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キャッシュレス化で目に見えないお金のことをどう教えたらいい?10才になるまでに伝えたいお金の5つの価値

2021.03.17

コロナ感染防止対策でキャッシュレス決済利用が増える中、現金を手にする機会が減っている子どもの金銭感覚を養うには、どうすればいいのだろうか。人生を生き抜くひとつの力として、子どもたちにお金教育を続けている「キッズマネースクール」代表理事の三浦康司さんに話を聞いた。

【取材協力】

三浦 康司さん
キッズマネースクール代表理事 一般社団法人「日本こどもの生き抜く力育成協会」代表理事(キッズマネースクール
親子で楽しみながらお金のことを学べる体験型のセミナーを全国各地で開催。お店屋さんごっこやゲーム形式で為替や投資を学ぶプログラムを取り入れ、年齢に応じた教育をしている。ファイナンシャルプランナー、基礎心理カウンセラーなどの資格を持ち、ごえん保育園の園長を務める。著書に「子どもが一生困らないお金のルール」がある。
10歳までに身につけたい子どもが一生困らないお金のルール

お金の価値や使い方、キャッシュレスになったらどう伝えるべき?

「学校では、お金の大切さ、使い方、管理の仕方をほとんど教えてくれません。小さいころからお金の機能や役割を伝えて正しい金銭感覚を身につけておくことは、生きていく上で不可欠」と三浦さん。全国各地で年100回以上開催する「キッズマネースクール」では10才までに次のようなことを教えている。

1、お金は「ありがとう」を交換するもの

「子どもたちに『お金ってどこにあるの?』って聞くと、『ATM』と普通に答えるんですよね。“人前でお金の話をするものではない”と教えられてきた親世代は、子どもの前でもお金の話はタブー。まず私たちが伝えたいのは、お金は汚いものではなく、“ありがとう”を交換する素敵なものだということです。

例えば、コンビニでジュースを買ったら店員さんは私たちに『ありがとう』と言いますよね。欲しかったジュースを手に入れた私たちも『ありがとう』と返します。お金のやり取りには感謝の気持ちが行き来します。

たくさんの“ありがとう”をもらうために、お父さん、お母さんは、毎日一生懸命働いてお給料をもらっています。そのお金で生活をしているので、親に感謝し、お金は大切にしなければいけないということを伝えています」

2、お小遣いはどう渡す!?

お小遣いは子どもにとって身近なお金。「何才からあげるの?」「いくら渡すの?」という親からの質問は多いよう。三浦さんは3~4才の早い時期から始めることを勧めているそう。では、なぜ早い段階でスタートするのがいいのか。

何才からあげるの?

「子どもが『○○買って』とお金で物を買うことが分かったタイミングでお小遣いを始めてほしいと思います。もらったその日にお金を使い切るというのはよくある話。次のお小遣いまで、どうしようという痛い経験をしながら学ぶことはたくさんあります。失敗をたくさんしてほしいという意味で早い段階から始めてほしい。また少額ですむ方が親にもとってもストレスがありません」

いくら渡すの?

「予算は家庭それぞれなので、金額は親子で話し合って決めてほしいと思います。重要なことは、渡したお小遣いに関して、親は一切口を出さないということ。

我が家の場合、低学年の娘のお小遣いは月に3500円でした。高いと思うかもしれませんが、実は3000円は書道の月謝。習い事にもお金がかかるということを分かってもらうためです。このような決め方をすると、子どもは納得します。今は習い事も振り込みが主流。習い事代を含めたお小遣いを渡し、その中から月謝を受け取って銀行に振り込むという手間も、お金の大切さを理解させるために必要かもしれませんね」

渡し方は?

定額タイプ
週や月単位で一定の期間に一定の金額を渡す。
お金の管理を学ぶことができます。

報酬制タイプ
お手伝いなどの働きに応じて、お小遣いの金額が決まる。
お金は仕事の対価だということが分かる。

ミックスタイプ
報酬制と定額制を合わせたもの。

「上記のような渡し方はいかがでしょうか。報酬に賛否はありますが、労働の対価であることを学ぶ上で大事です。しかし報酬へのモチベーションは年齢とともに下がり、求める金額は上がってくるもの。金額や渡し方は年齢や成長、性格に合わせて使い分けるといいでしょう。

また管理の仕方も教えましょう。「自分で使うお金」「貯金」そして、「ありがとうのお金」に分けることを提案しています。例えば、おじいちゃん、おばあちゃんにプレゼントを渡すとき、親が用意するものと、孫がお小遣いの中から買ったものではどちらが喜んでくれるでしょうか?もちろんお小遣いからですよね。最上級の『ありがとう』をもらった子どもは、さらにお金の大切さを学ぶことができるのです」

3、キャッシュレスは魔法のお金

実際に現金のやり取りのないクレジットカードや電子マネーなどは、子どもたちからすると魔法のお金。とても便利だが、正しい使い方を知らなければ、犯罪に巻き込まれる可能性もある。

「電子マネーなどを利用するのは、これまで話してきたお金を大切にする習慣が身についたことが大前提です。

バス代をチャージした交通系カードを見せて、『この中にはお金が入っている』と教えても子どもはピンときません。まず、親がお財布の中から現金を出しチャージする姿を見せなければなりません。そしてカードを使うたび、お金が減っていることを実感するために、電子マネー帳を作るのも効果的」

4、為替のしくみ

グローバル化に対応していかなければならない子どもたちに、同スクールではゲーム形式で外国のお金や為替を学ぶプログラムを用意している。

「自国の通貨だけで困っていないのは日本だけ。国際化が進む中で外貨や為替を知らなければ、勝ち目はありません。まずは外国には外国のお金があって、1円=1ドルではないということを知るところから始めます。

アメリカにアップルパイを買いに行きます。日本のお金では買えません。購入するには、銀行で両替し、千円を10ドルに替えてもらわなければいけません。そこでやっと10ドルのアップルパイが1つを購入できるわけです。銀行に行くたびサイコロを振って、出た目で為替が決まるというゲームをすると、為替変動の仕組みを実感することができます。千円が20ドルになれば、アップルパイは2つ購入でき、円高だとお得に買い物ができるということが自然に分かるように。

世の中の動きとお金の仕組みを知ることは、これからの時代を生き抜くために必要なこと。幼いころから外国為替に触れているだけで、ワールドワイドな視野をもてるようになるのです」

5、投資教育も親子で楽しく

少子化がますます進み、税金や保険料の負担が増えていく中で、小さい頃から投資を学び、資産を運用していく必要があると三浦さんは言う。

「現在、銀行に100万円預けても、200万円になるまでには72000年かかるといわれています。子どもたちがライフプランを実現するには、“お金を増やす”という概念を持たなければなりません。しかし、子どもが投資の必要性を学んでも、投資=ギャンブルだと思っている親が止めていては意味がありません。投資教育は親子で一緒に学ぶということが大切ではないでしょうか。

例えば7.2%という金利があり、100万円を複利で運用すれば、10年後は200万円、20年後は400万円、30年後は800万円、40年後は1600万円になる計算。10才で始めれば、50才で1600万円です。もちろんすべてのお金を投資に充てるのは危険。しかし10才の子どもと40才の親が始める投資ではリスクがまったく違います。子どもには時間という最大の武器がある。この時間を有効に使うためにも、早い段階から投資を学んでほしいと思います」

「今の生活ができるのは、仕事をしてお金を稼いでくれる親のおかげだと、思えることが、大人へのあこがれや仕事へのあこがれにつながり、子どもたちが未来設計図を描くヒントになる」と三浦さんは話す。社会の中でお金が循環し、それが自分たちの将来につながっていることを感じてもらうために、まず親が日々どのようにお金を使っているのかを、子どもたちに積極的に見せていく必要があるのではないだろうか。

取材・文/佐野恵子

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