うちもやってみようかという意見が出てくるのかなと思った。また100社くらい実施したデータがあると成功例・失敗例がわかってくると思う。いいことばかり書いてあると、逆に信ぴょう性が低いと思う」

2.健康開発財団による調査結果

健康開発財団が実施した各種フィジカル、メンタル両面からの計測の結果、自律神経バランスが改善や末端血液循環の見える化で血管老化度の改善を確認した。

また、次のような健康関連自己評価に基づく「心身の状態」の改善もみられた。

健康状態や幸福感、リラックス、リフレッシュは、温泉滞在を通じた総合的な効果と推察されている。疲れ、肩こり、腰痛、手足の冷え、睡眠の改善は、温泉入浴による温熱効果でもたらされたと考えられている。

さらに、次のような「感情・気分」の改善も見られた

ネガティブな感情・気分である混乱や疲労感は低減し、ポジティブな感情・気分である活気・活力、友好的気分の改善が認められている。

この要因として、「温泉浴」に加えて滞在先での「おもてなし」や非日常空間での休養、JMACアンケートに見られたように自然の中での気分転換、仕事仲間とのチームの絆が深まる等の相乗効果などが考えられている。

この温泉ワーケーションの実証実験の結果から、環境面や制度面など働くということについて課題があることが分かったが、一方で、温泉や休暇の効果も出ていることがわかった。

BIGLOBEは現在、2021年7月30日(金)までBIGLOBEが宿泊費を負担するワーケーション実証実験「TRY ONSEN WORKATION プログラム」で、参加する企業を募集している。そのため、今後、さらに企業の実施データが増えていくと考えられる。

取材・文/石原亜香利

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