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8年前のトラウマが蘇る?FRBによる量的緩和縮小で「テーパータントラム」に警戒

2021.03.10

『テーパータントラム』とは、量的金融緩和の縮小に対する金融市場の混乱のことだ。

2013年5月に、当時のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が量的金融緩和の縮小を示唆し、長期金利が急騰、新興国通貨が下落するなど、金融市場が混乱した。

今回は三井住友DSアセットマネジメントが発表したマーケットレポート「『テーパータントラム』~8年前のトラウマ~」を見ていきたい。

2013年の「バーナンキ・ショック」により金融市場は混乱

当時、米連邦公開市場委員会(FOMC)が四半期ごとに公表しているドット・チャート(メンバーが予想する政策金利の予想分布)では、2015年12月までに3回の利上げが予想されていた(2013年3月時点)。しかし、「バーナンキ・ショック」と呼ばれるこの『テーパータントラム』を受けてFRBは金融市場との対話に苦心することとなり、実際の初回利上げは2015年12月の会合まで後ろ倒しとなった。

景気過熱による早期引き締め観測

2020年以降、コロナ禍を受けてFRBは大規模な金融緩和政策を実施した。積極的な財政政策も相まって、今後景気回復が期待されている。更に、新型コロナワクチンの接種拡大による景気の正常化に加え、バイデン新政権による米国の追加経済対策などを受けて、景気回復の度合いが想定よりも速くなり、むしろ景気過熱を招くのではないかという懸念も燻っている。

金融市場の物価予想を示す指標の一つである期待インフレ率(10年先)は、2020年末には約2.0%だったが、2月半ばにかけて2.2%を超えて推移した。急激な物価上昇によりFRBが早期に金融緩和政策を巻き戻した結果、『テーパータントラム』が生じることを市場は警戒している。

FRBは『テーパータントラム』に配慮

足元、自動車など一部の項目では価格上昇がみられているが、需給のひっ迫を反映した一時的なものであり、持続的なインフレに必要な賃金上昇には至らないと考えられる。

パウエルFRB議長も、2月下旬の議会証言において、物価は上昇すると予想されるが持続的とも高水準になるとも予想していない旨を示し、量的金融緩和縮小の時期に関してはガイダンスを通じて、市場に明確に伝達する意向を強調している。『テーパータントラム』の発生が景気回復の足かせとならないよう、FRBは引き続き配慮していくと予想できる。

構成/ino.

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