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元シングルマザーのコンサルタントが実践する「感情の波を表に出さない」ことの大切さ

2021.03.23

■連載/あるあるビジネス処方箋

その1はこちら

2回にわたって、私が今年1~2月に取材し、その生き方に感銘をした女性を紹介したい。経営コンサルティング会社・アイコンテンツ代表取締役社長の吉野太佳子さんだ。中小企業診断士の資格を持つコンサルタントとして中小企業を中心にIT・デジタルの戦略支援などを行う一方で、国をはじめとする公的機関の中小企業経営相談も担当する。特に多いのは、女性の起業相談だ。離婚をした人や離婚をしようと考えている人が増えているという。

吉野さんのプロフィールは、次の通り。

京都芸術短期大学(現:京都芸術大学)を卒業後、大手不動産会社、商社系ブランディング会社で主にブランドライセンス事業を担当する。2003年に大手製造企業のグループのIT会社に入社し、経営やマネジメントに目覚める。会社員をしながら、シングルマザーとして2人の子どもを育てる一方、勉強を7年間続け、難関と言われる中小企業診断士の試験に合格した。

2014年に退職し、経営コンサルタントとして2015年に独立。2017年に株式会社アイコンテンツを設立。2018年には明治大学経営学研究科経営学専攻(MBA)を修了し、明治大学経営学部特別講師、ハリウッド大学院大学講師を務める。

感情の波を表にあらわさないようにしていた

吉野さんは日記だけではなく(その1参照)、自らの感情に気をつけて仕事をしていたという。例えば、上司には感情を入れないようにして、事実を伝える。感情の波を表にあらわさないようにしていたそうだ。

吉野さんは上司を観察していて、精神状態や気分がいつも安定している人のことを「信頼できる部下」と評価するんじゃないか、と感じていたようだ。自身も感情の波がない人を信頼する傾向があったという。

「会社員の頃は、上司などから信頼を獲得したいと思いが強かったのです。信頼して欲しい人に信頼して欲しいがゆえに、そのような行動をとっていました。

20代の頃は、こんな思いにはなっていませんでした。離婚をしてからではないでしょうか。この頃から、仕事への姿勢や考えが大きく変わってきたのです。当時は、女性の中には仕事や会社が嫌になり、退職する人がいました。私も20代の頃はそうだったのです。出産を機に退職し、専業主婦になりました。

男性の多くは、家族を支える柱として基本的には現在の会社に残るか、転職しても新たな職場で働き続けますよね。離婚し、子育てをしながら社会に出て仕事をするようになった時、親としての責任をまっとうするためにどうすべきかと考えました。無意識のうちに仕事への姿勢や考え方が変わっていったのだろうと思います。

当時も今も一部では『女性は感情の波があるから、安心して仕事を任せることができない』と言われます。私自身、波があるのは自覚していました。女性は特に考え方、仕事の姿勢を管理する力を身につけることは大切だと思います」(吉野さん)

女性が自らの考えや希望、生きがい、働きがい、誇りを持って生きていこうとすると、そこには何らかの壁が立ちはだかる場合がある。それらを乗り越えるのは、容易ではないのかもしれない。私が、身内を見ていて痛感することでもある。吉野さんのような生き方をするのは、誰もができるわけではないのだろう。それでも、こういう生き方をする女性がいることは伝えておきたいと思った。

社会の厚みを示す1つのバロメーター

話がやや広がるが、大切なことだと思うので書いておきたい。ある意味での厚みがないから、ここ30年程、日本の経済や社会は行き詰まっている傾向があると私はかねがね見ている。厚みがないのは、多様ではないことを意味する。30年程前にすでに世界有数の経済力や技術力、教育力を兼ね備えた国になっている。このレベルならば、本来は多様な価値や生き方がある程度は認められていないと、社会としての総合力が伸び悩むはずだ。

ところが、この約30年間、そのような社会を作る試みが十分にはできていない。多種多様な価値観や生き方が、本当の意味で浸透しない。それが、日々の仕事においてもよく見られる。

例えば、私の周りでは雑誌や本の企画について議論をする際、自分と反対意見を言う人と、冷静で深い議論をする人は20~60代から男女問わず極めて少ない。少なくとも、私はフリーになってこの17年間で120人程の編集者と仕事をしてきたが、そのような場合、冷静で深い議論ができるのはわずか数人だ。それ以前の15年程の会社員時代を振り返っても、その意味での議論ができるのは上司や同僚、取引先、取材相手を含め、数人しか記憶にない。

 こういう極端なほどに排他的な社会では、男女とも自らの考えや希望、生きがい、働きがい、誇りを持って生きていこうとすると、ぶつかる壁は高く、大きいのかもしれない。私はそのような問題意識を強く持っているので、吉野さんを紹介したかった。こういう女性が増えていくのが、社会の厚みを示す1つのバロメーターになるのではないだろうか。

 なお、吉野さんが中小企業診断士として女性から起業の相談を受けると、離婚をした人や離婚をしようと考えている人が次第に増えてきているという。ここに、社会が変わろうとする動きを見ることができる。

株式会社アイコンテンツ
https://icontents.co.jp/

 離婚した女性の生き方を取り上げた記事は、以下にも掲載。

【私が起業した理由】好きが高じてお店をオープンした「旅するコンフィチュール」店主兼シェフ・違 克美さん
【私が起業した理由】シングルマザーとして育児と夢の実現に奔走する日々「旅するコンフィチュール」店主兼シェフ・違 克美さん
【私が起業した理由】知識や経験値が少ない分、四六時中仕事のことを考えています「旅するコンフィチュール」店主兼シェフ・違 克美さん

文/吉田典史

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