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中国は環境、社会、企業統治のESG後進国なのか?

2021.03.21

三井住友DSアセットマネジメントの「マーケット・キーワード」では、同社のアジア株式運用者が運用業務を通して気付いたり、感じたことを“運用者の視点”として定期的に発信している。

急速かつダイナミックに変革が進む、中国・アジア地域の経済やマーケットの“今”を、独自の視点で伝えており、今回は先進国から遅れをとっているのではないかと言われている『中国企業のESG』がテーマ。その内容を紹介しよう。

企業は経営理念にESGを掲げるようになった

企業経営にESG(環境・社会・企業統治)の理念を反映させるべきという考え方は、ここ数年で完全に市民権を得た感があり、株式投資の世界では、ESGへの取組み姿勢が銘柄選択の重要な尺度の1つになった。

とはいうものの、官民あげてのESGの大合唱を聞いていると、1990年代後半の「インターネットバブル」相場を思い出すことがある。当時は、業種を問わず自社の「インターネット戦略」について語り、投資家の関心もそこに集中していた。

ESGにおいても、投資家は雰囲気に流されずに、理念とその実行に向けた取り組みがなされているか、企業ごとに見極める必要があると感じる。

中国はESG後進国なのか

そうした中、先進国に比べて、『中国企業のESG』への取組みは遅れているという評価が一般的で、民間のESG評価会社によるランキングでは、多くの中国企業が下位に名を連ねている。

また、中国企業の経営陣などとのミーティングでも、現地の投資家からESGに関連した質問が出ることは稀で、企業側からも積極的な取組みの説明をすることは多くなく、先進国との間には温度差が残っている印象。

他方、昨年9月の国連総会で、習近平国家主席が2060年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにする目標を打ち出した。具体策に落とし込む作業が本格化すれば、ESGの“E”対応などは、一気に進む可能性が高そうだ。

【今後の展開】今後、ESGの取り組みに企業が求められることとは

なお、ESGは重要ではありますが、投資家としては一定の注意が必要と思われる。例えば、脱炭素に向けた企業の動きで、日系の商社などは、CO2排出量の多い石油開発や石炭火力発電からの撤退や事業規模の縮小を急いでいる。

世界の石油需要は短期間で急激には減らず、石炭火力もまだまだ必要。にもかかわらず、伝統的な資源・エネルギー分野への投資が許されない空気が支配的で、今後、何らかのショックで供給が細り、価格が高騰した場合に、金利や株式市場が無傷で済むかどうかは、投資家の関心事項の1つ。

欧米の石油メジャーや中国の国有企業などは、脱炭素という長期目標を掲げながらも、開発投資は継続という現実的な対応をとっているようだ。銘柄選択においても、単にESGの評価が高い企業ではなく、ESGの理念を共有し、最終的なゴールを見据えつつも、あらゆるリスクを想定した現実的かつ柔軟な対応をとれる経営が評価される余地は、依然として大きいと思われる。

関連情報:https://www.smd-am.co.jp/

構成/DIME編集部

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