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どれも傑作!アイデアが掻き立てられる国産材を用いたクリエイティブアワード受賞6作品

2021.03.21

SDGsやカーボンニュートラルなどの推進に期待が寄せられる国産材。それを活用するアイデアが集まった。

それは「WOOD CHANGE AWARD」というアワード。株式会社ロフトワークが、一般社団法人 全国木材組合連合会の後援・林野庁補助事業の支援のもとで実施している国産材の需要創出・ 利用拡大を支援するプロジェクト「WOOD CHANGE CHALLENGE」の一環として行われた。その受賞6作品は、いずれもクリエイティブなアイデアがかきたてられるものとなった。その6作品と審査コメントを紹介する。

「WOOD CHANGE AWARD」とは

WOOD CHANGE AWARDは、国産材にクリエイティブをかけあわせ、「もしかしてこんなに変わるかも(Would change)」という自由奔放なアプローチを募集したクリエイティブアワードだ。

国産材に無関心な人々の意識に変化を起こし、大きな課題を解決することが目指されている。

アイデアは、国内外より未発表の作品やプロトタイプ、コンセプトスケッチやサービスまで幅広く集められ、普段から木材を活用する職業の人だけでなく、グラフィックデザイナーや映像作家、アニメーターらのほか、学生、主婦などまで、タイや中国など海外からの応募も含め103作品が集まった。その多数の中から受賞した6作品は、いずれも新たな国産材活用の可能性が広がる秀逸なアイデアとなった。

2021年2月24日(水)には、建築家やアートディレクターなどにより構成された審査員4名による厳正な審査が行われ、ゴールド、シルバー、ブロンズ、 ピックアップ賞が決定した。

林野庁 木材利用課長は、次のコメントを寄せている。

「カーボンニュートラルやSDGsという持続可能な未来に向けた社会課題の解決に、日本の森や木が大きく貢献できると考えています。『WOOD CHANGE CHALLENGE』では、作品応募、キャンプやイベントに多くのクリエイターにご参加いただきました。 応募作品は、いずれも木材の魅力や可能性を強く感じられるものでした。クリエイターの皆さんに生み出されたアイデアを通じて、 多くの方々の日本の森や木への関心が高まり、ひとりひとりの『ウッド・チェンジ』のアクションにつながることを期待します」

「WOOD CHANGE AWARD」受賞作品6作品

その受賞作品6つは、どんなものなのか、上位3位のゴールド、シルバー、ブロンズを中心に見ていこう。

1.ゴールド

「もりのがっこう(仮)」
足立成亮、陣内雄、神輝哉、 金内智美、木野哲也、 SHIN sasaki、野中穂(林業従事者、NPO法人理事、福祉事業・観光、北欧雑貨店主、 文化芸術事業プロデューサー 、デザイナー、カメラマンで構成)

●作品概要

森林・林業現場への興味関心を高めることを目的に 『こんな森があったらいいよね』を共有・実現する場とし て、現役の林業従事者がひらく「もりのがっこう(仮)」 を創立するアイデア。環境保全型林業の現場として 稼働している札幌市内山林から、北海道各地へ展開することを想定。

2.シルバー

「Hygrosensitive Shape-Shifting Facade」
Zhenfang Chen(研究者)

●作品概要

木材の吸湿性を利用して、相対湿度の変化に応じて、晴天時には閉じ、雨天時には開く、気象に敏感な、可動ファサード。実際に実験や、試作でのテストも実施した上で提案している。

3.ブロンズ

「戻り苗」
奥川季花、西来路 (協力:株式会社中川、樹木医:大谷栄徳) (編集者、グラフィックデザイナーで構成)

●作品概要

林業で使用されるスギ、ヒノキ、ウバメガシの苗を家庭で育て、山に植えてもらい、同じ山で育った木が製品となって、手元に戻ってくるというサービス。 木材製品への愛着と、日本の森林に対する関心を 高め、 林業界の課題の一つである日本木材の国内消費増加につなげる考え。

4.#MATERIALITY賞

「木雲」
齋藤拓海(大学院生)

5.#ACTIVITY賞

「ICE TREEM」
田嶋千寛(大学生)

6.#STORYTELLING賞

「触れると思わず前に進みたくなる、音を 奏でる木の手すり」
MATHRAX 〔久世祥三+坂本茉里子〕 (アートユニット)

審査員のコメント

これらの受賞6作品について、審査員4名は次のコメントを寄せている。

●永山祐子さん(建築家)

ポートレットクレジット:木内和美
「本プロジェクトでは、『プロが見て凄いもの』よりも、一般の方にも想像、共感してもらえるアイデアが求められていたと思います。応募作品は様々な分野から多様なアイデア・プロダクトが集まりました。その中でも受賞作品は、そのアイデアを見た人が新たな可能性を語り始めるくらい想像力が掻き立てられる、“未来への種”を感じるもの、そして身近な体験をアイデアにした共感性のあるものを選ばせていただきました。」

●秋吉浩気さん(建築家/メタアーキテクト/VUILD株式会社代表取締役CEO)

「人と木の関係を再構築するためには、これまでの常識を疑い行動することが大切であると、審査を通じて学びました。現場である山を人々の居場所として再定義するだけでなく、林業従事者という職能を創造者へと再定義しているゴールドを筆頭に、様々な勇気ある挑戦に出会うことができました。とりわけ、学生達が山や流通に踏み込んで提案していた点が印象深く、このような時代の変化の追い風とし て各賞が貢献できればと願っています。」

●佐藤ねじさん(アートディレクター/プランナー)

「林業が抱える課題を家庭菜園で解決に導くアイデアなどに、『未来的』『WEB的』な発想を感じ、面白かったです。サービスを通して問題提起の意識が続いていくアイデアに、沢山のキャッチコピーが生まれる気配を感じています。審査を通して感じたのは、「よいものを作るひと」と「それを伝えるひと」の両方の存在が大切だということ。一つの批評が、その価値を伝えることに機能すると感じました。」

●若杉浩一さん(武蔵野美術大学 造形構想学部 クリエイティブイノベーション学科 教授)

「予想だにしないもの、『その手があったか!』と感じるものなど、多様なアイデア溢れていて興味深かったですね。また、そこに第三者のアイデアが加わると、一気にリアリティが加速して、実装などの次のステップに行くこともイメージでき、審査を通して将来性を語る意味でも面白かった。イノベーターとして山に関わる人が増えていけば、人々はより山に興味を持ち、山に戻っていく未来も見えた気がします。」

審査員のうち、永山祐子さんに、ゴールド、シルバー、ブロンズそれぞれの作品について、どのように想像力が掻き立てられたのか聞いた。

【取材協力】
建築家 永山祐子さん
1975年東京生まれ。1998年昭和女子大学生活美学科卒業。 1998−2002年青木淳建築計画事務所勤務。2002年永山祐子建築設計設立。
http://www.yukonagayama.co.jp/

「審査会では100点の応募作品の中からゴールド、シルバー、ブロンズを選ぶのはとても難儀に思えたけれど、最終的に選ばれた3作品を改めて見返すと、第一回目の受賞作品として納得の作品であると改めて思いました」

●ゴールド「もりのがっこう(仮)」について

「『もりのがっこう(仮)』は木こりの方たちが作業の効率だけではなく、森と人との関わりを考えながら作った『森林作業道』を中心に広がる誰でも森と関われる場です。森で遊ぶ感覚、それを皆が共有でき、森や木を知ることのできる機会になります。そして林業に携わる方にとってはただの作業場としではない、新しい森の価値を見出す良い事例となります。森の価値を“変える“という意味で、今回のWOOD CHANGE AWARDに相応しい提案です」

●シルバー「Hygrosensitive Shape-Shifting Facade」」について

「木は水を含むと反るという特性は一般的にはネガティブな特性だけれど、この特性を生かし湿度によって変化する含水率を動力とした、とても繊細なキネティックなファサードデザインとなっています。樹種、木目方向、ピースの形状などきめ細やかな検証を行っていてプロセスも素晴らしく、今後このシステムを応用して様々な提案に広がっていく可能性を秘めています」

●ブロンズ「戻り苗」について

「昔、女の子が産まれると桐を植え、女の子の成長と合わせて大きくなった桐の木を使って嫁入り道具の桐箪笥を作るという風習のように、木の一生を商品とした新しい森を育てるシステムの提案であり、苗業者の不足という問題を抱える林業の解決策にもなっています。各家庭で苗を育て森に返してあげる、その循環の中に、苗を育てる楽しみ、森に返した後に森に想いを馳せるという人の意識を変える大きなきっかけがあります。原動力が個々の人々の”fun”にあるという点に共感しました」

アイデアが掻き立てられると同時に、大切な資源である国産材という日本人にとって愛着のある存在が、さらに身近に感じられた良い機会となった。

WOOD CHANGE CHALLENGE

取材・文/石原亜香利

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