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新型コロナで該当企業が急増!借入期限ではないのに即時返済を求められる「財務制限条項」とは

2021.03.21

日本の多くの企業が借入を行っています。新型コロナウィルス感染症拡大の影響で「財務制限条項」に抵触する企業が増えています。この条項に抵触すると直ちに返済を求められてしまいます。

会社倒産の条件

会社の倒産とは法律用語ではなく、破産や民事再生を含む広い意味を指します。

ただ、倒産の状態となれば上場企業であれば上場廃止等の措置がとられます。

会社が倒産に陥るには、以下の条件が挙げられます。

①債務超過

赤字が続くなどで自己資本が欠損し負債部分が資産より大きくなってしまった状態をいいます。

または、負債が大きくなり資産より大きくなってしまった状態をいいます。

負債が資産より大きくなってしまうと、会社の資産を全て売却しても負債を返済できないことになります。

自己資本とは、株主から集めた資金と会社の利益の蓄積で、返済義務のないものです。

負債は、借入金等で返済義務があるものです。

自己資本は、資本金や資本剰余金は特に資本取引(新株発行等)がない限り変動しませんが、利益剰余金(繰越利益剰余金)は会社が利益を生み出した純利益が蓄積される部分です。逆に赤字になるとこの部分が削られていき自己資本も減っていきます。

この利益剰余金の部分の赤字が大きくなると自己資本全体の数字がついにはマイナスとなり、右側(貸方)に占める負債の部分が大きくなってしまい、左側(借方)の資産の部より大きくなると債務超過になってしまいます。

この状態だと左側の資産を全て売却しても返済義務のある負債を返しきれないということになります。

②支払い不能

返済義務のある支払いが支払期限までに返済できなくなった状態をいいます。

財務制限条項により支払い不能?!

倒産の条件となる債務超過に陥っていなくても(あるいは陥っていたとしても)、借入が続く限りは直ちに倒産となってしまうことはありません。

しかしながら、新型コロナウィルス感染症の拡大により影響を受けた外食産業、旅行業の財務諸表のおける注記に、「財務制限条項」により銀行から資金を即時に返済を求められているケースが目立ちます。

財務制限条項とは、銀行との借入契約とともに行われる契約で、借入を行う企業の財務諸表の利益などについて赤字になったなどの条件に該当する事項があると、直ちに借入資金の一括返済をしなければならないという契約で、赤字ということは業績が悪い上に直ちに一括返済に応じるのは難しく、直ちに倒産条件である②の支払い不能となってしまうわけです。

<財務制限条項の一例>

・純資産を前期の○%以下になった場合に即時一括返済
・赤字が続いた場合に即時一括返済
・有利子負債比率が○%以上になったら即時一括返済
・自己資本比率が○%以下になったら即時一括返済
・格付が格下げになったら即時一括返済

財務制限条項により実際返済を直ちに迫られるのはまれ

財務制限条項により、実際に直ちに返済を迫られ、返済できず支払い不能で倒産となることはまれなようです。

銀行はこの一括返済にしてすぐに手を引くというわけではなく、企業は再交渉して再び借入をおこすことも可能です。ほとんどの場合が財務諸表注記において記載されているのは、猶予して再交渉する、借換えに同意、交渉中等が記載されており、一括返済にして倒産になる例はまれであり、財務諸表の注記に「財務制限条項に抵触し債務超過となり、現在交渉中」となっていても直ちに倒産してしまうことはありません。

実際にこの財務制限条項は、企業が債務超過に陥る前に銀行からアドバイスを受けて改善する機会となったり、銀行側に不利な事項(返済すべき金額を配当してしまう等)などを阻止したりするためのものであるようです。

また、現在は新型コロナウィルス感染症による影響により債務超過に陥った場合は借入を行えるよう国もバックアップしています。金融庁では、新型コロナウィルス感染症緊急経済対策として財務制限条項が抵触していても機械的に一括返済させるのではなく、経営実態をきめ細かく把握し直ちに返済を要求しないこと、猶予に関する相談は迅速かつ真摯に対応すること、シンジケートローン(複数銀行の共同での貸出し)においては関係金融機関が協力して一体的に対応すること等を求めています。

日本銀行においては、中小企業にも資金が行き届くよう、新型コロナ対応金融支援特別オペにより銀行に資金を供給し、銀行が中小企業に貸出ししやすい体制にしています。

ただ、新型コロナウィルスの収束までの期間が長い、収束後も需要が伸びないなど営業赤字が長引けば実際に債務超過となってしまう恐れもあるため、財務制限条項に抵触している企業は今後の業績が回復しているか、回復する見込みや根拠があるか注視する必要があるでしょう。

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文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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