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コロナ禍が生んだ「唐揚げバブル」の行く末

2021.03.21

から揚げ

 外食業界誌紙14社の記者が選んだ2020年の「外食アワード」で、昨年を象徴するキーワードとして、「コロナ禍」「テイクアウト・デリバリー」と並んで選出されたのが、「唐揚げバブル」。たしかに昨年は鶏のから揚げの年でしたね。

 現在、我々が食べている鶏のから揚げは、1932年に三笠会館(当時は「食堂三笠」)が、銀座1丁目に出した鶏料理専門店の看板メニューとして考案したものと言われています。それ以前から、洋食店ではチキンカツが作られていましたが、鶏は肉の中でも一番の高級食材で、価格はチキンカツ、ビーフカツ、ポークカツの順に高かったそうです。味やにおいにクセのない鶏肉(特に胸肉やもも正肉)は、日本人には牛肉や豚肉以上に食べやすかったので文明開化以降、需要が高く、ずっと高値だったそうです。じゃあ、町の焼き鳥屋サンはどうしてたのかと言うと、昔は卵を産み尽くした身の硬い廃鶏を使っていたんだとか。

 そんな鶏肉が一般化したのはブロイラーの登場のおかげ。ヒヨコからニワトリに成長する期間がそれまでの鶏の3分の1ですむブロイラーは、1920年代にアメリカで開発されました。アメリカでは第2次大戦中、鶏は牛や豚と違って統制品にならなかったため、生産量が爆発的に増加。戦後、進駐軍が日本に持ち込み、1960年代になると、国内の大手食品会社や商社が続々とブロイラーの生産に乗り出し、値段がグングン安くなって、鶏のから揚げも一気に普及。「日本人の好きな食べものランキング」で、寿司・ラーメン・カレーと並んで、ベスト4の常連となるに至りました。

 が、近年、日本では共働き家庭が70%近くに達し、夕食に手間のかかる料理を作らなくなったため、油はねの始末とかレンジフードの掃除とか何かと手間がかかる揚げものは、急速に家庭料理から姿を消しつつあります。

 パナソニックが2018年に行なった調査では、過去10年で家庭で作られる回数は、鶏のから揚げが18.9%減、豚カツが27.6%減、天ぷらが37.9%減、コロッケに至っては45.8%減となっているそうで。言われてみれば、油を固めて捨てるテンプルとか、油切りのリード・クッキングペーパーとかのテレビCMも見なくなりました。

 それでもから揚げはみんな好きだし、食べたい。というわけで、数年前から晩ご飯のおかずのプラス一品として、から揚げを売るテイクアウト専門店が登場。から揚げ専門店は、完全にマーケティングの産物なのです。

 走りは、昔から養鶏場が多かったため、から揚げがよく食べられていた日本のから揚げの聖地、大分県中津市の中津から揚げを全国に広めた、NISの『鶏笑(とりしょう)(1号店は2010年に浦和にオープン)でしょう。その後、ブロイラー卸のシマナカの『金のとりから』や、『かつや』のアークランドサービスホールディングスの『からやま』、ワタミが実家が玉子焼き屋のテリー伊藤と組んだ『から揚げの天才』など、テイクアウトチェーンが続々誕生しました。から揚げ先進国の韓国では、以前からテイクアウトのから揚げチェーンが乱立していたそうで、もしかしたら韓国フードブームの一環なのかもしれません。

主要唐揚げチェーン一覧

『から揚げの天才』

ワタミが、TVプロデューサーのテリー伊藤と組んで、傘下の『ミライザカ』『鳥メロ』で培ったから揚げのノウハウを注ぎ込んで、2018年11月から展開しているから揚げ&玉子焼きの専門店『から揚げの天才』。ワタミはこれまで直営にこだわってきたが、この店はFCも展開。コロナ禍の昨年9月、出店費用を従来の半分に抑え、駐車場の空きスペースにも出店できる「999万円出店モデル」を造り、1号店を埼玉県上尾市に出店しました。

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