
ビットコインの高騰によって、再び脚光を浴びる暗号資産。この1年あまりで主要銘柄のシェアはどのように変動したのだろうか?
本稿では、20年の相場変動を受けて、暗号資産取引業を営むGMOコインユーザーの取引動向がどのように変化したのか紹介していく。
2019年と2020年「販売所」のシェア
2020年「販売所」のシェアは、ビットコイン(BTC)が51%で最多となった。またアルトコインの中ではリップル(XRP)が20%で最多となった。
2019年のシェアと比較すると、2020年はネム(XEM)のシェアが+10ポイントでもっとも大きく増加、ビットコイン(BTC)のシェアが-17ポイントでもっとも大きく減少、という結果となった。
各銘柄の取扱開始日は以下の通り
・ビットコイン(BTC):2017年5月31日
・イーサリアム(ETH):2017年9月27日
・ビットコインキャッシュ(BCH):2017年9月27日
・ライトコイン(LTC):2017年10月25日
・リップル(XRP):2017年11月29日
・ネム(XEM):2019年12月4日
・ステラルーメン(XLM):2019年12月4日
・ベーシックアテンショントークン(BAT):2020年3月18日
・オーエムジー(OMG):2020年7月22日
・テゾス(XTZ):2020年12月16日
ここからは2020年「販売所」におけるビットコイン(BTC)とアルトコインの月別シェアを紹介していく。
ビットコイン(BTC)とアルトコインの月別シェア
■2020年上半期(1月〜6月)
2020年上半期のシェアは、2月を除く全ての月でビットコイン(BTC)がアルトコインを上回った。
2020年上半期のビットコイン(BTC)価格をみると、1月1日に761,264円で取引が開始された後2月中旬にかけて上昇し、同月13日には2月の高値1,130,393円をつけた。
しかし2月の高値をつけて以降の相場は下落トレンドへ転換し、3月中旬にかけてビットコイン(BTC)価格は大きく下落、同月13日には2020年の安値となる402,022円となった。
その後3月下旬から価格は上昇し、5月7日には再び100万円台に到達するが、6月に入ると価格変動幅が小さい「凪相場」となり、6月の終値968,011円をつけて上半期を終えた。
なおアルトコインがビットコイン(BTC)のシェアを上回った2月の相場をみると、ネム(XEM)の価格が大きく変動した。
2月1日に4.538円で取引が開始されたネム(XEM)の価格は同月12日にかけて上昇し、2月の高値8.173円となった。しかしその後ネム(XEM)の価格は大きく下落し、同月29日には5.052円となった。
■2020年下半期(7月〜12月)
2020年下半期のシェアは、7月〜10月はビットコイン(BTC)がアルトコインを上回ったが、11月と12月はアルトコインがビットコイン(BTC)を上回る結果となった。
11月はアルトコインの相場が大きく変動し、シェアに大きな影響を与えた。中でもリップル(XRP)は、前月10月のシェア(7%)から+32ポイントの39%でもっとも大きくシェアが増加し、ビットコイン(BTC)のシェア(36%)を上回り最多となった。
12月はネム(XEM)のシェアが最も大きく増加し、前月11月のシェア(8%)から+15ポイントの23%となった。またリップル(XRP)は、前月11月のシェア(39%)から-9ポイントの30%となったが、11月に引き続きシェア最多となった。
なおビットコイン(BTC)は2017年12月に記録した高値(2,332,385円)を更新したことで大きな注目を集めたが、前月11月のシェア(36%)から-8ポイントの28%となり、2020年で最少という結果となった。
■まとめ
2020年「販売所」のシェアを紹介した。
2019年と比較すると、2020年はビットコイン(BTC)のシェアが減少し、アルトコインのシェアが増加した。なお2019年に取り扱いがあったアルトコインのうち、2020年にシェアが増加したのは、「リップル(XRP)」「ネム(XEM)」「ステラルーメン(XLM)」の3銘柄のみだった。
また2020年の月別シェアでみると、2月、11月、12月は相場の影響を受けてアルトコインのシェアが増加し、ビットコイン(BTC)のシェアを上回った。特に12月は、ビットコイン(BTC)が高値を更新したことで前月11月のシェアから増加するとも考えられたが、-8ポイントの28%と大きく減少し、アルトコインがシェア72%を占めるという結果となった。
出典元:GMOフィナンシャルホールディングス株式会社
構成/こじへい
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